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メディシノバ Research Memo(4):タイペルカストは2つの適応領域において開発を進める

2015/10/22 17:06 FISCO
*17:06JST メディシノバ Research Memo(4):タイペルカストは2つの適応領域において開発を進める ■メディシノバ<4875>の開発パイプラインの動向 (2) MN-001(タイペルカスト) MN-001は杏林製薬が経口タイプの喘息薬として開発したもので、抗線維化作用・抗炎症効果も持つ。2002年に独占的・全世界(日本、中国、韓国、台湾を除く)での再許諾可能な開発販売のライセンスを取得した(点眼薬を除く)。現在、2つの適応領域において開発を進めており、その動向は以下のとおりである。 ○非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)治療薬 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は近年、メタボリックシンドローム、肥満、糖尿病などの合併疾患として認識されるようになった肝臓疾患で、過度のアルコール摂取がないにもかかわらず、アルコール性肝障害と類似した病気の進行をたどり、肝硬変や肝細胞がんに至る病気である。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者数は米国で約3,000万人、このうち肝細胞にダメージ(炎症、線維化、結節など)がある脂肪肝をNASHと呼び、850万人以上の患者がいる(成人有病率12%)。NASH患者に肝臓の線維化が進むと通常は元に戻らず、肝硬変に進行することになる。NASH発症の機序はまだ解明されていないほか、FDAに認可されている治療薬もない。 MN-001には抗線維化作用があることが分かっており、NASHから肝硬変に進行するのを抑制する効果があるほか、動物実験では線維化を改善する効果を示したデータも報告されている。 現在の開発状況としては、2015年1月にFDAより臨床試験実施申請の承認を取得し、治験の準備を進めている段階にある。2015年4月にはFDAより、肝線維化を認めるNASH治療適応に対するファストトラックに指定されており、治験準備段階においても各種助言を迅速・頻繁に受けられることとなっている。また、2015年7月には高中性脂肪血症を伴うNASH患者を対象としたフェーズ2治験(20名予定)プロトコルの承認も取得し、現在治験開始に向けて準備を進めている段階にあり、同プロトコルの治験が最初に開始される見込みとなっている。治験期間としてはスクリーニング期間(最長4ヶ月間)と治療期間(12週間)を合わせて約7ヶ月間程度となっている。 NASHに関しては、患者数も今後世界的に拡大していくことが予想されており、ピーク時のNASH治療薬の市場規模を2025年までに350〜400億ドルと試算する調査機関もあるなど、医薬品業界の中では最も注目されている大型治療薬の1つとなっている。このため開発競争も激しく、2014年には米国のベンチャーであるインターセプト・ファーマシューティカルズがフェーズ2を早期に終了し、良好な結果を得たと発表している。MN-001に関しては動物実験において良好なデータ結果を得ており、今後の治験進捗動向が注目される。 ○特発性肺線維症(IPF)治療薬 特発性肺線維症(IPF)とは、様々な原因により肺(肺胞・間質)が炎症を起こし、線維化することで肺が硬化・縮小してしまい、肺機能の働きが著しく低下する病気のことで、症状としては息切れや乾いた咳が出始め、症状が進行すると呼吸困難となり、酸素吸入が必要となる。現在のところ根治療法がなく、症状を軽減する薬が複数ある程度。患者の3分の2は、診断からの生存期間が5年以内となっている。米国での患者数は約13万人で、希少疾患である。 MN-001は抗線維化作用があることからIPFに対する治療効果が期待されており、FDAが2014年10月にオーファンドラッグに指定したのに続いて、2015年9月にはファストトラックに指定されている。2015年2月にフェーズ2治験(15名予定)のプロトコル承認取得を得て2015年10月にペンシルベニア州立大学にて治験を開始した。同治験では中等度から重度のIPF患者を対象としており、2015年秋から患者登録が始まる見込み。スクリーニング期間として最長3ヶ月間、治療期間として12ヶ月間を予定している。 IPF治療薬を開発し、欧州と日本で承認を取得した米創薬ベンチャーのインターミューンが、2014年8月に83億ドル(約8,600億円)でスイスの製薬大手ロシュに買収されたが、オーファンドラッグを開発する企業も、その開発状況によって企業価値が大きく上昇する可能性があることの好例と言える。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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時価総額 7,592百万円
米国拠点のバイオベンチャー。日本の製薬会社から導入した新薬候補を臨床開発し、欧米で上市を推進。1件の臨床開発マイルストーンを達成。研究開発及びパテント費の減少等により、23.12期通期は損益改善。 記:2024/04/15