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アキュセラ Research Memo(5):エミクススタトの臨床試験が最終段階に、提携からの収益は減少

2015/12/25 18:08 FISCO
*18:08JST アキュセラ Research Memo(5):エミクススタトの臨床試験が最終段階に、提携からの収益は減少 ■業績動向と今後の戦略 (1) 2015年12月期第3四半期累計業績 11月12日付で発表されたアキュセラ・インク<4589>の2015年12月期第3四半期累計(2015年1月−9月期)の業績は、提携からの収益が前年同期比22.4%減の21,524千ドル(2,582百万円)となった。「エミクススタト」の臨床試験が最終段階に入っていることから、臨床試験にかかる費用の減少に伴い、大塚製薬から得られる収益が減少したのが要因だ。研究開発費は前年同期比11.1%減の17,764千ドル(2,131百万円)となった。「エミクススタト」の費用が減少した一方で、社内研究費が増加した。新規パイプラインの開発費増や、研究に従事する従業員の退職金及び残留手当などが増加した。 また、一般管理費は前年同期比199.4%増の21,772千ドル(2,612百万円)と大きく増加した。このうち11,500千ドル(1,370百万円)は臨時株主総会及び旧経営陣の変更に関連する一時的費用となっており、当期業績が悪化した主因となっている。同費用の内訳は、経営陣の変更に伴う退職関連コスト(退職金及び株式報酬費用)で7.7百万ドル(921百万円)、弁護士・コンサルティング費用で1.5百万ドル(179百万円)となっており、そのほかに既存従業員に対する残留手当及び新任役員採用費用などが加わっている。一般管理費についても、前年同期比41.3%増の10,272千ドル(1,242百万円)と増加している。これは、社内の経営管理システムの新規導入費用や短期契約社員の雇用に伴う費用増などが要因となっている。 この結果、営業損失は18,012千ドル(2,161百万円)(前年同期は505千ドル(60百万円)の利益)、四半期純損失は17,228千ドル(2,067百万円)(同1,411千ドル(169百万円)の損失)と前年同期から悪化した。 (2) 2015年12月期の業績見通し 2015年12月期の業績見通しは、提携からの収益が23,000~25,500千ドル(2,759~3,059百万円)、営業損失が21,952~24,377千ドル(2,633~2,924百万円)、税引前当期純損失が21,602~23,952千ドル(2,591~2,873百万円)、当期純損失が21,727~24,027千ドル(2,606~2,882百万円)となる見通し。提携からの収益は、「エミクススタト」の臨床試験が最終段階に入っているため、第4四半期に一段と減少する見込みとなっている。 また、2016年12月期の売上高としては、「エミクススタト」の現在、実施中の臨床第2b/3相試験が2016年3月で終わるため、次の臨床試験が開始されるまでは提携からの収益は見込めないことになる。ただ、マイルストーン収益やパートナー契約締結による契約一時金が入る可能性はある。一方、費用面では「エミクススタト」の開発費用が減少するほか、一時的な費用11,500千ドル(1,370百万円)がなくなる。一方で、社内研究やインライセンスなどの自社での研究開発費は増やしていく方向であり、年間では営業損失が続くものと予想される。 (3)財務状況 財務状況に関しては2014年2月の株式上場により調達した資金が潤沢にあり、当面の事業活動資金には十分な備蓄があると言える。2015年9月末の総資産は前期末比16,132千ドル減少の180,834千ドル(21,693百万円)となったが、主に期間損失の計上に伴う現金及び現金同等物の減少によるものとなっている。それでも現金及び現金同等物と短期及び長期投資を合わせると165,545千ドル、日本円で約200億円の事業資金を抱えていることになる。なお、投資有価証券は主に格付けがAAA格の社債や地方債などで運用している。 (4)今後の戦略 同社の今後の戦略としては、「エミクススタト」の加齢黄斑変性治療薬での上市はもちろんのこと、糖尿病性網膜症やスターガード病など他の疾患にも適応領域を拡大していくほか、新たなパイプラインの開発も進めていく方針だ。また、同社は将来的に眼科領域におけるグローバル・ソリューションカンパニーを目指しており、治療薬だけでなくメディカルデバイスなど様々な分野において、有望と思われる技術や新薬候補のインライセンス活動も進めていく予定にしている。インライセンスの候補としては2年程度でPOC※が取れるもので、費用としては1,000百万円程度の規模を想定している。 ※POC(Proof of concept):基礎研究の段階で疾患とその標的の関連性が明らかになっているものを生物学的POCといい、臨床試験で安全性・有効性が確認されているものを臨床的POCと呼ぶ。 2015年9月30日の為替レートを使用:1ドル=119.96円 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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時価総額 38,674百万円
眼科領域に特化したバイオベンチャー。加齢黄斑変性向けエミクススタト塩酸塩は糖尿病網膜症やスターガート病向けに開発。白内障向けや遺伝子療法オプトジェネティクスも研究継続。16年12月に三角合併で上場廃止。 記:2017/03/06