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NYの視点:トランプ大統領のほか米著名投資家もFOMCの追加利上げを警告

2018/12/18 7:40 FISCO
*07:40JST NYの視点:トランプ大統領のほか米著名投資家もFOMCの追加利上げを警告 米連邦準備制度理事会(FRB)が今週連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を予定している。米国の労働市場がひっ迫しているほか、消費も強く、インフレも安定しているため、FRBはこの会合で本年4度目の利上げに踏み切るというのが主なシナリオ。ただ、FOMC会合を控え、米国のトランプ大統領はツィートで、「非常に強いドル、事実上のゼロインフレ、フランスでは暴動、中国経済は鈍化するなど、世界中が弱まっている中で、連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げを検討していることは信じがたい」と、再びFOMCに警告した。 利上げを警告しているのはトランプ大統領だけではない。ここにきて、前FRB理事のケビンウォルシュ氏、米国の著名投資家ドラッケンミラー氏、新債券王とし知られる米ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)などが、利上げを見送るべきだと主張している。 ドラッケンミラー氏とケビンウォルシュ氏は週末のウォールストリートジャーナル紙の中での共同で執筆した論説で、経済の成長が減速し、市場が下落している際に、金利を引き上げ、流動性を引き締める「2重の襲撃」を中止すべきだ、と警告した。ドラッケンミラー氏は市場の下落は、それ自体がFRBへの警告だと指摘。実際株式相場は金利の上昇を警戒し、年初来安値付近の水準で推移した。両者は、米国経済が海外の減速からの影響を完全に回避することは不可能だと主張。ドラッケンミラー氏はジョージ・ソロス氏のクォンタムファンドを運用していたことでも有名。 ポール・チューダー・ジョーンズ氏もインタビューで、2019年通年でFOMCは利上げを見送ることになるだろうと、慎重な見通しを示した。商品価格の下落が経済の減速を脅かしていると語った。 さらに、新債券王とし知られる米ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)もCNBCとのインタビューで、FRBは12月会合で利上げをすべきではないと訴えた。 いずれの投資家もパウエルFRB議長は2007年‐2008年の金融危機時の金融政策を率いたパーナンキ元議長時に続き、非常に困難な舵取りに直面していると指摘している。 米金利先物市場での12月FOMC利上げ確率は66%。株安などを受けて、朝方の74%から低下した。FRBは市場にサプライズを与えることを回避する傾向にある。FRBが12月会合で果たして一番回避したい市場サプライズを与えるかどうかに焦点が集まる。 《CS》