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*01:40JST 米国株式市場見通し：1-3月期決算発表が本格化、減益見通しに警戒感 連休中に発表された3月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく下回ったことから売りが先行したものの、利上げのタイミングが先延ばしとなる可能性を好感する見方が優勢となったほか、連銀関係者が相次ぎ利上げに慎重な発言を行ったことで上昇に転じた。週半ばに入り、エネルギーセクターでの大型買収が好感され、上昇。FOMC議事録で、数人の委員が6月での利上げを支持したとの内容が嫌気され、一時下落する場面もあったが、FOMC後の雇用統計で早期利上げの可能性は大きく後退したと見る向きが多く、再び上昇に転じる展開となった。週末にかけてアルコアの決算が低調であったことで、本格化する1-3月期決算への警戒感から下落する場面もあったが、複合企業のゼネラル・エレクトリックが事業再編案を発表したことが株価を押し上げた。結局、週を通じて主要株価指数は上昇した。 電気自動車のテスラ・モーターズは、第1四半期の販売台数が1万台を上回ったことを発表し上昇。運送会社のフェデックスはオランダの同業TNTエクスプレスを約48億ドルで買収する方針を明らかにしたことで、堅調推移となった。動画ストリーミングのネットフリックスは、一部アナリストが決算に強気の見通しを示したことが好感され上昇。アルコール飲料のコンステレーション・ブランズは、決算内容が好感されたほか1973年の上場後初めてとなる配当実施を明らかにし、買われた。複合企業のゼネラル・エレクトリックは金融部門の大幅縮小などの事業再編案を発表したことで上昇した。一方で、非鉄のアルコアと家庭用品小売のベッド・バス・アンド・ビヨンドは、決算内容が嫌気され、下落。会員制卸売のコストコ・ホールセールは、3月既存店売上高の落ち込みを受け売られた。 今週から1-3月期決算発表シーズンが本格化する。先週、非鉄のアルコアがいち早く決算を発表したものの、売上高が市場予想をやや下ぶれたことで株価は軟調推移となった。特に原油価格の下落とドル高の影響が米国大手企業の業績に与える影響が懸念されている。 ファクトセット社の調査によれば、1-3月期のS&P500構成銘柄の利益は昨年末時点で前年同期比4.3％の増加が予想されていたものの、10日時点では同比4.8％の減益予想となっている。予想通りであった場合、2009年第3四半期の15.5％減以来の大幅な減益となる。最大の要因は原油価格の急落を受けたエネルギーセクターで、前年同期比約65％の減益が予想されている。一方でヘルスケアや金融セクターは、それぞれ11％、8％の利益成長が予想されているものの全体をプラス成長に押し上げるには力不足だ。また一般的に、S&P500構成銘柄のような大手企業ほど海外での事業展開や海外売上比率が高く、ドル高の影響がマイナスに作用することにも注意が必要だ。 金融では大手行のウェルズ・ファーゴ（14日）、JPモルガンチェース（14日）、バンク・オブ・アメリカ（15日）、シティグループ(16日)、投資銀行のゴールドマン・サックス（16日）などの決算発表が予定されている。ゴールドマンサックスは債券トレーディングでの増収が予想されており、債券収入のシェアで4年ぶりに首位となる可能性が高い。債券トレーディングは業界全体でも過去5年のうち4年で減少してきたこともあり、各社決算の明暗を分けることになりそうだ。 ハイテクでは、半導体のインテル（14日）やAMD(16日)、動画ストリーミングのネットフリックス(15日)、フラッシュメモリのサンディスク（15日）などの決算発表が予定されている。インテルの決算では「Windows XP」のサポート終了に伴うPCの買い替えが進んでいるかどうかが焦点となりそうだ。その他のダウ構成銘柄では医薬品のジョンソン＆ジョンソン（14日）、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス（16日）、複合企業のゼネラル・エレクトリック（17日）の決算発表が予定されている。 経済指標では3月小売売上高（14日）、3月住宅着工件数（16日）、3月景気先行指数（17日）などの発表が予定されている。また15日にはECB理事会、16～17日はワシントンでのG20財務相・中銀総裁会議、そして17～19日にかけてはIMF世界銀行の春季総会が予定されている。 （Horiko Capital Management LLC） 《TN》