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品川リフラ Research Memo(7):高付加価値の戦略5品種増産のために積極投資

2015/12/7 16:15 FISCO
*16:15JST 品川リフラ Research Memo(7):高付加価値の戦略5品種増産のために積極投資 ■事業戦略 中期経営計画 品川リフラクトリーズ<5351>の中期経営計画は、統合以降の2009~2011年度を第1次とし、2012~2014年度を第2次期間とした。第2次中期経営計画の重点課題は、1)最適生産体制の早期立ち上げ、2)技術力の強化、3)国内外の販売力の強化であった。最適生産体制の確立に4年半をかけ、ステップ1として不定形耐火物を、ステップ2で定形耐火物等、ステップ3で機能性定形耐火物と順次行い、2014年3月期までに完了した。2015年3月期には、生産集約等によるコスト削減という成果を得た。 2015~2017年度をカバーする第3次中期経営計画では、「世界トップクラスの総合耐火物メーカーとしての地位の維持・向上に向けて、確実な収益確保と更なる成長を目指す」ことを中長期ビジョンとしている。将来にわたる持続的成長に向けて、中長期的な視点から競争力の確保を図る。最重点課題を設備・人材面における基盤整備とし、3ヶ年の設備投資額を約8,000百万円と前中期経営計画の5,600百万円から大幅に増額した。単体の3年間の設備投資を5,000百万円としているが、2015年度に2,350百万円を投じる。投資を初年度に集中することで、投資効果の早期化と最大化を見込んでいる。3,000トン級の大型高圧プレス機など最新鋭機を導入することで、スライドプレートなど戦略品種の増産を図る。このような製造設備を持たない2番手グループ企業との差を、さらに拡大する。 a)戦略5品種 塩基性れんが、マグネシアカーボンれんが、スライドプレート、浸漬ノズル、モールドパウダーを戦略5品種としている。これらの製品は、高機能・高付加価値製品であり、単体の耐火物及び関連製品売上高の4割を占める中核品種である。2017年度までの3ヶ年で、これらの品種の売上高を27%増やす計画でいる。 マグネシアカーボンれんがは、耐熱衝撃抵抗性や耐食性に優れる。耐火物は、生産単位当たりの使用量でコストを計算される。れんがを長寿命化すると、鉄1トン当たりの生産に投入する量が減少することになる。多くのユーザーは生産単位当たりの使用量でコストを算出するが、いまだ1個当たりの金額の多寡を気にする顧客も多く、PR活動に力を入れる。熱に強く割れにくい製品を作るには、材質はもとより製造設備にも依存する。同社は最大能力5,000トンのプレス機で成形する。中小メーカーにとっては、投資が困難な高額設備であるため、競合先が限定される。転炉の内張り用耐火物は使用量が多いため、受注の有無が業績に影響する。 連続鋳造用機能材であるスライドプレートや浸漬ノズルは、最終工程で使用されるため、鉄鋼会社はこの段階でのロスを抑制したい。製品の溶損を少なくし、長寿命化すると連鋳機の稼働時間を延ばし、鉄鋼生産を安定化するとともに、コストを抑え、品質を向上させる。同社は、2015年度に新設備を導入して特にスライドプレートの拡販を図る。 モールドパウダーは、中国の子会社2社と米国の子会社でも現地生産している。鉄鋼の連続鋳造工程では、モールド(鋳型)内で、溶鋼を連続的に冷却・凝固させる。モールドパウダーは、鋳型内に添加される粉末状潤滑材で、溶鋼表面の保温と酸化防止、鋳型と鋼塊間の潤滑など重要な機能を持ち、高品質な鋼材を生産するためには不可欠な材料になる。日本のメーカーは、粗鋼生産量などの量的追求よりも、品種高級化によるプロダクトミックス向上による収益率改善を目指している。自動車向けでは、ハイテン鋼のグローバル供給力を高める。JFEスチールは、現中期経営計画の売上高経常利益率(ROS)の2017年の目標値を10%(2014年度6.0%)としている。 b)拡販力の向上策 戦略5品種の拡販力向上のため、2014年1月に品種別戦略委員会を設置した。品種ごとに生産・販売・技術が一体化して、顧客にベストソリューションを提案する。 2015年4月より、海外事業の展開でも地域別・顧客別ニーズに迅速に対応する体制を整えた。以前は、海外営業部が輸出販売を、海外事業部が子会社管理・支援を担当していた。これらの機能を、地域ごとに組み直し、中国・アジア事業部が輸出販売機能と中国子会社3社の管理・支援機能を一体として担当する。同様に、欧米・豪州事業部が輸出販売機能と米国、オセアニア、インドネシアの子会社の管理・支援を併せて行う。 2015年3月期は、北米市場の回復もあり、海外売上高は15,978百万円と前期比17.1%増加し、海外売上高比率は同1.8ポイント増の15.9%に上昇した。 同社は、現中期経営計画の最終年度となる2018年3月期に、売上高と経常利益が2012年3月期に記録した過去最高水準(103,000百万円、5,864百万円)を達成することを目標値として掲げている。 ○経営指標 目標とする経営指標として、売上高経常利益率(ROS)と自己資本利益率(ROE)を使用している。2015年3月期のROSは5.2%(前期4.3%)、ROEは7.3%(同5.7%)であった。ROSは、過去5期間に5%前後で推移した。ROEは、有利子負債の減少で財務レバレッジが低下したものの、収益性を高めたたことで上昇した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健) 《HN》
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大手耐火物メーカー。1875年創業。鉄鋼業界向けに強み。JFEスチールの持分法適用会社。東京駅外壁の赤レンガなどで納入実績。セラミックス事業等も。海外事業の拡大等に注力。27.3期売上1800億円目指す。 記:2024/06/15