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【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家すぱいく:市場との対話を忘れた日銀

2016/5/6 11:21 FISCO
*11:21JST 【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家すぱいく:市場との対話を忘れた日銀 以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家すぱいく氏(ブログ:1億円を貯めてみよう!chapter2、ツイッター:@Spike_komainu)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。 ---- ※2016年4月28日21時に執筆 キャンペーン屋&定期預金ウォッチャーのすぱいくです。 日本銀行(日銀)が2016年4月28日の日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持を発表したことで、日経平均株価は急落しドル円は円高となりました。 それに先立つ22日に日銀関係者のコメントということで、金融機関へのマイナス金利での貸し出しを検討との一部報道により、市場関係者の追加緩和期待が生じ、日経平均株価は大幅に上昇、ドル円は円安となりましたが、1週間の上昇分を28日の大幅下落で帳消しにし、元の水準に戻った格好となりました。日本株および円は短期的にボラティリティが拡大、市場関係者には好ましくない動きと言えます。 最近の日銀の金融会合の決定までの動きをみると、市場との対話を全く省いているように思えます。 1月29日の金融政策決定会合で日銀はマイナス金利政策の導入を決めましたが、約1週間前に黒田日銀総裁は、「現時点ではマイナス金利を具体的に考えていることはございません」と答弁したことから、不意打ちの金融緩和となりました。 しかしながら、一旦上げた日経平均株価がすぐに下落するなど、市場が大きく混乱しましたのは記憶に新しいところです。 今回の金融機関へのマイナス金利での貸し出し報道は、日銀事務方がリークしたものと想像していますが、そのリーク内容を好意的に思っているグループのリークか否定的に思っているグループのリークかはわかりません。 日本のマイナス金利政策は、通貨安への誘導とみなしているアメリカから批判を受けていることから、日銀はチラだしして、アメリカの反応を探った可能性もあります。ただ、結果として市場関係者の期待を膨らますだけ膨らませて冷水を浴びせたような形となりました。 今回の市場の混乱は、市場関係者はもちろんのこと、個人投資家もいろいろ混乱したと思います。 特にジュニアNISAなどで初めて投資した方には、この激しい値動きを経験すると、投資は怖いものだという悪い印象を持つことでしょう。 私個人は、今年に入ってからの日銀の金融政策は、安倍政権の支持率向上または維持のために円安、株高を仕向けるためにサプライズを狙ったタチの悪い金融政策であり、現在の経済情勢下において、これ以上の緩和は反対の立場です。景気浮揚による株高を目指すならば、構造改革、社会保障費改革を含めた制度改革並びに財政支出をすべきと考えます。 参議院選挙対策として、6月にも追加緩和が決定する可能性はありますが、追加金融緩和はインパクトに乏しいか、いずれマイナス面が強調されることで効果が持続できるのか疑問です。 現在の日銀は、イエレンFRB議長が利上げに向けて慎重かつ丁寧に市場と対話を重ねている姿とは対極的にあると思います。今後、日銀はどこに行ってしまうのか興味深くウォッチングし続けます。 ---- 執筆者名:すぱいく ブログ名:1億円を貯めてみよう!chapter2 ツイッター名:すぱいく(@Spike_komainu) 《NO》