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来週の相場で注目すべき3つのポイント:東京ゲームショウ、日銀ETF、フィンテック

2016/9/10 18:53 FISCO
*18:53JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:東京ゲームショウ、日銀ETF、フィンテック ■株式相場見通し 予想レンジ:上限17200-下限16700円 来週は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうである。9日の米国株式相場はNYダウが400ドル近い下落となるなか、週初の日経平均は25日線辺りでの攻防を余儀なくされそうである。ボストン連銀総裁が利上げに前向きの姿勢を示したことが下落要因となったが、米国の利上げ時期に対する思惑から不安定な状況が続くなか、週初にはアトランタ連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁、ブレイナードFRB理事の講演が予定されている。利上げに対するタカ派発言も出やすいだろう。 15日には米小売売上高、米生産者物価指数、米鉱工業生産などの経済指標の発表も予定されており、ここでも利上げを巡る思惑が高まりやすく、結果に振らされやすい相場展開になりやすい。結局のところは翌週、20日・21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは強弱感が対立しやすく、やや波乱含みの局面がありそうだ。 利上げ観測の高まりはドル高・円安に向かわせようが、海外勢のポジション調整に伴う売り圧力が主力株を中心に上値の重しになりかねない。また、国内についても日銀は20日・21日に異次元緩和の「総括的な検証」を実施する金融政策決定会合を予定している。期待感というよりは、イベント前で次第に様子見ムードが強まる可能性が高そうだ。 とはいえ、下値の高さも意識されるだろう。日銀の指数連動型の上場投資信託(ETF)買入れに対して、規模や期間等から買い遅れ感が指摘されるなか、7日にはETFを733億円買い入れたと発表。これまでの1日あたりの買い入れ規模707億円から増額したほか、設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETFも12億円買い入れた。取得額の増加によって、より需給の下支え意識から売り込みづらくなり、底堅さが意識されてくることになりそうだ。 その中で個人主体の売買は、足元で動意をみせてきている新興市場の中小型株にシフトしやすいだろう。先回り的な売買から買い疲れ感もあろうが、「東京ゲームショウ2016」開幕(15日から18日まで)を手掛かりとしたテーマ株物色に向かわせることになりそうだ。なお、昨年のゲームショウ2015での「大賞」は、「妖怪ウォッチ2 元祖/本家/真打」であり、ゲームデザイナーズ大賞には、「Ingress」が選出されていた。「Ingress」といえばポケモンGOを手掛けたNIANTIC社の位置ゲームである。今年はポケモンGOが大賞となる可能性が高く、AR/VR関連への支援材料になることだろう。 また、先週はフィンテック事業を手掛ける企業への投資が急増しているとの報道等もあり、フィンテック関連を見直す流れがみられていた。地方銀行の間では、銀行どうしが連携して取り組む動きが強まっている。フィンテック関連といえば、昨年末に急騰し、年前半にピークを付け、その後調整が長期化している銘柄が多い。個人主体の中小型株物色に向かうなか、出遅れ感の強いテーマ株として見直しの流れが強まる可能性がありそうだ。 ■為替市場見通し 来週のドル・円は、 今週は米主要経済指標(8月小売売上高、8月生産者物価指数、8月鉱工業生産指数、8月消費者物価指数、9月ミシガン大学消費者態度指数など)の発表が予定されており、ドル・円の取引における有力な手がかり材料になる。個人消費の動向を示す8月小売売上高は前月比マイナスと予想されている。7月は横ばいだったことから、個人消費の停滞が懸念されている。8月小売売上高が市場予想を下回った場合、9月利上げの可能性は消滅するとの見方が多いようだ。 日本銀行による追加金融緩和への期待は残されているものの、マイナス金利拡大は金融機関の収益圧迫につながる懸念があることから、株式市場にも悪影響を及ぼす。米国株式がさらに下落した場合、日銀による追加緩和期待は一層高まると予想されるが、日本株が大きく下げた場合、追加緩和観測はドル・円相場に対する強力な支援材料にはならないとみられる。 なお、原油先物が再上昇した場合、米物価上昇期待がやや高まるとの見方があるが、主要経済指標で経済情勢の悪化が示された場合、早期利上げは極めて困難になるとの見方は変わっていない。そのため、原油高がリスク選好的なドル買い・円売りを促す可能性はやや低いとみられる。 ■来週の注目スケジュール 9月12日(月):機械受注、工作機械受注、米アトランタ連銀総裁が講演など 9月13日(火):法人企業景気予測調査、ソニーPSカンファレンス、中・小売売上高など 9月14日(水):マンション発売、串カツ田中上場、米MBA住宅ローン申請指数など 9月15日(木):東京ゲームショウ、米小売売上高、BOE政策金利など 9月16日(金):米ミシガン大学消費者信頼感指数、ノムラシステム上場など 《TM》