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トランプ政権は終幕?【フィスコ・コラム】

2018/12/23 7:30 FISCO
*07:30JST トランプ政権は終幕?【フィスコ・コラム】 2018年の金融市場は、関税引き上げや連邦準備制度理事会(FRB)批判など、やはりアメリカのトランプ大統領に振り回される場面が多かったように思えます。中間選挙以降、大手メディアが政権への攻勢を強めていますが、政権は弱体化するのでしょうか。 今年は年明け早々、トランプ大統領が一部家電やソーラーパネルへの輸入関税を引き上げる措置を打ち出します。その後も鉄鋼・アルミ製品、自動車など次々に制裁対象を広げ、市場を慌てさせました。ただ、中国に対する強硬姿勢は減速ぎみの同国経済を圧迫し、世界経済の腰折れ懸念からトランプ大統領の意に反してドル買いを誘発。同時に円買いも進んだため、ドル・円はレンジ取引となりました。 また、金融当局への露骨な圧力にも驚かされました。FRB議長のイエレン氏を1期で退任させパウエル氏を起用したものの、FRBの引き締め継続方針を「ばかげている」などとストレートに批判。こうした従来のアメリカ大統領が自重してきた「政策」は、国内だけでなく、外交面でも具現化しています。なかでも史上初の米朝首脳会談が特筆されます。年明け以降に2回目の会談が予定され、朝鮮戦争の終結に至ればその成果と言えるでしょう。 今年のメインイベントとして注目された中間選挙は、上院で議席を上積みした反面、下院で民主党のリードを許します。慣例や従来の常識は通じないトランプ大統領も、就任後最初の中間選挙で勢力縮小の洗礼を浴びるジンクスには勝てず、野党に譲歩の余地を与えました。メキシコ国境の壁建設の費用をめぐり、民主党執行部との協議で早くもバトルを展開。こうした対立はメディアにとって格好のネタでしょう。 12月14日の取引で日経平均株価が予想外に下げたのは、時間外取引のアメリカ株式先物の大幅下落が背景でしたが、下落要因はトランプ大統領の元顧問弁護士の実刑判決で「政権運営に不透明感が広がったため」と市場関係者は話していました。しかし、トランプ政権はもちろん盤石ではないものの、支持率は低下していません。誇張された報道に市場が踊らされている面もあるのではないでしょうか。 アメリカの失業率は半世紀ぶりの低水準となり、経済はピークに差し掛かっているとも言えます。そうであるなら景気はスピードをある程度緩めるかもしれません。また、11月入ってから不安定な株価や金利逆転など、金融市場ではやや不穏な動きも出始めています。ただ、議会運営上の与野党対決や経済指標の下振れが大げさに報道され、市場が荒れる可能性があるので、2019年はその点に注意が必要と思われます。 ちなみに、中間選挙後の大手メディアでは「ロシアゲート」疑惑などスキャンダル系の事件報道が過熱しています。ただ、トランプ政権にとって「最大の危機」「崖っぷち」「終わりの始まり」といったフレーズは政権発足当初から繰り返し使われているものばかり。トランプ政権を終幕に導きたいメディアが抱く希望的観測が目立ちます。見方を変えれば、トランプ政権が安泰である証拠と言えるのかもしれません。 ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 《SK》