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にわかに注目を浴びるFTLP、インフレには将来の増税を予想させない財政拡張が必要

2017/2/27 9:48 FISCO
*09:48JST にわかに注目を浴びるFTLP、インフレには将来の増税を予想させない財政拡張が必要 FTPL(Fiscal Theory pf the Price Level)が、ここにきてにわかに注目を浴びてきている。FTPLとは、国の財政の先行きを人々がどう見るかによって物価水準が上下するという、物価水準の財政理論である。米国においてFTPLの存在感が増すにつれて、日本でも注目されはじめてきているものだ。日本では、早稲田大学大学院の岩村充教授がいち早くこの理論に着目し、FTPLに名目金利の効果を組み合わせるという独自のモデルへの発展も展開させている。 国は資金調達が自国通貨建てであるならば倒産しないことが、FTPLの根底にある。財政力が極端に低下しても、倒産の代わりにインフレが起こって実質的な債務負担が低下し、それで済んでしまうことになる。政府債務の時価を物価水準が調整する形となる。そして、物価水準を上下させるのは、財政赤字などの数字の変化ではなく、人々の財政運営への「見方の変化」であるとされている。 単に減税や政府支出の拡大で財政拡張したとしても、人々が政府はいずれ増税するはずだと考えれば、財政への見方は変わらず、現在と将来を通じてみた物価の「水準」には影響がない。そのため、岩村充教授は、「物価上昇につなげるには将来の増税を予想させない財政拡張が必要になる」と指摘している。また、金融引き締めはインフレ圧力の先送りにつながるとしており、そこに名目金利の引き上げを組み合わせれば、緩やかな物価上昇を実現できることになるとしている。 なお、早稲田大学イノベーション・ファイナンス国際研究所が主催する「今、金融政策を語る」が3月3日に開催されるが、ここで岩村充教授が登壇して、FTPL理論の大枠や適用可能性を解説する予定となっている。 《WA》