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ピクスタ Research Memo(3):1,600万点超の素材を有する

2016/3/25 16:28 FISCO
*16:28JST ピクスタ Research Memo(3):1,600万点超の素材を有する ■ピクスタの特徴と強み (1) PIXTAの特徴と強み ピクスタ<3416>は、自社の強みとして、『圧倒的な国内素材数』、『安定的な収益モデル』、『蓄積されたデータ・ノウハウの活用』の3点を挙げている。 a)『圧倒的な国内素材数』 同社は1,600万点超(2016年2月時点)の素材を有しており、日本関連の素材が充実している。詳細は後述するが、海外の競合と比較して総点数では差があるが、日本関連素材という点では同社がリードしている模様だ。マーケットプレイスという事業モデルでは、量(素材点数)の多寡が利用価値の高低に直結するため、日本関連という限定された分野であっても、そこでトップの地位にあることは明確な強みと言える。 b)『安定的な収益モデル』 同社の購入者は、新規購入者の一定割合がリピート購入者へとなることが実績として表れている。すなわち、同社の事業モデルはリピート購入者が積み上がっていくことで安定的に収益が増加する積み上げ型収益モデルということだ。 この収益モデルがワークするためには、前述したように、素材点数が継続して増えることが必要になる。この点、同社はアマチュア・クリエイターを取りこんだマーケットプレイス型であることや、日本関連素材では業界トップの位置にあることが貢献して、素材点数が順調に増加しており、それがリピータを生み出すという好循環にある。 同社は料金体系として、単品販売と定額制販売を併用している。単品販売は文字どおり1点単位での販売で、サイズにより価格が変わる。定額制販売は30日もしくは1年単位で固定料金を支払うもので、ダウンロード数が多いユーザーは割安に素材を購入できる。現状、定額制販売の比率は10数%と推定されるが、同社では中期的には売上高の1/3、長期的には売上高の50%を定額制販売が占めるようになってくるとみている。弊社では、定額制は、その原価率から判断して利益率の点でも同社のメリットが大きいとみられ、利益率改善の点からも注目している。 c)『蓄積されたデータ・ノウハウの活用』 同社は素材の販売動向などを分析し、そこから得られた“売れる”素材作りのノウハウをクリエイターに提供している。さらには情報提供にとどまらず、撮影技術向上のためのワークショップや撮影会を全国で開催している。2015年の開催数は数十回に達したもようだ。こうした施策を通じて、デジタル素材数の増加と、質の向上、並びにクリエイターのPIXTAへのロイヤルティ向上を狙っている。これまでのところ、そうした狙いは着実なクリエイター数及び素材点数、購入者の増加として表れており、正の循環となっている。 (2)競合との比較 同社と似た事業を手掛ける企業はほかにもある。ストックフォトの販売という意味では、世界的には米国のGetty ImagesやShutterstockが大手に位置付けられるほか、国内企業としてはアマナ<2402>が存在している。ただし、Getty Imagesとアマナはプロによるストックフォト販売をメインとしているという点で、異なるというのが弊社の理解だ。ストックフォト(及びその他のデジタル素材)の販売において競合するケースは多々あるにせよ、それぞれの成長シナリオや事業戦略が共存していくことは十分可能だとみている。 下表に同社と類似企業の比較をまとめた。競合他社との比較からは、同社自身が掲げる3つの特長・強みとはまた別の同社の強みを見出すことができる。弊社が考える同社の強みは以下の2点だ。 a)アマチュア・クリエイターを活用したマーケットプレイス型事業モデル 弊社が考える同社の最大の特長かつ強みは、アマチュア・クリエイターを積極的に活用・受け入れている点だ。 アマチュアをクリエイターと位置付けたことで、同社は数多くのアマチュア写真家に対して、収益獲得の機会を与えた。この意義は非常に大きいと弊社では考えている。これまでは“カメラ”や“写真”は趣味・道楽であり、キャッシュアウトをもたらすものでしかなかった。それが同社の出現で180度変わったということだ。このことは、同社に素材点数の急拡大というメリットをもたらした。また、後述するように高品質と低価格の両立も可能となった。さらにまた、事業提携などを通じて広く制作関連産業を活性化させるインパクトが期待でき、それは同社が新しい事業モデルを生み出すことにつながる可能性を示唆していると言える。 もう1つ重要なことは“参入障壁”という視点だ。アマチュア受入れは、実は言うほど簡単ではない。写真の受入れに際して審査を行う必要があり、不特定多数のアマチュア・クリエイターの膨大な投稿を、正確性と効率性を両立させながら処理するのは、ノウハウと技術が必要だ。同社はそれを確立しており、新規参入業者がそのレベルに達するまでにはある程度の時間と投資を要するだろう。 参入障壁という点では「ネットワーク外部性」もまた、同社の強みということができよう。ネットワーク外部性とは、あるサービスの利用者が増加するほどそのサービスの利便性や効用が増加することをいう。ネットワーク外部性が存在する場合、新規加入者の便益は既存加入者数に依存するため、ある程度の加入者数が集まるまでは普及が遅々として進まないが、ある一定の水準を超えたところから急激に普及が進むという現象が見られる。ピクスタのサービスにもこのネットワーク外部性が存在しているといえる。クリエイターが増えて写真素材の数が増加すればするほど購入者が数多く集まってくる。そして購入者が多くなればそれがまたクリエイター数及び写真素材数の増加につながる、という正の循環が形成されており、日本関連素材の調達と販売において、他社を大きく上回っている状況だ。他社が類似サービスを始めた場合、一定レベルのクリエイター及び写真素材数を集めるまでには相当の時間を要することが想像され、それが参入障壁として働くと考えられる。 b)価格競争力とライトユーザー層の取り込み 各社の購入価格や購入プランを比較すると、同社のプラン・価格は全般的に安価に設定されている。特に、個人や一般企業などのいわゆるライトユーザーにとっては、最も利用しやすい料金プラン・価格設定となっている。プロフェッショナル・クリエイターのフォト素材はどうしても価格が高くなりがちであり、個人や中小企業の利用目的には“オーバースペック”であることも多いと考えられる。同社はこの領域のニーズをもっともよく取り込んでいるといえる。ここでもアマチュア・クリエイターの活用が奏功している。 安価で高品質のフォトストックが充実していれば、クリエイティブ業界(広告代理店、制作会社など)のヘビーユーザーをも引き付けることができるが、弊社が注目するのは、やはり、ライトユーザーの取り込みだ。市場として成長性が高いのは、ライトユーザーの方と考えるからだ。ライトユーザーの囲い込みは、競合他社と一線を画した同社特有の成長戦略や事業モデルへと発展するポテンシャルがあると弊社ではみている(その具体例は成長戦略の項で詳述)。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《HN》
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広告ビジュアル制作業界最大手。写真やCG、映像、イラストなどビジュアルを活用した広告をワンストップで提供。コンテンツ制作も展開。グループ内部リソースの有効活用などを推進し、3Q累計では営業赤字幅縮小。 記:2023/12/22
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デジタル素材マーケットプレイス「PIXTA」の運営を行う。素材点数は約9300万点。出張撮影プラットフォーム「fotowa」の運営等も。PIXTA事業では少量ダウンロードプランの利用ユーザーが増加。 記:2024/06/24