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3Dマトリックス Research Memo(2):止血材は国内で精度の高い臨床試験の追加実施も検討、海外で着実に進展

2015/1/8 8:12 FISCO
*08:13JST 3Dマトリックス Research Memo(2):止血材は国内で精度の高い臨床試験の追加実施も検討、海外で着実に進展 ■主要パイプラインの動向 (1)吸収性局所止血材 止血材(TDM-621)の進捗に関して、国内では製造販売承認に向けたPMDAとの協議が継続している。2011年5月に承認申請を提出して、既に3年を超え、長期化の様相を呈している。安全性に関しては問題ない様子であるが、治験データに基づく有効性の適正に関する協議が平行線をたどっている。症例の選び方やその評価に関してPMDAとの間に認識の相違があるようだ。このため、同社では承認取得に向け複数の方策を立てているが、そのなかの1つとして、より精度の高い臨床試験を追加で実施するという案を検討し始めている。 仮に、追加の臨床試験を行うことになれば、2015年4月期中の製造販売承認は事実上不可能となり、計画に織り込んでいたマイルストーン収益や製品売上高の計上が2016年4月期以降にずれ込むことになる。追加で行う臨床試験の症例数や期間など具体的な点はまだ決めていないが、同試験において良好な結果が得られれば、その後の審査期間は短くなる可能性もある。いずれにせよ、協議の平行線が続いていたなかで、その解決に向けたアクションが示されたことは前向きに評価されよう。 一方、海外では着実に事業化に向けた動きが進んでいる。7月以降、オーストリアやフランス、ドイツなどの有力医療施設で臨床使用が開始されたが、その後もスイス、英国、香港、チリ、マレーシアなどの医療施設で臨床使用が行われ、合計で20件以上の症例数となっている。適用領域としては、一般外科や心臓外科、心臓血管外科、消化器外科などに臨床使用され、KOLからの評価に関しても総じて高評価を得ているようだ。具体的な評価ポイントとしては、「患部表面が平滑でなくても、止血材がゾル状(短時間でゲル化)であるため、患部表面と止血材の間に隙間ができず、予想以上に高い止血効果が得られる」「使い勝手が良くすぐに処置に入れる」「止血材が透明で視認性が高く、作業性に優れている」といった点などが挙げられた。 スリー・ディー・マトリックス<7777>では今後も臨床使用を進めていくと同時に、欧州での販売契約交渉を進めていく方針としており、2015年4月期中の締結を目指している。現在の状況は、契約候補先企業から止血材に対する技術的なデューデリジェンスが終了する等、具体的な条件交渉の段階にある。また、販売契約社数に関しても複数となる可能性があるとしている。同社の止血材は外科手術領域以外にも、内視鏡的手術での使用が可能であり、ディストリビュータもそれぞれの領域ごとに得手不得手があるという。それぞれの領域において販売パートナーを確保した方が、より効率的に欧州での市場シェア拡大が進むとみているためだ。内視鏡的手術の領域では、2015年中に粘膜隆起材でもCEマーキング※の取得申請を行う予定となっており、あらかじめ販売パートナーを確保しておくことの意義は大きい。 ※指定の製品がEU加盟国のすべての基準に適合していることを示すマークで、EU加盟国に加えて、欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国、スイス、トルコなどでも上市・販売される指定の製品に貼付が義務付けられている。 また、欧州では止血材の市販開始後、CEマーキング制度のなかで定められているPMCF(Post Market Clinical Followup:市販後臨床フォローアップ)試験を行っていくことになる。CEマーキングを取得した製品に関する評価制度で、複数の医療施設において臨床の比較試験を実施し、医師による評価結果をCEマーキング機関に提出するというもの。2015年1月より開始するが、症例数で90~100例程度を予定しており、費用としては計画の範囲内。また、同時に各国の保険推奨リストへの採用なども進めていく予定となっている。 アジアや南米、オセアニア地域でもCEマーキング取得によって販売可能、もしくは治験なしで販売承認が取得可能な国において、着々と事業化に向けた取り組みが進んでいる。シンガポールでは9月に製品登録承認を取得しており、2015年4月期中に販売パートナーとの契約を締結し、販売開始を目指している。また、インドネシアでも2015年早々には製品登録承認が取得できる見通しで、販売パートナーであるPT.Teguhsindo社が販売を開始する予定となっている。香港では臨床使用が開始され、シンガポールと同様、販売パートナー先を探索している段階にある。南米ではチリで臨床使用が開始されたほか、ブラジルで2015年早々に製品登録申請を行う予定で、2016年からの販売開始を目指している。その他、韓国に関しても従来は日本の販売承認を待って承認申請を行う予定であったが、今回方針を切り替えCEマーキングによる承認申請の準備に入っている。なお、販売承認を取得した段階で韓国パートナー企業のDaewoong Pharmaceutical社からマイルストーン収益が入ることとなっている。 なお、米国では2013年2月にFDAに治験計画届を提出し、現在は治験開始に向けたプロトコル(治験実施計画書)の詳細に関する設定作業をFDAと協議しながら行っている段階にある。一部、追加データの提出が必要となる可能性はあるものの、2015年4月期中の治験開始を目指している。症例数は250例前後となる見込みで、既に医療施設は確保済み。なお、米国における販売パートナーとの契約も治験開始と合わせて進めている。 中国においては2014年8月に子会社を設立し、治験実施に向けた準備を進めている段階にある。中国はCEマーキングの適用エリアではなく、CRO(医薬品開発業務受託機関)を使って同国内での治験を進めていく予定で、併せて販売パートナーとの契約を進めていく方針としている。スケジュールとしては2017年4月期までに治験終了及び契約の締結を行い、上市は2018年秋以降となる見通しだ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《FA》
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時価総額 10,727百万円
自己組織化ペプチド技術を用いた医療製品を開発する。外科領域、組織再生領域、ドラッグ・デリバリー・システム領域で事業展開。消化器内視鏡領域の止血材はドイツで販売好調。24.4期3Qは大幅増収、損益改善。 記:2024/04/16