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アーキテクツS Research Memo(3):家づくりの流れを変えたASJアカデミー(1)

2015/7/24 16:54 FISCO
*16:54JST アーキテクツS Research Memo(3):家づくりの流れを変えたASJアカデミー(1) ■会社概要 (2)事業内容 アーキテクツ・スタジオ・ジャパン<6085>が参照するアンケート調査の結果では、『現在検討している』から『今後ぜひ検討したい』までを含めると建築家との家づくりを希望する人が75%を占める。個々人の思考や嗜好に合う、多種多様な住まいに対するニーズは高まっており、単に住宅を取得するのではなく、共感と感動を建築家との家づくりに求める人が増えている。 従来のやり方では、施主は建築家に現地調査、法規制の確認、ヒアリングをしてもらう前に、建設費の約1割に相当する金額の設計契約を締結する必要があった。一旦、プロジェクトが動き出すと、仮に建築家が提示するプランが気に入らなくても、後戻りできないなどのリスクがある。建築家が高額物件を選好するため、ボリュームゾーンの価格帯を希望する施主にとっては高根の花であった。また、建築家と建設会社との間のコミュニケーションが不十分で、建設会社との工事費に関する合意点が見出せないコストクラッシュという問題が発生する。アベノミクス導入以降の建材費の高騰により、このリスクは高まっている。 同社は、これらの問題を解決するために、従来のフローとは異なるASJアカデミーの独自方式のプラットホームを構築した。ASJアカデミーの方式では、ASJアカデミー会員となった施主と登録建築家及び加盟建設会社が、最初から三位一体となって家づくりを進める。 アカデミー会員には、全国各地で開催される「建築家展」などのイベントに参加した人が入会することが多い。イベント会場には建築家が8~10人ほど待機しており、直接話ができ、建築家によるグループ向けのプレゼンテーションも受講できる。ASJアカデミー会員の年会費はない。ASJアカデミー会員のメリットは、プランニングコースの利用、情報誌の受取り、各種セミナー・見学会への参加、会員専用サイトの利用、土地探しへのサービス、専門誌の貸出、スタジオ施設の利用などがある。 イベントを開催する加盟建設会社は、会員(施主)、建築家と自社の社員が打合せをするスタジオを開設している。プランニングコースでは、イベントで知った建築家はもとより、日本全国の登録建築家から希望条件に合う建築家の紹介を受け、通常、1名を指名する。会員と指名された建築家、登録建設会社は、仕様の仮決めやコストの確認をする。建築家は、現地調査、法規制の確認、ヒアリングを終えた後、プレゼンテーションをする。仮に、建築家のプランが意に沿わない場合は、期間や回数の制限なしで、建築家を替え、何度でも繰り返すことができる。プランが気に入って設計契約に進んだ段階で、初めて設計料が発生する。 ○ASJアカデミー会員 — 5年間で2.7倍に増加 ASJアカデミー会員は、2015年3月期に6,301人の新規入会者を獲得し、期末累計で30,046人と3万人を超えた。累計人数は、5年間で2.7倍となった。 ○すべての関係者にWin-Win-Winの関係を成立 ASJアカデミーのプラットホームに関わるすべての関係者にメリットがなければ、事業は長続きしない。同社の仕組みは、会員、登録建築家、加盟建設会社の間にWin-Win-Winの関係を成立させる。ASJアカデミー会員は、気に入ったプランに出会えるまで、時間や費用を気にせず家づくりに励めるため、建築家への敷居が下がった。 建築家にとっては、イベントなど発表の場が与えられ、自分のデザイン・コンセプトに賛同する見込み客との出会いが増える。同社のホームページでは、登録建築家の受賞や雑誌への掲載、テレビ番組などの紹介をしている。また、従来、建築家の活動範囲がアトリエ周辺に限定されがちだったが、全国に広がる可能性を得た。現場が遠隔地であっても、移動交通費はスタジオが負担する。 地方の建設会社は、施工能力が高いものの、営業力が不足し差別化要因に欠けるといった弱点がある。加盟建設会社は、担当する地域であれば、地元はもとより、全国の登録建築家との家づくりに関わることができる。建築家が、「最強の営業員」の役割を担ってくれる。ASJアカデミー上で進められた案件は、施主がプランを受け入れ、建築が決まれば入札なしに受注できる。プランニングコースの打合せでは、最初から参加しているため、施主、建築家との意思疎通が出来上がる。加えて、同社が開発した先進的な積算システムが利用できる。2015年度からは本部の特定部材の集中購買を開始するため、仕入れコストの削減、コスト競争力の向上が見込める。 ○売上高構成比 — スタジオロイヤリティが5割強 2015年3月期の売上高は、1,451百万円であった。売上高は、4つの項目により構成される。すなわち、スタジオロイヤリティが52.6%、マーケティングが29.6%、建築家フィーが9.1%、その他が8.7%であった。 最大項目のスタジオロイヤリティ売上高は、スタジオ(加盟建設会社)の新規加盟契約に掛かるスタジオ加盟金及び既存スタジオに掛かる月額ロイヤリティ、請負契約ロイヤリティなどである。マーケティング売上高は、スタジオ単位で開催されるイベントに掛かる企画費及び販促物などのイベント関連売上高を内容とする。建築家フィー売上高は、登録建築家の建築設計・監理業務委託契約に基づく設計料などに掛かるプロモーションフィーになる。その他売上高は、スタジオに対する各種書籍・情報誌及び建設資材・住宅設備などの販売になる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健) 《HN》
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時価総額 1,515百万円
建築家ネットワークビジネスを手掛ける住まい関連事業が主力。登録建築家は2900名超。家具・インテリア関連商品の販売等を行う暮らし関連事業も。ネットワーク事業はスタジオ加盟数の増加を重要課題として位置付け。 記:2024/08/06