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ソフトバンテク Research Memo(2):6つの事業すべてが増収、利益面でも改革が進展

2014/12/12 8:24 FISCO
*08:24JST ソフトバンテク Research Memo(2):6つの事業すべてが増収、利益面でも改革が進展 ■2015年3月期の第2四半期決算 (1)概要 2015年3月期の第2四半期の連結決算は、売上高が前期比20.8%増の19,678百万円、営業利益が同0.4%増の572百万円、経常利益が同7.3%減の541百万円、四半期純利益が同1.8%増の330百万円となった。売上高は第2四半期として過去最高を更新した。 ただ、当初計画と比較すると、売上高こそ6.4%の上振れとなったものの、営業利益で11.9%、経常利益で16.7%、四半期純利益で17.4%の下振れという結果だった。以下に売上高と利益の分析を行う。 売上高の分析 ソフトバンク・テクノロジー<4726>の事業セグメントは、デジタルマーケティング、プラットフォームソリューション、システムインテグレーションの3事業で構成される。同社では3事業それぞれで注力事業を掲げており、それらを抜き出して6事業とし、投資家向けに情報を提供している。具体的には、デジタルマーケティングでEC(電子商取引)関連の商品販売やサービスを行うECサービス事業とビッグデータ関連のサービスをワンストップで提供するデータアナリティクス事業(注力事業)、プラットフォームソリューションで基盤システムを構築するプラットフォームソリューション事業と情報セキュリティサービスを提供するセキュリティソリューション事業(注力事業)、システムインテグレーションで法人企業向けの情報システムの構築や、モバイルアプリケーションの開発を行うシステムインテグレーション事業とマイクロソフトのクラウドサービスを基盤としたソリューションサービスを提供するマイクロソフトソリューション事業(注力事業)に分かれる。本レポートでも、6事業を同社の事業セグメントとして分析する。 売上高が第2四半期ベースで過去最高を更新した理由は、すべての事業区分で売上高が前年同期に比べて増加したためである。特にデータアナリティクス、セキュリティソリューション、マイクロソフトソリューションの3つの注力事業がいずれも大きな伸びを示した。また、ECサービス事業は、主力のシマンテックストアの販売が減少したものの、子会社のフォントワークス(株)の売上が補い、事業全体としては、増収となった。プラットフォームソリューション、システムインテグレーションの各事業は順調に拡大した。実績は以下のとおりである。 データアナリティクスが前年同期比47.1%増の743百万円、セキュリティソリューションが同約3.4倍の1,637百万円、マイクロソフトソリューションが同約2.3倍の1,193百万円となった。これからの注力事業であるデータアナリティクスは、着実に拡大を続けている。セキュリティソリューションは、子会社となったサイバートラスト(株)が貢献した。マイクロソフトソフトソリューションは、クラウド化への移行が進むなか、自社サービスである「Online Service Gate」や「ADFS on Cloud」が好調に増加した。マイクロソフトのサービスであるOffice 365の導入では、大企業向けでトップになった。また、2015年7月にはWindows Server2003のサポートが終了することから、同社では電子メールのセキュリティ面でウィンドウズサーバ2003との相性の良いクラウドサービス「Microsoft Azure」への移行も推奨している。 デジタルマーケティング事業は前年同期比4.8%増の9,366百万円、プラットフォームソリューション事業は同38.3%増の6,153百万円、システムインテグレーション事業は同43.6%増の4,158百万円となった。プラットフォームソリューションは、後にも説明するが、公共団体からの受注が本格的に得られるようになった。システムインテグレーションはソフトバンク<9984>グループからの通信事業向け受注が堅調だったほか、プロジェクトの大型化が進んだ。 6つの事業のいずれもが増収となった大きな要因を分析すると、 (1)ソフトバンクグループ以外からの受注の拡大、(2)M&Aで取得した子会社を含めた、独自技術による新サービスの発売、(3)連結ベースでの社員の増加と社員のスキル向上、スキルの高い社員の確保—が挙げられよう。詳細に関してはトピックスで詳述する。 利益の分析 利益が当初計画比で未達となった理由は、減価償却費とのれん償却費が想定以上だったことが要因である。対前年同期に比べて、減価償却費は前年同期比約2倍の412百万円となった。主な増加要因は、ソフトバンク・テクノロジー単体(+100百万円)とサイバートラスト(株)(+80百万円)が挙げられる。単体の増加は、昨年2月に行った新本社への移転に伴い、事務機器やシステムに投資したことが理由である。また、のれん償却費は、同約3.1倍の72百万円となった。フォントワークス、サイバートラスト、ミラクル・リナックス(株)ののれん償却費60百万円が増加要因となっている。同社によれば、減価償却費、のれん償却費の計上が当初予想よりも大きくなってしまったとしている。 これら償却だけで前年同期に比べて240百万円の営業利益の押し下げ要因になったことになる。サイバートラストの減価償却費とフォントワークスののれん償却費が同社の想定内だった場合には、営業利益は期初予想の650百万円前後となる。 ただし、減価償却費ものれん償却費も財務会計上の問題で損益計算書に組み込まれているだけで、実際に足元で資金が流出したわけではない。同社の収益力の“実力”を見るためには、これら費用の影響を除いた利益から分析する必要がある。そこで、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)で利益を計算し直すと、その結果は、前年同期比32.6%増の1,065百万円と、前年同期で大幅な増益となる。 加えて、売上高に対するEBITDAの割合を見た場合、第2四半期は前年同期比0.5ポイント増の5.4%、14年3月期比でも0.2ポイント増となる。過去最高益となった2012年3月期の5.9%には及ばないものの、実質的に利益率が回復していると見ることができる。 減価償却費やのれん償却費の影響を除いた利益の向上の要因は、売上高の増加要因としても挙げた、独自技術による新サービスが好調だったこと、社員数の増加により、大型案件の受注が増えたことなどによる。新サービスは他社の作った製品をただ販売するだけよりも高い利益率が見込めるし、大型案件は利益率が高いからである。 以上のことから、売上面からも、利益面からも、実際は、同社が進める構造改革が進んでいると判断してよかろう。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光) 《FA》
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