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メディシス Research Memo(2):営業利益は医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業で2分

2014/12/10 17:47 FISCO
*17:47JST メディシス Research Memo(2):営業利益は医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業で2分 ■事業概要 メディカルシステムネットワーク<4350>は医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業を2本柱として、周辺事業となる賃貸・設備関連事業や給食事業、治験施設支援事業などを行っている。医薬品等ネットワーク事業は同社と子会社のシステム・フォー及びH&Mで運営しており、調剤薬局事業はファーマホールディング、その傘下の子会社及び北海道医薬総合研究所で展開している。 事業別の構成比(2015年3月期第2四半期累計)を見ると、売上高では調剤薬局事業が全体の90%超と大半を占めているが、営業利益では医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業でほぼ2分した格好となっており、両事業が同社の主力事業になっていることがわかる。各事業の概要は以下のとおり。 ○医薬品等ネットワーク事業 創業時からの事業で、メディカルシステムネットワークと子会社2社((株)システム・フォー、(株)H&M)で運営している。同事業は、調剤薬局や医療機関と医薬品卸売会社間の医薬品売買を仲介することにより、医薬品流通過程の効率化を支援するビジネスモデルとなっている。同社のネットワークに加盟することで、サプライチェーンマネジメントサービスのほか、デッドストックエクスチェンジサービス(不動在庫消化サービス)や薬剤師教育サポート、資金調達サポートなどのサービスも受けられる。 サプライチェーンマネジメントサービスでは、日々の発注業務、決済業務や在庫管理の効率化だけでなく、価格交渉の代行も行っている。同社が開発した受発注システム「O/E system(Order Entry System)」を導入することで、加盟店における担当部署の生産性向上が図られるほか、価格交渉面においても個々の薬局が個別で行っていた交渉を同社が一括して行うため、従前よりも有利な条件で仕入れることができるといったメリットが生じる。 デッドストックエクスチェンジサービス(不動在庫消化サービス)とは、加盟店同士で個々の店舗においてデッドストックとなっている在庫を融通し合い、薬剤廃棄ロスを効率的に削減できるシステムである。 薬剤師教育サポートサービスでは、薬剤師のスキルアップのため全国で集合研修を月間30~40回実施しているほか、eラーニング研修も行っている。また、資金調達サポートサービスとして調剤報酬債権証券化サービスを行っている。これは調剤薬局の売上回収期間が約2ヶ月と長いことから、その間の資金面でのサポートを行うことを目的に債権証券化のスキームを活用したもの。同システムを利用すると売上回収期間が1ヶ月以上短縮できるといったメリットが生じる。 その他、調剤薬局向けに設置するレセプトコンピュータシステムや「O/E system」、周辺機器などの開発・販売・保守や調剤機器、什器、備品などの販売業務を行っている。 なお、こうした医薬品ネットワークサービスの対象顧客は、1社で20店舗以下の店舗を運営する中小規模または個人の調剤薬局が中心となっている。2014年9月末時点でのネットワーク加盟店舗数は、自社グループ、外部加盟店合計で1,053店舗(病・医院30件含む)となっている。前期末比で110件の減少となっているが、これは2014年4月より取引休止中であった大口先(230店舗)が脱退したことによるもので、これを除けば120件の増加となり、半期ベースでは過去最高の増加数を記録している。また、エリア別では、創業地である北海道と関東・甲信越エリアで全体の半分近くを占めており、次いで、近畿、東海・北陸エリアの順となっている。2013年11月にはTOB(株式公開買付け)により九州を地盤としたトータル・メディカルサービスがグループに加わったことで、九州・沖縄エリアの店舗数も大きく増加し、現在は全国の42都道府県にて店舗展開している。 なお、同事業の売上高は、加盟店舗の医薬品発注高に応じて発生する受発注手数料とシステム販売が大半を占めている。加盟店舗の増加に伴って安定的に収益が積み上がるストック型のビジネスモデルであり、売上高営業利益率も45~55%の範囲で安定した高収益事業となっている。 ○調剤薬局事業 調剤薬局事業では、子会社の(株)ファーマホールディングを持株会社とし、その子会社10社(2014年9月末時点)にて主に「なの花薬局」の屋号で調剤薬局を展開している。「なの花薬局」は、単なる調剤薬局チェーンから脱却し、健康に関する多様なサービスを地域住民に提供する「地域薬局」を目指しているのが特徴となっている。 2014年9月末時点の調剤薬局店舗数は331店舗(休止中の1店舗除く)となっており、そのほかにケアプランセンター2ヶ所、ドラッグストア12店舗、福祉用具貸与事業所1ヶ所の運営を行っている。エリア別では北海道が111店舗と最も多く、次いで関東・甲信越70店舗、近畿52店舗となっており、M&Aを活用しながら全国に店舗数を拡大している。また、子会社の(株)北海道医薬総合研究所では、薬剤師をはじめとしたグループ内外の調剤薬局業務従事者に対する教育・研修サービスを行っている。 売上高営業利益率はここ数年、3~5%の間で推移しており、調剤薬局大手との比較では平均よりも若干下回る水準となっており、今後は店舗ごとの収益性向上が課題となっている。 ○賃貸・設備関連事業 子会社の(株)日本レーベンで展開している事業で、主にグループ内の調剤薬局の立地開発や診療所向け建物の賃貸、保険・リース業務を行っている。また、医師開業コンサルティングを行うとともに、複数の診療科目が同一フロア内に集積するメディカルモールや、同一ビル内に診療所が集積するメディカルビル、サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)の運営などを行っている。 ○給食事業 2013年11月に子会社化した(株)トータル・メディカルサービス(以下、TMS)のフードサービス事業部とその子会社である(株)さくらフーズにおいて、病院・福祉施設内での給食事業受託業務を行っている。 ○その他事業 子会社の(株)エスエムオーメディシスが、治験施設支援機関として治験実施施設(医療機関)と契約し、治験支援サービス業務を行っている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《FA》
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時価総額 12,809百万円
なの花薬局の運営、薬局等の経営支援、医薬品の製造・販売等を行う地域薬局ネットワーク事業が柱。賃貸・設備関連事業、給食事業等も手掛ける。医薬品ネットワーク部門ではサービス拡充で新規加盟店の獲得を図る。 記:2024/08/05