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朝日ライフアセット速水氏、「無印良品」は成熟化する先進国だけでなく新興国でも共感(2)

2014/10/14 11:50 FISCO
*11:52JST 朝日ライフアセット速水氏、「無印良品」は成熟化する先進国だけでなく新興国でも共感(2) 朝日ライフ アセットマネジメントの『SRI社会貢献ファンド(愛称「あすのはね」)、チーフファンドマネージャー速水禎氏は、同投資の先駆けとして、R&I(格付け投資情報センター)が毎年発表するファンド大賞で、SRI・環境関連ファンドにおいて最優秀ファンド賞2014年まで5年連続を受賞している。8月末現在での過去1年のパフォーマンスも+22.7%と好調で、同期間のTOPIX+15.5%を上回って推移している。 「あすのはね」の好パフォーマンスの理由は事業の魅力度を徹底的に分析すること、その事業の中での競争優位性がどこにあるのかを見出す力量と言えそうだ。また、ビジネスを通じて社会貢献できる企業の中にこそ、高い収益性を持続できる企業でを見いだせるという独特の視点は、このファンドの真骨頂であろう。 例えば、2014年8月末現在の「あすのはね」組み入れ比率2.9%%の良品計画<7453>。速水氏は同社の競争優位性について以下のように分している。 ■良品計画の競争優位性 良品計画が展開する「無印良品」ブランドは1980年12月に株式会社西友ストアー(現合同会社西友)のプライベートブランドとして誕生しました。当時の日本は高度成長期から安定成長時代に入るところでしたが、「大量生産、大量消費社会」時代、もしくはブランド商品が氾濫する時代に対するアンチテーゼとしてのコンセプトでつくられました。その後「無印良品」の事業基盤確立と規模の拡大を目指して1989年に、良品計画として分離独立しました。 同社が無印良品の商品を通じて提案しているのは「本質にこだわること」であり、商品企画においてシンプルなデザインの中に本質的な機能を求め、何かを加えるのではなく、むしろ本質でないものを取り除くことによって価値を創造し、高品質で低価格な商品の提供を目指しています。例えば寝具類や衣類などでは、「肌触り」を本質的な商品価値として重視し、本質でないものを取り除いて低価格にするために、製造工程や流通過程を見直し、余分な機能や包装を省くと同時に、生活がシンプルで美しくなれば世界が良くなるというメッセージを込めることで、小売市場の中で独自の立ち位置を築こうとしています。 無印良品の商品ラインは幅広く、どれも生活者の視点でという基準でデザインされており、家庭用品、衣料、食品の3分野で約7,500アイテムに及びます。商品にそれが一目でわかるようなロゴを付けず、強い色を使わず、有名人を広告に起用せず、著名デザイナーの名を明かさないことで、無印良品らしさを演出しようとしています。そして、「本質において高品質、無駄を省いてわけあって安い」という無印良品の価値提案を、商品の開発、店舗での販売、情報提供の3つの面で統一感を打ち出し、ブランド価値を訴求しています。 もともと無印良品は消費社会に対するアンチテーゼとして創造されたブランドですが、あえて厳しい見方をすれば、それ自体が消費社会の上に成り立っているビジネスと言えるかもしれません。無印良品では地球環境への配慮という観点から、商品サイズやモジュールの統一や、消耗品を取り換えられることで長期間使用できる商品設計を行い、再生素材や残反・残糸の利用や、包装の簡略化、家具や紙製品類の木材の履歴確認、オーガニックコットンの使用、発展途上国での生産者にも配慮したフェアトレード商品などを積極的に推進しています。 ブランド誕生から30年以上経った現在も、その商品や事業活動を通して、「簡素が豪華に引け目を感ずることなく、その簡素さの中に秘めた知性なり感性なりがむしろ誇りに思える世界」を実現することで、世界の環境問題や貧困問題の解決につながるというメッセージを発信し、成熟社会のあるべき方向性を示していると言えるかもしれません。 無印良品は2014年2月末現在、国内に385店舗、海外に255店舗を展開しています。海外市場では「MUJI」がブランドとして受け入れられており、1991年7月という比較的早い段階で、海外1号店をロンドンに出店しています。そして同年11月に香港に、その後パリ、ベルギー、シンガポールなどに出店し、現在は日本の小売業として最多クラスの22カ国・地域に展開しています。2014年2月期の出店の純増数は、国内6店舗に対して海外が49店舗と海外出店に一弾と勢いが付いています。そして2015年2月期についても、海外シフトを加速しています。 無印良品ブランドを国内外に展開する良品計画は、現在順調に事業を拡大させていますが、実は過去に2度ほど業績不振に陥った時期がありました。次回は、業績不振から脱却し、2度のV字回復を遂げる過程で培った同社の小売業としての真の競争力について注目していきたいと思います。 《FA》
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生活雑貨や衣服、食品等の販売を行う「無印良品」を国内展開。西友のプライベートブランドとして1980年に誕生。海外では「MUJI」を展開。店舗数は国内外で1240店舗超。国内では生活雑貨中心に新商品を投入。 記:2024/05/17