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米国株式市場見通し:企業決算とECB理事会に注目へ

2015/1/17 7:56 FISCO
*07:56JST 米国株式市場見通し:企業決算とECB理事会に注目へ ■先週の動き 週初はゴールドマン・サックスが原油価格の予想を引き下げたことなどで、原油価格が約5年9か月ぶりの安値を更新したことが嫌気され、エネルギー株を中心に売りが広がった。非鉄のアルコア決算が好調であったことや欧州のインフレ指標の低迷で、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測期待が高まったことが好感され、一時上昇する場面もあったが、原油先物が安値を更新したことや、米国政府がイスラム国への軍事的な対応強化を検討しているとの報道を嫌気して週半ばにかけても軟調推移となった。その後、12月小売売上高が前月比0.9%減と市場予想を下回ったことや、スイス中銀がスイスフランの対ユーロ上限目標を撤廃することを唐突に発表し、為替相場でのスイスフラン急伸で一部のヘッジファンドや投機筋が大きな損失を被ったとの見方が広がったことが嫌気された。大手行に冴えない決算が相次いだ事も下落要因となった。週末にかけてはスイスフランの上限撤廃による売りが一巡し、原油価格も上昇に転じたことから、株式相場も緩やかに反発する展開となった。結局、週を通じて主要株式指数は下落。 フラッシュメモリのサンディスクは決算内容が予想を下回ったことで下落。宝飾品のティファニーは2015年1月期の通期見通しを引き下げ売られた。住宅金融サービスのOcwenファイナンシャルはカリフォルニア州によるライセンスの一時停止を報じられ下落。大手行JPモルガン・チェースは四半期決算が予想を下回り下落。電気自動車のテスラ・モーターズはCEOが同社の収益性が2020年まで改善されないことや中国市場における前四半期の売上高が下落したことを明らかにし、売られた。一方で鉱山会社のニューモント・マイニングは金相場の上昇を受け、堅調推移となった。 ■今週の見通し 19日はマーティン・ルーサー・キング・デーの祝日となり米国株式相場は休場となる。主要企業の10−12月期決算が本格化するものの、22日の欧州中央銀行(ECB)理事会や25日のギリシャの総選挙など重要イベントの結果を見極めたいとの思惑が広がりそうだ。 連休明けの20日はオバマ大統領による一般教書演説が実施される。現在、米議会では与野党で移民問題やエネルギー政策などで意見が異なっているが、原油価格が急落している中で、大統領がシェールガス等のエネルギーの自立に言及するかどうかが注目される。政府支出に関しては、中国の軍事的台頭や北朝鮮のサイバーテロ、イスラム国やフランスでのテロを背景に、大統領が国防費削減幅を抑える姿勢をみせれば、防衛関連企業にとって支援材料となるであろう。 今週も多数の10−12月期決算が控えている。航空会社のデルタ航空(20日)、ITサービスのIBM(20日)、製薬のジョンソン&ジョンソン(20日)、投資銀行のモルガン・スタンレー(20日)、動画ストリーミングのネットフリックス(20日)、ネットオークションのイーベイ(21日)、医療保険のユナイテッドヘルス(21日)、自動車部品のジョンソン・コントロール(22日)、ファストフードのマクドナルド(22日)、通信のベライゾン(VZ)などの決算発表が予定されている。IBMは7−9月期決算が予想を大幅に下回ったことで急落となり、10−12月期も前年同期比で10%以上の減益が予想されている。昨年アップルと提携し、iPadなどの端末向けにビジネス向けアプリの提供を開始しており、業績への好影響を確認できるか注目したい。 経済指標では12月建設許可件数(21日)と12月住宅着工件数(21日)の発表が予定されている。原油価格の大幅下落により石油・ガス生産に依存する米国南部地域での景気減速が住宅着工件数の減少につながる可能性が指摘されている。 スイス国立銀行が15日、対ユーロでのスイスフランの上昇を抑えるため導入していた無制限介入を終了し、1ユーロ=1.20スイスフランの上限を撤廃したことが市場に波紋を広げた。既にイギリスやアメリカの外国為替証拠金取引業者が、顧客の損失の肩代わりを余儀なくされ資本不足や破綻に陥る例が散見されており、金融システム全体に影響が波及しないかどうか、慎重に見極める必要があるだろう。 ただし、欧州中央銀行が22日の理事会で量的緩和に踏み切る可能性は一段と強まったと考えて良いだろう。欧州で量的緩和が実行され、ギリシャ総選挙のイベントが通過すれば株式相場も素直に好感する可能性が高い。 《KO》