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日本調剤 Research Memo(3):院外薬局で調剤を受ける割合が上昇し完全分業に近づきつつある

2015/10/15 16:05 FISCO
*16:05JST 日本調剤 Research Memo(3):院外薬局で調剤を受ける割合が上昇し完全分業に近づきつつある ■会社概要 (3)調剤薬局市場の事業環境 日本調剤<3341>の主たる事業領域は調剤薬局事業だ。調剤薬局事業が存立する基盤は「医薬分業」にある。これは薬の処方と調剤を分離し、それぞれを医師と薬剤師が分担して行うことを指す。日本の医薬分業は明治時代(1889年)に「薬律」が制定されたことに始まり、これが現在の薬機法へとつながっている。外来で処方箋を受け取った患者が院外の薬局で調剤を受けた割合を医薬分業率と(処方箋受取率とも)いうが、厚生労働省は1997年にこの比率を70%以上にして完全分業を達成することを全国37のモデル国立病院に指示した。これをきっかけに医薬分業がさらに進み、2012年度には医薬分業率が66.1%に達し、完全分業に近づきつつあるのが現在の状況だ。 日本において「薬局」を名乗れるのは、原則として「薬機法」に基づいて開設許可を受けた施設のみとなっている。そこには薬剤師が常駐して、調剤室において医師の処方箋に基づいた医薬品を調剤することができる。薬剤師や調剤室といった要件を欠いた施設は店舗名で「薬局」を名乗ることはできず、一般に「ドラッグストア」などと称されている(「○○ドラッグ」や「○○薬品」など)。ドラッグストアであっても、常駐の薬剤師や調剤室などの基準を満たせば薬局開設許可を得て、「薬局」と称することができる。「調剤薬局」という呼称には、薬局が単なる医薬品販売店舗でなく、調剤という医療サービスを提供する場所であることを明確にする意味合いがある。 調剤薬局業界は、調剤という医療サービスに軸足を置いて業容を拡大させてきた企業と、ドラッグストアという一般小売業から調剤分野に進出してきた企業とが上位でしのぎを削り、そこに個人経営の調剤薬局が加わって、全国に約57,000店の店舗があるという状況だ。同社は前述のように、調剤薬局としてスタートし、業容を拡大させてきたが、現在のところは、調剤薬局事業の売上高ではアインファーマシーズ<9627>とトップを競い、店舗数でも2位グループの一角を占めるという位置にある。 同社と競合他社の事業規模や事業領域を比較してみると、同社やアインファーマシーズ、クオール<3034>など調剤専門薬局からスタートした企業は、全社に占める調剤薬局事業の構成比が90%前後と高くなっている。一方、ドラッグストアなど一般小売業で店舗網を拡大し、それらの店舗に調剤を併設する形で調剤事業を拡大させてきた企業も徐々に存在感が増してきている。調剤薬局1店舗当たりの売上高を比較すると、日本調剤の場合は309百万円とずば抜けて高く、他の調剤大手も200百万円前後となっている。一方、ウエルシアホールディングス<3141>は71百万円にとどまっている。これは、調剤が主であるか従であるかという違いに根差すものであり、ある意味では当然とも言える。 調剤専門薬局側も、調剤以外の事業分野に進出して事業基盤の強化に努めている。同社の場合は、医薬品製造販売事業と医療従事者派遣・紹介事業への進出がそれに当たる。また同業他社の中には、ドラッグストア事業や医療機関サポート・コンサルティング事業、介護事業などに進出する例が見られる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《HN》
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