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米中間選挙後ドル失速の理由【フィスコ・コラム】
2018/11/4 9:00
FISCO
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*09:00JST 米中間選挙後ドル失速の理由【フィスコ・コラム】 トランプ大統領は選挙が終われば強硬姿勢を引っ込める--大方の市場関係者は、制裁関税や連邦準備制度理事会(FRB)への利上げ批判を11月6日投開票の中間選挙に向けたパフォーマンスとみています。しかし、その見方は修正する必要があるかもしれません。 今回の中間選挙は、上院100議席の3分の1、下院435議席の全てが争われます。トランプ政権と与党・共和党への審判です。2年後にトランプ大統領が再選するか、民主党が政権を奪還するか、ある程度方向性が決まる選挙となるでしょう。直近の選挙情勢調査によると、下院は民主党がリードし、共和党が追う展開。両党はともに200議席前後を固めたもようで、実質約30議席を奪い合う戦いです。 上下両院で共和党が勢力を維持または拡大するというのが筆者の見立てです。足元ではアマゾンやアップルの業績が伸び悩み、株価が不安定になっていますが、全般的にアメリカ経済の絶好調が続いているためです。よく指摘されるのが、新しく就任した大統領の最初の中間選挙は逆風にさらされるとの傾向ですが、前例破りのトランプ大統領にはあまり当てはまらないように思えます。 選挙の開票結果は日本時間の7日、アジアの取引時間帯に判明する見通しです。筆者の見立て通り、共和党が上下両院で現状を維持できれば政権の安定は好感され、時間外取引のアメリカの株式先物や10年債利回りが上昇するでしょう。それを見て日本や中国などアジアの株価は連れ高し、リスク選好的な円売りがドルをはじめ主要通貨を押し上げる、というのが結果判明直後のメーンシナリオとなります。 しかし、トランプ大統領は「2年前の大統領選では、これから実行する政策を言葉で説明するのが大変だったが、中間選挙は実績を示せるから楽だ」と述べています。中間選挙の後は、2年後の再選が最優先課題となり、公約を果たす実績をさらに積み上げる必要があります。そうであれば、選挙が終わったからといって貿易相手国や金融当局に向けた強硬姿勢を和らげるとは思えません。 つまり、トランプ政権は日本などの貿易黒字国に対し、不均衡の是正を求める姿勢を(与野党逆転ならさらに)強めるとみています。今月末に開催予定の米中首脳会談で両国の通商摩擦は解決する見通しとなり、株高・ドル高に振れています。一方、日米摩擦の影響は日本の主力である自動車産業に直撃。円安政策が制限されてしまえば、日本株安・円高は避けられないでしょう。 一方、FRBの引き締め姿勢はトランプ大統領にとって懸案事項であり、中間選挙後は一段と批判を強めるかもしれません。企業業績の悪化は利上げが原因との意見も出始めており、一部にはFRB議長解任の見方もあります。解任に関しては、職務怠慢や不正行為などでない限りインテリの常識で考えられませんが、連邦準備法上では可能なようです。トランプ政権は政権基盤が安定すれば、ドル安に向け怖いものなしでしょう。 ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 《SK》
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