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NYの視点:景気回復ペースに警戒も、デルタ変異株流行が重し

2021/8/20 7:41 FISCO
*07:41JST NYの視点:景気回復ペースに警戒も、デルタ変異株流行が重し 市場では、新型コロナウイルスデルタ変異株の流行が米国景気回復の重しになるとの見方が強まりつつある。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今週実施されたイベントで、デルタ株の経済への影響は不透明との見解を示している。 ゴールドマンサックスは米経済の第3四半期成長率見通しを従来の9%から5.5%に大幅下方修正した。。2021年の成長見通しも従来の6.4%から6%に引き下げ。新型コロナウイルスデルタ変異株の流行が予想を上回る威力で、供給の混乱が一段と拡大し、インフレを押し上げると見ている。コロナが終息せず、8月の外食、旅行や他のサービスにも影響を及ぼすと警戒。実際、航空会社も例年需要が高まる夏の観光シーズンピークとなる8月にキャンセルが増えたり、予約ペースが鈍化しているとしている。 8月のミシガン大消費者信頼感指数は予想外にパンデミックが始まった昨年3月を下回り、10年ぶり低水準に落ち込んだ。7月の小売り売上高も予想を下回った。消費は米国経済の7割を占める。消費の鈍化は回復を抑制しかねない。政府の財政支援により米国民の貯蓄率は依然高く、余剰資金は大きいと見られるが、消費マインドの悪化により、消費につながっていない。ゴールドマンは8月の消費も7月の1.1%減に続き、1%減を予想。 ハト派として知られるミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、自分の緩和縮小決定を巡り、新型コロナ変異株の流行の展開が重要になるとの考えを示している。FRBの大規模緩和は、年内の縮小に向けた軌道にある中、今後のコロナの状況が経済に与える影響を見極めていく。 《FA》