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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、トランプ政権のTPP見直しに警戒も

2018/4/13 17:25 FISCO
*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、トランプ政権のTPP見直しに警戒も 13日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。米トランプ政権が保護主義的な通商政策を改める方針との観測から、ドル買いに振れやすい見通し。ただ、それには懐疑的な見方もある。また、節目の108円が意識され、利益確定売りも見込まれる。 複数の報道によると、トランプ大統領は前日の議会メンバーとの会合で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱方針を改めて復帰を検討するよう、ライトハイザー通商代表部(USTR)代表とクドロー国家経済会議(NEC)委員長に指示した。保護主義的な貿易スタンスに傾倒していたトランプ政権の方針転換を市場は好感し、本日のアジア市場でドル・円は日経平均株価の堅調地合いを手がかりに107円半ばまで値を切り上げている。 ただ、トランプ大統領は「オバマ前大統領への提示より良い内容ならTPPに復帰」という方針だが、国益最優先の考え方に変わりはなく、なお紆余曲折が予想される。また、シリア情勢など地政学リスクも残り、円買いセンチメントは継続しており、アジア市場でのドル・円は緩やかな上昇になっている。2017年には何度もサポートされた重要な水準である節目の108円を回復できなければ、目先も下落基調が続くだろう。 そうしたなか、今晩は米国の4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値と2月JOLT求人件数の発表、そして、ボストン、セントルイス、ダラスの3地区連銀総裁による講演が材料視される。経済指標はいずれも前回を下回ると予想され、株安・長期金利低下を通じてドル売りに反応しそうだ。また、来週の日米首脳会談では日本の金融政策や円相場に言及する可能性があるとの警戒も、積極的なドル買いを抑制する要因となろう。(吉池 威) 【今日の欧米市場の予定】 ・18:00 ユーロ圏・2月貿易収支(1月:+33億ユーロ) ・21:00 ローゼングレン米ボストン連銀総裁講演(経済見通し) ・22:00 ブラード米セントルイス連銀総裁講演 ・23:00 米・4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:100.5、3月:101.4) ・23:00 米・2月JOLT求人件数(予想:602.4万件、1月:631.2万件) ・02:00 カプラン米ダラス連銀総裁講演 《FA》