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ソフトバンテク Research Memo(8):IoT時代のセキュリティを担保するプラットフォームを展開

2015/12/17 16:14 FISCO
*16:14JST ソフトバンテク Research Memo(8):IoT時代のセキュリティを担保するプラットフォームを展開 ■2016年3月期の見通し ソフトバンク・テクノロジー<4726>が目指す“将来の姿”として、主力事業の要素技術をIoTに発展させていくことが挙げられる。IoTは、近い将来、あらゆる機械や電気製品がクラウドのネットワークでつながり、これらデバイスの使用データを蓄積・分析してフィードバックすることによって、生活の利便性が大きく高まることが期待されるビジネス領域である。ただ、現状は自動車や家電品などのデバイスの開発は進んでいる一方、実際にこれらをクラウド上で稼働させるためのセキュアなプラットフォームの構築が大きな課題となっている。同社には、OSに関してはミラクル・リナックス(株)、デバイスが通信を行う際のセキュリティに関してはサイバートラスト(株)という国内では唯一の技術を持つ子会社がある。クラウド環境におけるビッグデータの管理・解析技術はソフトバンク・テクノロジー本体が持つ。上述のようにこれらの技術をSBT Azure上で融合させ、同社にない技術に関しては他社と提携して、IoTプラットフォームの開発を行う方針である。 このビジネスが成功すれば、IoT関連の事業で絶対的な優位を確保できると期待される。IoT関連のアプリケーションは、そのプラットフォームに載せて稼働させることになるため、アプリケーション開発において優位になるうえ、他社のアプリケーションに関しても、業務提携による開発や販売といった形で自社のビジネス拡大につなげられる。そして、16年3月期第2四半期は、実現に向けての第一歩が踏み出された。 具体的な取組みとしては、サイバートラストなど企業4社がドローン(無人航空機)の安全な操作とデータ送信環境を構築することを目的とした「セキュアドローン協議会」を設立、北海道と沖縄で実証実験を進め、10月にはドローンとクラウドを使ったソーラーモジュールの検査サービスをスタートさせた。2016年4月からメガソーラーに関して定期診断を義務付ける方向で国が検討しているが、ドローンを飛ばして空中から検査し、データをクラウドで蓄積・分析するサービスによって、目視による場合に比べて検査コストと時間を大幅に圧縮できる。航空会社に空撮を依頼した場合に比べて検査コストが30~50%削減できるうえ、最大で2日かかる検査時間も20分程度にまで短縮できるという。 ロボット分野もその1つである。ソフトバンクロボティクスとアルデバラン社が開発した感情機能を搭載した人型のパーソナルロボット「Pepper」の企業活用に関するビジネスで、9月から子会社のM-SOLUTIONS(株)が、サイボウズ<4776>のプラットフォーム「kintone」と連携してPepperにセリフや、動作、胸の表示板の画像を簡単に入力できるクラウドサービス「Smart at robo」を発売した。 また、10月には、M-SOLUTIONSとミラクル・リナックスの両子会社が、Pepperの胸のディスプレイとデジタルサイネージを連携させる機能を開発、ディスプレイの表示を大画面のデジタルサイネージに写し、一度に複数の人々に伝えることができるようにした。 これらのサービスを通じて企業でのロボット活用の浸透を後押しすれば、ロボットアプリ事業の拡大も見込まれる。さらに将来的には、Pepperも自動車やドローン同様にIoTのデバイスの1つとして活用される環境を作り上げる戦略を進める。 自動車分野では、自動運転の実用化に対応するため、ドライバーの認証や、走行中の様々な情報をクラウド上に収集する実証実験などを進めている。 【参考情報】 事業別の業績及びトピックスで紹介した同社サービスの内容は、以下のとおりである。 ・Adobe Experience Manager on Azure ミラクル・リナックスのLinux OS「Asianux Server(MIRACLE LINUX)」にアドビシステムズが提供するWebコンテンツ管理ソリューションAdobe Experience Managerを構築できる、独自開発サービス。Microsoft Azure、Azure上のLinux OS、CMSまで、国内では唯一、トータルサポートが可能となった。 ・Adobe Experience Manager on AzureとAdobe Experience Managerをサイネージ連携できる新サービス ミラクル・リナックスのデジタルサイネージ「MIRACLE VISUAL STATION」と、Adobe Experience Managerを連携させて、Webサイトとデジタルサイネージのコンテンツ管理を統合したサービス。これにより、設置エリアや天気などの環境条件にマッチした情報や、Webアクセス解析結果をもとにしたコンテンツ配信が可能になる。 ・「Emotion i」 同社とEmotion Intelligenceが共同開発したデジタルマーケティングの新サービス。Webサイトの来訪者の行動を0.03秒ごとに蓄積し、来訪者の感情データとして抽出、行動データとリアルタイムに連携させる。同じ来訪者でもその都度、目的が違うケースが良くあるが、このサービスを導入すると、来訪者が今回は何の目的でWebを見ているかがリアルタイムで把握でき、それに対応した情報提示が自動で行われる。 ・「サイバートラスト WAF Plus」 サイバートラストが開発したWebサイトの様々な課題を一挙に解決するサービス。Webサイトセキュリティ、DDoS攻撃対策、コンテンツの読み込み時間の短縮、冗長構成のWebサイトサポートなどをクラウド上で一括提供する。 ・「クラウドアクセス制御OSGにデバイスIDを標準連携させるサービス」 同社が提供している独自開発のアクセス制御サービスOSGにサイバートラストのサイバートラスト デバイスIDとの標準連携機能を付加したサービス。従来のID╱パスワードによって行っていた認証にデバイスIDが加わることによって、2重の認証となり、セキュリティ強度が向上する。 ・「OnePortal」 同社が独自開発した企業のポータルサイトの立ち上げを簡単に行えるサービス。日本マイクロソフトが提供している「SharePoint Online」を簡単な操作により短時間で導入できる。その結果、テンプレートによるポータルサイトの立ち上げまで数日必要だったところを最短で20分程度に短縮できる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光) 《HN》
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