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年後半はドル1強?【フィスコ・コラム】
2018/7/1 9:00
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*09:00JST 年後半はドル1強?【フィスコ・コラム】 2018年の折り返し地点の現在、ドル・円をみると、年初の下げは一服したものの、戻りの鈍い展開となっています。年後半の最大の焦点である11月のアメリカ中間選挙を控え、トランプ大統領の支持率も持ち直しつつありますが、年末に向けてどのような値動きになるでしょうか。 ドル・円は今年1月上旬に113円38銭まで強含んだものの、そこから下げに転じ3月までじり安となりました。ただ、3月下旬に104円64銭を付けた後は底を打ち、5月に入ると一時111円台を回復。6月12-13日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)後に広がった利上げ年4回(あと2回)への思惑が、足元のドルの底堅さにつながっています。今後発表される経済指標が悪化しなければ、景気拡大を背景とした金融正常化方針は続くでしょう。 連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は6月20日、ポルトガルでの講演で、好調な国内経済を背景に緩やかな利上げは必要との考えを強調しています。一方、欧州中銀(ECB)は、資産買取りプログラムを終了するものの、利上げ時期を来年夏以降と後ずれさせています。英中銀や豪準備銀など金融正常化を目指していた主要中銀も、カナダ中銀以外は早期の引き締めについて先読み困難な状況です。そのこともドル買いの支援要因になっています。 経済のファンダメンタルズと金利差を考えれば、ドル1人勝ちとなってもおかしくありません。では、政治情勢が絡むとどうなるでしょうか。9月の自民党総裁選は、高支持率の安倍晋三首相の三選がほぼ既定路線で大きな円買い要因は1つ消える見通しです。一方、アメリカ中間選挙は、現政権に厳しい審判が下されるのが通例です。低支持率ながら再選を目指すトランプ大統領がぐうの音も出ない結果になる、とリベラル系メディアは予想しています。 その通りになれば、アメリカの政策運営が行き詰まり、株安を通じてドル安に振れる可能性があります。ただ、共和党内にも「反」トランプはくすぶっていますが、以前に比べればおとなしいようです。一方、民主党は2016年11月の大統領選で敗れてから党勢を回復できず、反トランプの受け皿になりきれていないのが実情です。共和党が上下両院で現行の議席を守ることができれば、政治情勢の安定化が好感され、株高を通じてドル買いを後押しするかもしれません。 問題は、トランプ大統領の保護主義的な通商政策です。年初から打ち出している鉄鋼・アルミ製品などの輸入制限は、国内の雇用確保を目的とした「政策」であるとして、同大統領は強硬姿勢を貫いています。これは目下最大の懸念材料で、株売り・ドル売りを誘発。ただ、トランプ大統領のツイートには株式市場への言及も時折みられますが、株高を自慢してきた同大統領が、わざわざ株価を下げるような政策を推進させるとは考えられません。 したがって、これまでの対中国、対欧州連合(EU)への強硬姿勢はこの先トーンダウンすると予想されます。切り札は、朝鮮戦争の終結宣言です。年内に中国などを含む関係国との協議が進むなら、メディアのトランプ批判も後退するのではないでしょうか。 《SK》
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