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オンコリスバイ Research Memo(1):新規がん治療薬などの開発を目的に2004年に設立されたバイオベンチャー

2016/3/24 16:00 FISCO
*16:00JST オンコリスバイ Research Memo(1):新規がん治療薬などの開発を目的に2004年に設立されたバイオベンチャー オンコリスバイオファーマ<4588>は、アデノウイルスの遺伝子改変技術を活用した新規がん治療薬や新規がん検査薬の開発を目的に2004年に設立されたバイオベンチャー。開発した医薬品候補のライセンスアウトと上市後のロイヤリティ収入で収益を獲得する医薬品事業と、CTC(血中循環がん細胞)検査薬の販売及び受託検査からなる検査事業を展開する。まだ、開発品の上市実績はなく、開発ステージの企業となる。 抗がん剤として開発を進めるテロメライシンは、国内での臨床研究により末期の食道がんを対象とした放射線療法との併用で、腫瘍の縮小効果が認められている。また、米国でも第1相臨床試験の結果、末期のメラノーマなど固形がんで腫瘍縮小効果が認められている。同社ではこれらの結果を受け、2016年に国内で食道がんの第1/2相臨床試験(単剤及び免疫チェックポイント阻害剤併用)を、豪州・ニュージーランドでメラノーマの第2相臨床試験(放射線併用及び免疫チェックポイント阻害剤併用)をそれぞれ2年程度かけて行う予定となっている。メラノーマに関しては2017年春頃に中間解析結果を発表する予定で、結果が良好であれば2017年中にもライセンスアウトできる可能性がある。特に、今後急成長が見込まれる免疫チェックポイント阻害剤との併用による治療効果が認められれば、売上ポテンシャルとして500億円規模になることが予想され、その動向が注目される。 一方、CTC検査薬であるテロメスキャンは、クラゲの蛍光発光機能を持つ遺伝子をテロメライシンに組み込んだもので、CTCに感染すると緑色に発光する作用を利用した検査薬となる。現在、CTC市場は米Veridex社(J&Jグループ)のCellSearchが業界標準となっているが、テロメスキャンは肺がんなど既存技術では検出が難しかったがん種での検出率も高く、また、生きたCTCを検出できるためがんの悪性度の検査もできるといった長所を持ち、将来的にはコンパニオン診断薬としての需要も期待できる。2015年に米Liquid Biotech USA, Inc.(以下、Liquid Biotech社)とライセンス契約を締結し、米国で510(k)※による承認申請に向けた開発をスタート、3年内に申請を目指していく考えだ。順調にいけば2020年には年間5〜10億円程度の売上げが見込まれ、同社の安定収益基盤となることが予想される。米国での事業化実現後、現在、研究目的としての利用が進んでいる日本のほか、欧州、アジアでの展開も進めていく予定だ。 ※510(k)...米国食品医薬品局(Food and Drug Administration; FDA)が別の合法的に市販されている先発機器との実質的同等性を判断し、新規又は変更医療機器の米国内販売を許可するプロセス。 2016年12月期の業績は売上高が前期比55.5%増の188百万円、営業損失が1,273百万円(前期は951百万円の損失)となる見通し。検査事業での売上増を見込む一方で、「テロメライシン」等の研究開発費増加により損失が拡大する見込みとなっている。株価は株式上場以降、低迷が続き、現在の時価総額で50億円弱の水準となっている。ただ、同水準は「テロメライシン」や「テロメスキャン」の成長ポテンシャルを織り込んでいない水準にあると弊社では見ており、今後の開発動向に注目している。 ■Check Point ・「Virology(ヴィロロジー/ウイルス学)に立脚した創薬」を事業コンセプトとする ・周囲のがん細胞まで破壊する治療効果の高いウイルス製剤 ・現預金が総資産の約90%を占めており、財務状況は安全 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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時価総額 11,399百万円
新規抗がん剤「テロメライシン」の開発を行う創薬バイオ企業。HIV治療薬やウイルス感染症治療薬、神経難病治療薬の開発等も。富士フイルム富山化学と販売提携契約締結。テロメライシンに経営リソースを集中。 記:2024/07/08