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MDV Research Memo(5):環境の変化と同社への影響
2015/10/7 16:49
FISCO
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*16:49JST MDV Research Memo(5):環境の変化と同社への影響 ■中期展望 今や医療データの利活用は国の方針となっており、メディカル・データ・ビジョン<
3902
>の事業方針と同じ方向に転じてきた。事業環境は好転している。同社は、事業環境の認識として、2016年1月から手続きが義務付けられる「マイナンバー制度」、2015年6月に閣議決定された「日本再興戦略 改訂2015」と「経済財政改革の方針」、「臨床機能報告制度の開始」を取り上げ、医療関連の市場環境の変化と同社への影響を分析している。 ○マイナンバーと医療分野の新番号制度 政府は、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会の実現する社会基盤を構築するためにマイナンバー制度を導入する。2015年10月から、国民一人ひとりにマイナンバー(12ケタの個人番号)が通知され、2016年1月より社会保障、税、災害対策の行政手続きにマイナンバーが必要となる。社会保障では、年金の資格取得や確認、給付、雇用保険の資格取得や確認、給付、ハローワークの事務、医療保険の給付の請求、社会福祉の給付、生活保護などを含む。個人番号カードは、2017年7月以降に健康保険証の機能を持たせる。 政府は、マイナンバー制度とは別に、医療等分野に限定された新しい番号制度を2018年度から段階的に導入し、2020年までに本格運用することを決めた。医療番号制はマイナンバー制とシステム連動する形となる。医療分野における番号制度の導入により、医療機関や健康保険組合がカルテや診療報酬明細(レセプト)情報が共有することができる。医師や薬剤師、介護従事者が患者の医療情報をシェアすることが可能になり、総合的な医療計画が立てやすくなる。二重投薬や無駄な検査を減らすことで、医療費の削減にもなる。 医療番号とカルテをひも付けるにはカルテの電子化が必要となる。政府は、地域医療における中核的役割を担う400床以上の一般病院における電子カルテの普及率を2011年度の57%から2020年度までに90%へ引き上げることを目標としている。電子カルテ導入支援の予算措置を検討する。同社は、「エースビジョン」と製薬向けサービスの受注増加を期待している。 ○日本再興戦略改訂2015 2015年6月に閣議決定された「日本再興戦略改訂版2015」は、医療・介護・ヘルスケア産業の活性化・生産性の向上の手段として、次世代ヘルスケア産業の創出支援、医療の国際展開、医療等分野における番号制度の導入、地域医療情報連携ネットワーク/電子カルテの普及促進、医療分野政策のへのデータ活用の一層の促進を挙げた。同社は、ヘルスケア市場の活性化と医療データの利活用が促進されると見て、「エースビジョン」と製薬会社向けサービス受注の増加を期待するとともに、新規事業の可能性を探る。 ○経済財政改革の方針 「経済財政改革の方針」(2015年6月閣議決定)では、医療等分野でのデータのデジタル化・標準化の推進や地域医療情報連携等の推進に取り組むとともに、医療介護の質の向上、研究開発促進、医療介護費用の適正化などの医療介護政策へのデータの一層の活用や民間ヘルスケアビジネス等による医療等分野のデータ利活用の環境整備を進めるなど、医療等分野のICT化を強力に推進することをうたっている。また、後発医薬品(ジェネリック医薬品)にかかる数量シェアの目標値については、2017年半ばに70%以上とするとともに、2018 年度から2020 年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上とした。従来厚生労働省が掲げていた目標は、ジェネリック医薬品のシェアを2013年9月の46.9%(新指標)から2018年3月までに60%に引き上げることだった。 新たな方針は、医療データの利活用促進や病院経営見直しの必要性などの環境変化をもたらすであろう。同社への影響としては、「EVE」と「Medical Code」の受注増、製薬会社向けサービス受注増、「エースビジョン」の受注増を期待している。 ○病床機能報告制度の開始 2014年6月の医療法改正により、医療機関が、その有する病床において担っている医療機能の現状と今後の方向を選択し、病棟単位で、都道府県に報告する制度が設けられた。病床の機能は、「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4つに分けられる。医療機関が提出する現状と今後の方向性に関する報告を基に、都道府県は4機能の将来の必要量を含む「地域医療ビジョン」を策定する。ビジョン実現のため、医療機関と「協議の場」を設けるが、協議に従わない場合は罰則を科すことができる。都道府県は、病床機能分化を加速するための権限が増すことになる。特に人口減少が危惧される地方では、地域医療の機能のボリュームを変化する実態に合わせて調整する必要がある。自院の位置付けを変えた場合、どのような変化が経営に及ぶかシミュレーションする経営支援システムのニーズが高まろう。同社は、「EVE」や「Medical Code」の受注増加と「エースビジョン」の受注増加を見込む。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健) 《HN》
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3902 東証プライム
メディカル・データ・ビジョン
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時価総額 18,253百万円
医療情報統合システムの製作・販売、医療データの分析・調査・コンサル等を行う。病院経営改善アプリケーション「MDV Act」などを手掛ける。SBIHDが筆頭株主。クラウド型健診システムの拡販を図る。 記:2024/08/29
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