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米国株式市場見通し:雇用統計控えて主要経済指標に注目
2015/5/23 21:44
FISCO
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*21:44JST 米国株式市場見通し:雇用統計控えて主要経済指標に注目 週初はシカゴ連銀総裁の発言で早期利上げ観測が後退したことが好感され上昇し、ダウとS&P500指数は過去最高値を更新した。週半ばに入り、4月住宅着工件数・建設許可件数が市場予想を上振れたほか、欧州中央銀行(ECB)理事の発言を受けて欧州株が全面高となったことで米国株も概ね堅調推移となったものの、小売大手の冴えない決算や航空会社の業績不安、ゴールドマン・サックスによる原油価格の見通し引き下げを受け、揉み合う展開となった。その後FOMC議事録で多くの関係者が6月の利上げの可能性が低いと判断したことが明らかになると、一時買われる場面もあったが、売りに押された。週末にかけては、4月景気先行指数が予想を大きく上振れたことをきっかけに上昇。NY原油先物相場の上昇を受けてエネルギーセクターが堅調推移となったが、4月消費者物価指数を受けてやや早期利上げへの警戒感が強まった。結局、週を通じてナスダック総合指数とS&P500指数が上昇する一方で、ダウは下落した。 半導体のアルテラは同業インテルが買収交渉を再開したとの報道から上昇。カード決済ネットワークのマスターカードは一部アナリストによる投資判断引き上げを受け、堅調推移。コーヒーチェーンのスターバックスは、音楽ストリーミングサービスのスポティファイとの提携が報じられ、買われた。ケーブルテレビのタイム・ワーナー・ケーブルは、ルクセンブルクの同業アルティスによる買収観測が報じられ上昇。クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォースは好決算を発表して堅調推移。薬剤給付管理会社のCVSヘルスは、同業オムニケアとの買収合意が報じられ、両社ともに買われた。一方でディスカウントストアのウォルマートは決算内容が市場予想を下回り、下落。航空会社のサウスウエスト・エアラインズは、一部アナリストが同社の事業拡大案を不安視していることが報じられ下落したほか、アメリカン航空も16年に利益率が低下するとの報道から軟調推移となった。 25日(月曜日)はメモリアルデーの祝日のため、米国株式相場は休場となる。再来週発表される5月雇用統計を見据えて、経済指標の内容次第で相場が変動する展開となるだろう。26日に発表が予定されている4月耐久財受注は、原油価格下落によるエネルギー関連企業の活動縮小やドル高による輸出企業への影響で、前月時点でコア資本財受注が7ヶ月連続のマイナスとなったが、自動車産業などで設備投資の拡大が見られるかどうかが焦点となる。また、1-3月期GDP成長率(改定値)はマイナス成長へ下方修正が予想されているものの、4月以降の経済指標には復調の兆しが見られており、予想ほど悪化しない可能性もある。 個別企業では、住宅メーカーのトールブラザーズ(27日)、倉庫型卸売のコストコ・ホールセール(27日)、宝飾品のティファニー(27日)、アパレルのアバクロンビー&フィッチ(28日)などの決算発表が予定されている。アバクロンビー&フィッチは、競合のアーバン・アウトフィッターズやギャップなどが発表した決算が予想を下回り株価が下落したこともあり、警戒感が広がっている。 経済指標では4月耐久財受注(26日)、3月FHFA住宅価格指数(26日)、4月新築住宅販売件数(26日)、5月消費者信頼感指数(26日)、1-3月期GDP改定値(29日)、5月シカゴ購買部協会景気指数(29日)などの発表が予定されている。先週、4月住宅着工件数が市場予想を上回り、07年11月以来の高水準となったことから新築住宅販売件数も3月の落ち込みから改善しているか注目したい。27~29日はドイツでG20財務相・中銀総裁会議が開催される。 米国では毎年5月のメモリアルデーの祝日頃からから9月のレイバー・デーの祝日頃にかけて、ガソリン需要が増大する傾向があり、「ドライビングシーズン」と呼ばれる。今年はガソリンが比較的安値であることに加え、雇用市場が改善しているため、休暇中に遠出する計画を立てる人が増えているようだ。全米自動車協会(AAA)の予想では、メモリアルデー含む今週末の連休に自宅から50マイル以上離れた場所に旅行する人は前年比4.7%増の約3,720万人と、10年ぶりの高水準に達すると予想されている。この中には自動車だけでなく、飛行機、船舶、鉄道、バスを利用する旅行者も含まれる。AAAが発表した22日時点の全米平均レギュラー・ガソリン価格は1ガロン2.735ドルと前年同期比で約25%も安価である為、旅行先での個人消費も増加する可能性が高い。この連休は、今後の景気回復を占う良い機会となりそうだ。 (Horiko Capital Management LLC) 《TN》
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