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米国株式市場見通し:経済指標の良し悪しで利上げ開始時期が意識される展開

2015/6/20 15:21 FISCO
*15:21JST 米国株式市場見通し:経済指標の良し悪しで利上げ開始時期が意識される展開 週初は、ギリシャと欧州連合(EU)との交渉が決裂し、債務不履行に陥る可能性が高まったことから欧州株が全面安となり売りが先行。しかし、6月NAHB住宅市場指数が上振れたことで下げ幅を縮小する展開となった。週半ばに入り、連邦公開市場委員会 (FOMC)やギリシャ債務問題の協議結果を見極めたいとの思惑から手控えムードとなる中、5月建設許可件数が予想を上振れたことが好感され上昇。FOMCでは年内の利上げ可能性について言及されたものの、成長率予測を下方修正したほか、利上げのペースが緩やかなものになるとの見解が示され、FOMCの発表をきっかけに株価は堅調推移となった。週末にかけて、週間新規失業保険申請件数が予想より減少したほか、5月消費者物価指数(CPI)が前月より大きく上昇したことが好感され、ナスダック総合指数が過去最高値を更新する場面もあったが、ギリシャ債務問題への懸念が根強く上げ幅を縮小した。結局、週を通じて主要株価は上昇。 医療保険大手アンセムは、同業シグナへの買収提案が報じられ、両社とも上昇。薬剤給付管理会社のCVSヘルスは、ディスカウントストアのターゲットの薬局事業を19億ドルで買収することが報じられ、買われた。アパレルのギャップは、不採算の175店舗を閉鎖する計画を発表し堅調推移。旅行口コミサイトのトリップアドバイザーは、高級ホテルのマリオット・インターナショナルとの提携拡大が好感され、急騰。コーヒーチェーンのスターバックスは、買収したベーカリー・チェーンのラ・ブーランジェの全店閉鎖を発表し、堅調推移。一方で、中国電子商取引のアリババ・グループは、台湾の電子機器メーカーである鴻海精密工業と共同し、インドのインターネット通販大手スナップディールに約5億ドルの出資を行うことが報じられ下落。運送会社のフェデックスは、決算内容が嫌気され軟調推移。 先週開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)で、イエレンFRB議長は、初回の利上げのタイミングが必要以上に重視されていることを牽制しつつ、引き続き相当期間に渡って利上げのペースが緩やかなものになるとの見解を示した。今後、数ヶ月連続で予想を上回る経済指標を確認できなければ、年内の利上げとなる可能性は低い。今週は、経済指標の良し悪しによって利上げ開始時期が意識される展開となるだろう。 経済指標では、5月中古住宅販売件数(22日)や5月新築住宅販売件数(23日)、4月FHFA住宅価格指数(23日)などの住宅関連指標に加えて、5月耐久財受注(23日)や5月製造業受注(23日)、1-3月GDP確報値(24日)、5月個人所得・支出(25日)などが予定されている。先週、住宅建設業者の景況感を示すNAHB住宅市場指数が9ヶ月ぶりの高水準となったほか、今後6ヶ月の販売見通しも05年10月以来の高水準となり住宅建設銘柄が上昇したことから、引き続き住宅関連指標に注目が集まる。 個別企業では、住宅メーカーのレナー(24日)、遺伝子組み換え種子の生産・販売のモンサント(24日)、家庭用品小売のベッド・バス&ビヨンド(24日)、スポーツ用品のナイキ(25日)、半導体のマイクロンテクノロジー(25日)などの決算発表が予定されている。ベッド・バス&ビヨンドは、クーポンによる販促活動によって値引率が上昇している為、粗利益率の低下が予想される。 ギリシャへの金融支援を巡る交渉は、18日開催されたユーロ圏財務相会合でギリシャと欧州連合(EU)が合意に至らなかったことを受け、22日に緊急首脳会議が開催されることになった。6月末までにギリシャとEU間で合意がされなければ、債務不履行(デフォルト)となる。同国が債務不履行となった場合、ユーロ圏内のスペインやイタリアの国債市場へ不安が伝播するリスクはあるが、前回のギリシャ危機と比べると、周辺国の財政緊縮や経済回復が進捗している為、連鎖的な国債売りに繋がる可能性は低いだろう。米国株式相場もギリシャのデフォルトの可能性は相当程度織り込みつつあるが、デフォルトの有無よりも、ギリシャ債務問題を巡る不透明感を何よりも嫌気しており、6月末の期限までは投資家も積極的な売買を控える可能性が高そうだ。 (Horiko Capital Management LLC) 《TN》