マーケット
9/30 15:15
37,919.55
-1,910.01
42,330.15
+17.15
暗号資産
FISCO BTC Index
10/1 8:29:54
9,109,921
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日本トリム Research Memo(2):2大セグメントで減収も、今後は拡大の見込み

2015/7/21 16:22 FISCO
*16:24JST 日本トリム Research Memo(2):2大セグメントで減収も、今後は拡大の見込み ■2015年3月期連結決算 決算概況 日本トリム<6788>の2015年3月期連結決算は、売上高が前期比2.4%減の12,834百万円、営業利益が同27.7%減の2,252百万円、経常利益が同26.6%減の2,527百万円、当期純利益が同47.9%減の1,307百万円となった。なお、昨年10月に行った業績予想の修正後の数値と比較した場合、売上高は2.4%、営業利益は4.2%それぞれ未達となったが、経常利益は3.1%、当期純利益は2.9%上振れた。 (1)売上高 売上高は、「ウォーターヘルスケア事業」と「医療関連事業」がともに減少した。以下に各セグメントの売上高に関して解説する。 (a)ウォーターヘルスケア事業 ウォーターヘルスケア事業は国内の家庭用整水器、ストックビジネスである浄水カートリッジの販売、海外の家庭用整水器と浄水カートリッジの販売及びボトル水の販売、農業分野で構成される。家庭用医療機器である整水器では国内トップシェアを誇り、世界に先駆けて水の機能に着目し、科学的根拠を持つ「電解水素水」を世界に向け提供している。 収益面ではウォーターヘルスケア事業の売上高の約97%を国内の家庭用整水器と浄水カートリッジが占める。残りの3%が海外の電解水素水事業となっている。農業分野は、電解水素水で野菜を栽培する「還元野菜」(登録商標)の栽培用整水器と、還元野菜の販売が主力ビジネスとなっている。 整水器は直販、卸売り・OEMの2ルートで販売している。販売金額ベースで約85%(2015年3月期実績)を占める直販は、企業等に出向き社員向けに説明会を開いて販売するDS(ダイレクトセールス)事業部、整水器の取り付けを担当し、既存顧客からの紹介を引き出すHS(ホームセールス)事業部、百貨店やスポーツクラブなどの催事場で販売するSS(ストアセールス)事業部がある。3つの事業部のうち、ダイレクトセールスが売上げの半分を占める。一方、卸売りやOEM(業務部)は大手電機メーカーなどに供給している。 ウォーターヘルスケア事業の売上高は、前期比1.8%減の11,956百万円となった。このうち、国内における整水器本体の売上高は、同4.1%減の7,978百万円だった。カートリッジの売上高は、同1.7%増の3,114百万円となった。 国内における整水器本体の売上高を販売ルート別に見ると、直販部門のうち、主力のDS事業部が前期比11.1%減の4,030百万円。SS事業部も同8.0%減の659百万円となった。一方で、その他の販売ルートは堅調に推移した。特に大きく貢献したのは、卸売りやOEMで、同14.9%増の1,240百万円となった。HS事業部も同4.3%増の1,774百万円と健闘した。 DS事業部が売り上げを落とした理由は、営業トークの変更のためである。同社の整水器は家庭用医療機器であり、医療品医療機器等法(旧薬事法)で広告規制がある。同社では、コンプライアンス強化の目的で営業トークの変更を実施したが、それが過度の規制となり、販売効率を下げる結果となった。しかし、昨年10月に営業トークを再度修正するなど対策を講じ、第4四半期からは前期比でプラスに転じ、3月には同期比で過去最高の販売台数を達成している。 SS事業部では、店頭販売であることもあり、消費増税後の消費の落ち込みの影響を被った。 一方、それ以外の販売ルートでは、詳細な営業トークが必要ないため、売上げは順調に推移した。特に卸売り・OEMに関しては、2014年1月からスタートした美容関連企業へのOEMが好調だった。 カートリッジは、整水器内部にセットされており、水道水を浄化するのに必要になる。通水量が容量に達するか若しくは1年に1度、取り換えるのが原則となっているため、整水器本体の販売増に伴い売り上げが増加するストックビジネスと言える。15年3月期は昨年4月の消費税増税前の駆け込み需要の反動のため、通常は5~7%程度は見込める伸び率が縮小した。ただ、駆け込み需要に関しては、上半期に影響があったが、下半期においては、駆け込み需要の反動減はほぼ解消されたという。 ちなみに、海外の電解水素水事業は、中国と台湾における、子会社を通じた整水器販売及びインドネシアにおける電解水素水のボトル販売となっている。同事業の売上高は前期比29.2%増の394百万円となった。国内に比べて規模は小さいながらも着実に業績を拡大している。今後も順調な拡大が期待できそうである。 (b)医療関連事業 医療関連事業は、子会社であるトリムメディカル ホールディングスを通じて米国で行っている「遺伝子関連事業」、ステムセル研究所が展開している臍帯血バンクの「再生医療関連事業」、血液透析用の透析液の希釈水に電解水を応用する「電解水透析事業」の3事業で構成されている。医療関連事業の売上高は、前期比9.8%減の878百万円となった。 遺伝子関連事業は同77.7%減の138百万円、再生医療関連事業は同2.3倍の716百万円、電解水透析事業は同43.3%減の24百万円となった。 遺伝子関連事業では、2014年3月期は抗凝血薬「ワーファリン」の応答性を調べる検査キットが治療に使用されたことによる特需により急拡大したが、2015年3月期に終了したことが減収の大きな要因となった。 一方、再生医療関連事業は順調に成長した。一昨年9月に子会社化したステムセル研究所の臍帯血バンクが通期で業績に貢献するようになったほか、新規の契約をコンスタントに獲得している。期末には契約数の合計が3万4,338件になった。 日本における年間の新生児数に対する臍帯血の保管割合は0.3%と、韓国の12%、台湾の5%、米国の7%に比べて極端に低い。その一方で、今後、再生医療が進歩していくと考えられることから、臍帯血バンクの需要は着実に増加すると予想されている。同社の臍帯血バンクを運営するステムセル研究所は、国内最大(シェア約90%)の民間バンクであることから、同事業の収益は、今後も順調に拡大していくとみられる。 また、電解水透析事業は、前期に大型機の納入があった反動と売上高がまだ小さいために、減収の割合は大きく見えるものの、販売総代理店契約を結んでいる日機装<6376>との協業で普及を進めている。現在は、国内13施設226床で実施しており、15件の交渉案件がある。また、後に説明するが、新型の電解水製造装置を普及タイプとして開発し、透析学会で発表する予定となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光) 《HN》
関連銘柄 2件
6376 東証プライム
1,012
9/30 15:00
-41(-3.89%)
時価総額 75,177百万円
産業用ポンプ・システム等のインダストリアル事業、血液透析関連製品等のメディカル事業、航空宇宙事業を展開。ジェットエンジンナセル部品「カスケード」で世界トップシェア。産業用ポンプ・システムは収益性回復傾向。 記:2024/07/26
6788 東証プライム
3,600
9/30 15:00
-100(-2.7%)
時価総額 31,165百万円
整水器メーカー最大手。電解水素水整水器等の製造・販売を行うウォーターヘルスケア事業が主力。電解水透析等の医療関連事業も。ステムセル研究所を傘下に持つ。スポーツ分野、美容分野の販路開拓は順調に進捗。 記:2024/06/11