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NYの視点:FOMCで来年の利上げペース探る、市場の見通しがFRBを上回る

2016/12/14 7:23 FISCO
*07:23JST NYの視点:FOMCで来年の利上げペース探る、市場の見通しがFRBを上回る 米連邦準備制度理事会(FRB)は13−14日の2日間、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催している。今回の会合でFOMCは政策金利のFF金利誘導目標を現行の0.25−0.50%から0.50−0.75%へ25bp引き上げる公算。 今回の会合では来年の利上げ軌道を探ることになる。四半期に一度発表されるスタッフの金利見通しに加え、イエレン議長の会見では景気や雇用の現状判断、インフレ見通しに焦点が集まる。さらに、トランプ次期政権が掲げている大規模な財政拡大、減税などが金融政策に与える影響などの見解にも焦点が集まる。イエレンFRB議長は失業率が低下する中、大規模な財政の必要性ないとの見解を示している。 現状ではトランプ次期政権はまだ発足もしておらず、FOMCが財政刺激策の影響を測ることは不可能。従って、景気見通しに大きな修正はないと見る。2017年度の利上げペースも、ほぼ2016年と同様で、1回または2回の利上げに留まる見通し。新政権が大規模な景気刺激策を実施したとしても、効果がでるのは2018年以降と見られている。 経済専門局CNBCがFOMCを控えた8日、9日に46名のエコノミスト、ファンドマネジャー、アナリストを対象に実施した世論調査によると、回答者はFOMCの一段と積極的な利上げを予想していることが明らかになった。一方で、市場がトランプ次期大統領の政策に楽観的過ぎると見ていることが明らかになった。まだまだ不透明性が強いとの見方。ただ、回答者の88%は成長見通しをいくらかでも引き上げると回答。93%の回答者はトランプ次期大統領が掲げている政策がインフレを押し上げる可能性があるとしたが、94%は同時に財政赤字を著しく拡大させると指摘した。トランプ次期政権発足した来年2月以降に、成長が期待ほど引き上げられないことに気づくことになるだろうとの指摘もある。 回答者の96%が12月のFOMCでの利上げを予想。44%が次回の利上げが2017年5月に実施されると見ている。利上げを終了する水準は2.9%と、前回調査2.4%から大幅に引き上げ。2014年8月に調査開始以降で最大幅の引き上げだという。利上げ終了時期は2019年第2四半期で、前回の2019年第1四半期から先送りされた。金利見通しは大幅に引き上げられた。市場は2017年2回の利上げを予想。今まで、市場の見通しは常にFOMCの見通しを下回っていたが、ここにきて、FOMCの見通しを上回ったことに注目。市場に楽観的な見方が広がったた証拠となる。FRBの最大のリスクは財政政策の修正を時期尚早に織り込み、過剰に引き締めを行うことだと指摘された。 回答者は国内総生産(GDP)の成長見通しも引きあげた。2017年は2.6%と、前回2.2%から引き上げ。米国がリセッションに陥る確率も18.1%と、2015年7月来で最低となった。経済の脅威は保護貿易と、今まで最も懸念されていた世界経済の弱さを上回った。10名の回答者のうち6名の回答者は、トランプ次期大統領が海外に雇用を移す企業に対し35%の課税を課すことは不可能と見ているほか、多くは成長を妨げると懸念している。 また、注目はイエレンFRB議長の進退。議長はいまのところ2018年の任期まで残留する意向を表明している。しかし、市場の80%以上はトランプ次期大統領がイエレンFRB議長を再任しないと見ている。次期FRB議長候補としては、テイラールールを提唱したジョン・テイラー氏(38%)や、元FRB理事のケビン・ウォルシュ氏(14%)などが挙げられた。 ■FOMC利上げ見通し 16年12月:96% 17年 5月:44% ■金利見通し 2017年:1.26%(1.1%) 2018年:2.10%(1.7%) 2019年:2.70%(2.2%) ■利上げを終了する水準 2.9%(前回調査2.4%) ■利上げ終了時期 2019年第2四半期(前回調査:2019年第1四半期) ■米10年債利回り 2017年末:2.9%(前回調査2.25%) 2018年末:3.44% ■国内総生産(GDP) 2017年:2.6%(前回2.2%) 2018年:2.8% ■インフレ 2017年:2.4% 2018年:2.6% ■米国がリセッションに陥る確率 18.1%(2015年7月来で最低) ■経済の脅威 保護貿易:28%(前回5%) 世界経済の弱さ:19%(32%) 税制・規制政策:9%(27%) ■イエレンFRB議長が再任される可能性 いいえ(82%) はい(11%) ■フィッシャー米FRB副議長が再任される可能性 いいえ(49%) はい(31%) ■イエレンFRB議長の後任候補 ジョン・テイラー氏(38%)テイラールールを提唱 わからない(22%) ケビン・ウォルシュ氏(14%)前FRB理事 パウエルFRB理事(3%) フィッシャー前米ダラス連銀総裁(3%) (出所:CNBC) 《NO》