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4-6月期も底堅いドル円【フィスコ・コラム】
2021/4/4 9:00
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*09:00JST 4-6月期も底堅いドル円【フィスコ・コラム】 米バイデン政権の発足以降、米金利高を背景にドルの底堅い値動きが続いています。2021年第1四半期の対円相場は102円台からスタートし、気づいてみれば110円台。外交などにリスクはあるものの、第2四半期もドル買い基調が見込まれます。 ドル・円は年明けから2カ月は緩やかな上昇トレンドとなり、102円半ばから4円程度値上がりしています。3月に入ると上げ足を速め、昨年6月以来の高値水準である109円台を回復。さらに、心理的節目の110円をあっさり上抜けました。米連邦準備理事会(FRB)が長期的な緩和政策を維持する方針のため多くの市場関係者は今年のドル安を予想していたので、やや想定外と言えそうです。 背景にあるのは、主にアメリカの政策です。バイデン政権は新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるとともに、1.9兆ドル規模の追加経済対策を実施。それらにより早期正常化期待と物価上昇観測が広がり、FRBの緩和政策の縮小を織り込んだ米長期金利の上昇がドルをけん引しています。各国がコロナ禍からの回復で長期金利の上昇に直面するなか、FRBの容認姿勢で米金利の先高観は変わりません。 米国債入札がおおむね好調のため、需給緩和による価格の上昇で金利は短期的に下押しされるものの、アメリカの骨太な回復トレンドが見込まれるため底堅さを維持しているようです。指標となる10年債利回りは昨年のコロナ危機で過去最低水準の0.50%を一時割り込みますが、今年1月に心理的節目の1.00%を上抜けました。その後も上値を伸ばし、危機前の水準である1.70%台に持ち直しました。 ただ、ここへきて円買い要因が目立っています。まず、トルコのエルドアン大統領が高インフレに対峙してきたアーバル中央銀行総裁を更迭し、再び利下げ圧力を見込んだリラ売りが優勢となる場面がありました。欧米の格付け会社はエルドアン政権をけん制するものの、次回以降の中銀による政策決定が注目されます。コロナ危機を何とか乗り切ろうとしている新興国で混乱に拍車がかかれば、円急騰は避けられません。 また、欧米と中国がウイグル人の人権をめぐり、不穏な情勢に傾きつつあります。ロシアが中国に加勢することで対立の構図は鮮明になり、それに関連して北朝鮮の反米感情が高まれば東アジアの地政学リスクが広がるでしょう。さらに、6月に予定されるイラン大統領選で対米強硬派が穏健派を破るとなればバイデン政権の中東政策が不安視され、それもまた円買いの支援材料となりそうです。 とはいえ、欧州でのコロナ再拡大でユーロ圏経済の減速は必至とみられ、今後発表される低調な統計を嫌気したユーロは下落方向にあります。コロナ克服で有望視されてきたニュージーランドも、住宅価格の高騰を抑制するため政府が投資家を対象とする税制などの措置を発表。それによる景気減速で中銀の利上げ観測は後退し、NZドルも下落しています。主要通貨売りで、ドル選好地合いは続きそうです。 ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 (吉池 威) 《YN》
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