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極洋<1301>---グローバル戦略とシナジー戦略をさらに進化させる

2015/7/27 13:47 FISCO
*13:47JST 極洋<1301>---グローバル戦略とシナジー戦略をさらに進化させる ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』7月6日放送において、極洋<1301>を取り上げている。主な内容は以下の通り。 ■会社概要 1937年に設立された。その後、1971年に社名を極洋に変更し、事業内容を水産食品の買い付け、製造、販売事業へ拡大していった。1996年には水産物の買い付けを目的に、米国に拠点を設立しその後、中国、タイ、オランダ、オーストリアにも拠点を設立し、海外展開を活発化している。 ■主力事業 ●水産商事 水産商事部門では、各種の水産物の買い付け、販売、加工などを行っている。仕入れ先は国内外の漁業会社や商社など。販売先は商社、食品加工会社、問屋など幅広い。また海外で仕入れた商品を海外へ転売する3 国間取引も行っている。売上高や利益は、魚価、需要動向に大きく影響される。そのため、需要動向を見極めたうえでの適切な仕入れ、及び在庫管理が利益に対しては重要なファクターとなる。 ●冷凍食品 冷凍食品部門では、主に水産系の食材を、生食用、加熱用、衣付食材用に冷凍加工して販売する。上記の水産商事と同様のルートで販売されると同時に、エンドユーザー(消費者) に近いルートでも流れる。この分野での同社の特色は、生食用冷凍食品で高いシェアを持っており、特に回転寿司チェーン向けに強いということになろう。また、以前は一般家庭用の販売は行っていなかったが、2014 年1 月から自社ブランド「シーマルシェ」で量販店向けに冷凍食品の出荷を開始、家庭用冷凍食品市場に参入した。 ●常温食品 常温食品部門では、量販店やコンビニ向けの缶詰を中心として、その他健康食品や珍味類を扱っている。主原料は近海物の魚が多いが、魚価が上がった場合の価格転嫁はすぐには難しいことから利益率が変動することが多々ある部門である。 ●物流サービス 物流サービス部門では、東京、大阪、福岡の3拠点で冷蔵倉庫事業を行ってきたが、2014年8月には京浜地区に城南島事業所を開設済みで、今後の拡大が期待できる。 ●鰹・鮪 鰹・鮪部門では、主に中西部太平洋及び東沖海域における良質のカツオ、マグロの漁獲から、買い付け、加工、販売まで一貫した事業を展開している。最新の設備を備えた海外まき網船5隻がカツオを漁獲する一方で、世界各地からの買い付けも行っている。 これらのカツオやマグロを国内外の関連会社や協力工場で加工し、顧客である外食産業や量販店に販売している。養殖鮪ブランドの「本鮪の極」は定着しつつある。またマグロの安定的な商材確保を図るべく、2007年にキョクヨーマリンファームを、2010年にはキョクヨーマリン愛媛をそれぞれ設立して、本鮪の養殖事業を展開しており、これまでの冷凍品に加え、より安定した高品質な生鮮品の供給が可能となった。 ■競合相手、特色 ●水産商事 主に商社事業であるため、この分野での競合は多い。同業の水産会社であるマルハニチロ<1333>、日本水産<1332>、総合商社(丸紅<8002>、三菱商事<8058>等)の水産部門、水産物専門商社などと競合する。さらに海外における買い付けなどでは、外国の商社やバイヤーと競合になる場合も多い。激しい競争の中で、重要なことは、サプライヤーといかに信頼関係を築くかだが、その点については戦前から水産業を営んできた同社に強みがある。取引先との信頼関係や水産物に対する豊富な知識が同社の強み。 ●冷凍食品 水産商事部門での競合企業に加え、冷凍食品メーカーとも競合する。ただし、同社の特色でもあり強みでもあるのは、既述のように「生食用冷凍食品」、特に回転寿司向けでは高シェアを誇っていることにある。この分野での競合は主にベニレイやニチレイフレッシュなどがある。 その一方で同社は、今までは一般家庭用の冷凍食品は扱っていなかった。言い換えれば同社が弱かった分野である。しかし14 年にスタートした自社ブランド「シーマルシェ」を看板に家庭用冷凍食品市場に参入した。水産のプロの目で選んだ魚を、手軽に、おいしく食べられる家庭用の冷凍食品という点に強みがある。