マーケット
11/29 15:15
38,208.03
-141.03
44,910.65
+188.59
暗号資産
FISCO BTC Index
11/30 8:42:30
14,616,466
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

【FISCOソーシャルレポーター】Hama:「円高」に逆行する「株高」の裏には何がある!?

2017/10/19 11:06 FISCO
*11:06JST 【FISCOソーシャルレポーター】Hama:「円高」に逆行する「株高」の裏には何がある!? 以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家Hama氏(ブログ「実践で学ぶ、負けない現代株式投資」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。 ---- ※2017年10月18日10時に執筆 「実践で学ぶ、負けない現代株式投資」のHamaでございます。 フィスコ・ソーシャルレポーターに任命されて本日でちょうど半年となりますが、改めまして、今後も基礎的な投資教育の普及を念頭に置きながら、投資初心者の方に向け配信して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。 年度前半の日本市場は今一つ冴えませんでしたが、年度の折り返しとともに日経平均株価は急上昇となっています。 これまで、「株価上昇の背景には、衆院解散・総選挙と企業業績への期待がある」と書いてきましたが、衆院選も最終局面に近づく中、本日着目するのは「企業業績」について。 特に、日本企業の「稼ぐ力」について、初心者の方に目線を合わせて書いてみたいと思います。 その前に、ここ最近の相場に目を向けておきましょう。先週月曜日は体育の日で休場でしたが、10月10日(火)から10月16日(火)までの一週間。為替は5営業日連続で円高に動きました。しかし、この間日経平均、TOPIXともに5営業日連続で上昇しています。 円高・株安、円安・株高というのが一般的な理解となっている中、相場に携わる人間のほとんどが、何となく違和感を感じる現象となっています。 敢えて基本的な話をしておきますが、日本は資源が無いため、外国から原材料を輸入し、高い技術力によって優秀な製品を作り出して輸出する。 いわゆる製造業・輸出産業が国の経済を支えてきました。 従って、例えば米国への輸出により「ドル」で売り上げた製品の儲けは、円に換算して考えた場合、1ドル100円よりも、1ドル110円の方が当然利益が増えることになります。 欧州なら「ドル」が「ユーロ」に変わるだけです。 従って、円安であれば製造・輸出産業の業績は上向き、円高であれば業績が下向く、というのがいわば常識となっています。 「そんなことは誰でもわかってる」と言われそうですが、先週からの株価はそのように反応していません。 では、為替が1ドル100円の場合と、1ドル101円の場合では、日本企業の儲けはどの程度違ってくるのでしょうか? 様々な試算がありますが、私の手元の計算では、今から約2年ほど遡った2015年末時点では、為替が1円だけ円高に動くと、日経平均を構成する企業の業績は約1.35%ほど悪化する状況でした。この変化を日経平均株価にすると、当時でおよそ250円程度の変化に相当する計算となります。 それが、2017年初頭においては、為替が1円だけ円高に動いても、企業業績は0.9%程度の変化にまで抑えられる状況となっています。これは日経平均株価にすると、約150円ほどの変化に相当します。 おそらく直近のデータで計算すれば、企業業績はさらに為替の変化を受けにくくなっているものと推察されます。 もっとも、円高で株価が下がる関係、つまりドル円と日経平均株価が「順相関」の関係にあるのは2006年以降の話であり、それ以前の約10年間は、円高局面では株価が上昇する「逆相関」の関係にありました。 話しがどんどん派生してしまいますので戻りますが、要するに、昨今の日本企業の構造改革により、為替の変化に対して業績への影響を受けにくい企業体質が構築され、日本企業の「稼ぐ力」は日増しに増大しているということです。 企業の「収益力」を示す一つの指標であるROA(総資産利益率)は米国を追い抜いてしまい、国際競争力を増す日本企業に対して、外国人の見方は徐々に変化していると思われます。 先週の、円高に逆行する株高の背景には、「衆院選」の効果もありますが、10月下旬から始まる2Q決算を控えた「円高でも稼げる日本企業」に対する外国人の見直し買いが入っていると思われます。 とはいうものの、短期的には、株価は高値圏に位置しており、先週お伝えした「日経平均株価適正水準」に対する乖離率は、昨日時点で目安の+7%に迫る状況となっています。 様々な指標から判断する限り、衆院選前の株高は最終局面にあると見られ、ここから先は「頭と尻尾」の「頭」の部分だと考えています。 企業の「稼ぐ力」を見た場合、中・長期的な株高を吟味する余地がありますが、株価の高い、安いを判断する「水準」から言えば、直近の日経平均株価は、既に期待されている2Q決算を部分的に織り込んでいるであろう株価水準と言えます。 そういう意味では、利益が出ている買い玉は、ここから株価が上昇しようとも、欲をかかずに一旦「利食い千人力」が、長い相場人生を生き抜く基本と言えそうです。 株式投資は「森を見て、木を見る」ことが極めて重要。日々の指標から相場の姿を読み取り、全体相場を把握した上で、個別の銘柄を吟味することです。 当ブログでは投資初心者の方のために、「森を見る」ための力を養う「基礎投資学習ツール」と有望な個別銘柄を毎日を抽出する「Stocks」用意しています。 「基礎投資学習ツール」は、全体相場の天底を判定するなどの実践的な機能も備えていますので、興味のある方はブログ「実践で学ぶ、負けない現代株式投資」からお問い合わせください。 それでは、「実践で学ぶ、負けない現代株式投資」ブログにてお待ちしております。 ---- 執筆者名:Hama ブログ名:実践で学ぶ、負けない現代株式投資 《WA》