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来週の相場で注目すべき3つのポイント:ウクライナ情勢、NABE年次会合、NATO緊急首脳会議など

2022/3/19 18:31 FISCO
*18:31JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:ウクライナ情勢、NABE年次会合、NATO緊急首脳会議など ■株式相場見通し 予想レンジ:上限27250-下限26000円 来週の日経平均はもみ合いか。国内は月曜が祝日で立ち会いは4日に限られる。米連邦公開市場委員会(FOMC)を波乱なく通過したこともあり、投資家心理は幾分改善してきている。来週は3月期末に向けた需給期待が相場を下支えしそうだ。1、2月の世界的な株式相場の大幅下落を受けて、年金基金などが四半期末に向けてリバランス(投資配分の再調整)による株式買いを行うと予想される。また、3月29日の権利付き売買最終日が近くづくなか、配当権利取りを狙った買いが下値を支えることが期待される。権利付き売買最終日前後には指数連動型インデックスファンドの配当再投資に伴う先物買いが入ることが想定されるが、それを見越した先回り買いなども相場の支援要因となりそうだ。 一方、FOMC通過後の日米株式市場は大幅に反発したが、先物やオプション取引における売り方の買い戻しが主体の様相で、相場が本格的な復調に入ったとの声は少ない。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の月次ファンドマネジャー調査によると、2月は現金比率が約2年ぶりの高水準となる一方、株式の比率は約2年ぶりの水準に低下したという。 米連邦準備制度理事会(FRB)は景気に対して緩和的でも引き締め的でもない中立金利の水準を2.5%から2.4%へと引き下げた。そうしたなか、FRBは2023年末までに合計10-11回の利上げを行い、23年末の政策金利を2.75%までに引き上げる方針。中立金利を上回る水準にまで政策金利を引き上げるということは、景気を冷ましてでもインフレ抑制を優先するということ。米債券市場で景気後退入りのサインとされる2年債と10年債の逆イールドが近づくなか、今回見せたFRBの姿勢は一段とスタグフレーション(物価高と景気後退の併存)リスクを高めるものだったといえる。 ウクライナ情勢については、ロシアとウクライナの双方の主張が異なっており、停戦合意に近づいているのかどうか、未だにはっきりしない。24日の北大西洋条約機構(NATO)緊急首脳会議や欧州連合(EU)首脳会議までの間に停戦協議に進展が見られるか見極めたい。一方、ウクライナの激しい抵抗により想定外に戦闘が長期化していることで、追い込まれつつあるロシアが戦術核で威嚇する可能性なども指摘されている。さらに、動向が注目される中国はロシア側に近づいているなどとも指摘されている。米国は、中国がロシアを支持するならば「代償」を支払わせると通告しており、米中摩擦激化への懸念もくすぶる。仮に中国にも経済制裁を科すとなると、世界経済への打撃は計り知れない。需給的な支えに期待しつつも、なお、本格復調は遠いと認識しておきたい。 ■為替市場見通し 来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融正常化スタンスで金利先高観は継続し、ドルを押し上げる見通し。米FRBは15-16日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の引き上げに踏み切った。利上げの幅は今回0.25%と市場の想定通りとなったが、この後4月から12月まで年内6回、さらに来年の複数回を合わせ最終的に2.75%にする見通しが示されている。FRBは想定以上にタカ派的との見方が強まっている。 ロシアとウクライナの停戦に向けた協議は継続中で、合意への道はなお険しい。ただ、ロシア側が望むウクライナの非武装化の可能性が浮上し、今後の交渉でさらに議論が進展すればリスクオンムードが広がる可能性がある。安全逃避のドル買いは縮小するが、日米金利差の拡大を想定したドル買い・円売りが強まる可能性がある。 ドル・円は、2016年末にかけての「トランプ・ラリー」高値の118円60銭レベルを突破した。119円台は目立った節目が乏しいことから、1ドル=120円台定着の可能性も一部で指摘されている。 ■来週の注目スケジュール 3月21日(月):日・株式市場は祝日のため休場(春分の日)、米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長とアトランタ連銀総裁が全米企業エコノミスト協会(NABE)の年次会合で講演など 3月22日(火):国際決済銀行(BIS)イノベーションサミット(23日まで)にラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁やニューヨーク連銀総裁などが参加など 3月23日(水):日・景気動向指数(1月)、TORICOが東証マザーズに新規上場(公開価格:1700円)、英・消費者物価コア指数(2月)、米・新築住宅販売件数(2月)、BISイノベーションサミット(最終日)にFRB議長やベイリーイングランド銀行(英中央銀行)総裁などが参加など 3月24日(木):日・日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(1月17・18日分)、日・欧・米・製造業PMI/サービス業PMI(3月)、全国百貨店売上高(2月)、米・耐久財受注(2月)、北大西洋条約機構(NATO)緊急首脳会議、欧・欧州連合(EU)首脳会議(25日まで)など 3月25日(金):日・企業向けサービス価格指数(2月)、独・IFO企業景況感指数(3月)、米・中古住宅販売成約指数(2月)、米・ニューヨーク連銀総裁が講演など 《YN》