競争の激しい分野ではあるが、既に「シーマルシェ」ブランド商品は家庭用冷凍食品17 品を含み、累計57 品目となっており、ある程度のシェア獲得は十分可能であり、今後の動向に注目しておきたい。 ○常温食品 主力製品が缶詰や珍味、健康食品であることから競合会社は無数にある。いかに消費者に受け入れられる商品を開発できるかが今後の成長を左右する。近年では大手コンビニチェーン向けにプライベートブランド商品が伸びており、順調に販路を拡大しているようだ。 ○物流サービス この分野も競争は激しいが、どれだけの庫腹規模を持っているかが鍵となる。その点で同社は、東京、大阪、福岡という大都市圏(消費地) に冷蔵倉庫を有し、主要顧客にとっては利便性が高い。さらに2014年8月には城南島事業所が開設され、売上増に寄与し始めている。このように大都市圏に冷蔵倉庫を所有している点も同社の強みと言えるだろう。 ○鰹・鮪 この分野も大手水産会社、総合商社から中小漁業者まで競合企業は無数にあるが、特にマグロにおいて競合するのが三菱商事系の東洋冷蔵。どれだけ質の良い商材を安定的に供給できるかがこの部門の鍵となる。 ■16年3月期の業績見通し 16年3月期の通期予想については、売上高は前期比4.9%増の2290.00億円、営業利益は同46.3%増の36.00億円、経常利益は同66.0%増の35.00億円、最終利益は代行返上による特別利益がなくなることから、同9.6%減の22.00億円を見込んでいる。なお、期中の12月に塩釜新工場の竣工を予定しており、早期の本格稼働を目指す。 ■中期経営計画の内容 2018年度3月期を最終年度とした中期経営計画『バリューアップ・キョクヨー2018』において、グローバル戦略とシナジー戦略をさらに進化させるほか差別化戦略も進める。数値目標は、売上高260,000 百万円、営業利益5,000 百万円、ROE10%超としている 。 ■足元の株価動向 目先上値が重くなっているが、5月安値273円レベルが当面の下値メドとなろう。信用取組は買い残が増加していることから需給面はやや悪化傾向にある。しばらくはもみあいとなりそうだが需給解消となれば再び上を意識した展開となろう。 ラジオNIKKEI マーケットプレス 『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送 《TM》
関連銘柄 5件
1301 東証プライム
3,925
11/28 15:30
+35(0.9%)
時価総額 47,406百万円
水産物中心の総合食品会社。1937年設立。生食商材や鰹鮪商材、業務用冷凍食品等も扱う。寿司種で国内トップクラスの販売実績。食品事業では自社工場製品の販売に注力。中計では27.3期営業利益135億円目標。 記:2024/06/13
1332 東証プライム
938.5
11/28 15:30
+28.6(3.14%)
時価総額 293,216百万円
1911年創業の大手水産会社。水産事業、冷凍食品に強みを持つ食品事業が主力。特定保健用食品等の開発・提供、冷蔵倉庫事業、配送事業等も。コンビニ向けおにぎり・サラダは販売順調。養殖事業の安定・拡大図る。 記:2024/06/13
1333 東証プライム
3,035
11/28 15:30
+48.5(1.62%)
時価総額 153,507百万円
水産国内最大手。2007年にマルハ、ニチロが経営統合。水産物の輸出入・販売・養殖のほか、冷凍食品等の加工食品事業、食材流通事業等も。紀文食品と資本業務提携。中計では28.3期営業利益310億円以上目標。 記:2024/06/13
8002 東証プライム
2,276
11/28 15:30
+4.5(0.2%)
時価総額 3,815,439百万円
大手総合商社。芙蓉グループ。生活産業、食料・アグリ、素材産業、エナジー・インフラソリューション、社会産業・金融分野などで事業展開。みずほリースと資本業務提携。総還元性向は30%~35%程度が目安。 記:2024/08/30
8058 東証プライム
2,548
11/28 15:30
+19(0.75%)
時価総額 10,648,138百万円
大手総合商社。原料炭や銅、液化天然ガスなど資源分野で世界有数の優良権益を有す。非資源分野は食品卸売に強み。自動車・モビリティ、複合都市開発等も。総還元性向40%程度目処。LNG事業の拡張などを図る。 記:2024/07/07