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「アフリカは第二の中国、中南米は第三の中国に」紅いカネに懸念強まる

2018/3/5 7:43 FISCO
*07:43JST 「アフリカは第二の中国、中南米は第三の中国に」紅いカネに懸念強まる チリ政府は2月28日、6.5億米ドルを投じて、中国企業・ファーウェイ(華為技術・HUAWEI)に共同委託している2万キロ以上もの光ファイバー通信網プロジェクトの着工を正式に発表した。この通信網が敷かれるチリ南部は、南極へのハブ港でもあり、英米の科学研究所や軍事施設も点在する。専門家は、中国資本のインフラ構築は、ラテンアメリカのみならず米国の安全保障と戦略的利益を脅かす恐れがあると指摘している。 「FiberOpticProject」と名付けられたチリ南部の光ケーブル建設計画は、チリとアルゼンチンを含むパタゴニア地域に、光ケーブルを海底1ルート、地上2ルートで、計2万キロ以上敷く大規模な計画だ。 海底ルートを請け負うのは、現地通信大手コミュニケーション・ルーラル・テレフォニー(CRT)と、2017年秋までに入札に成功した、中国企業・華為技術(HUAWEI、ファーウェイ)傘下のファーウェイ・マリン(華為海洋)。 交通通信大臣パオラ・タピア・サラス(PaolaTapiaSalas)氏は現地メディアDiarioFinancieroのインタビューに対して「長らく環境整備に乏しかった南部にとって経済的、観光的、貿易の向上には、光ケーブル網電気通信を十分に強化することが必要」と述べた。工事期間は約26カ月と付け加えた。 現地メディアFayerWayerによると、海底3D地図を作成するため、ファーウェイ・マリンの管理する海底調査船を運航させる。ファーウェイ・マリンは声明で、同社の海底探査船には地質学者、エンジニア、CAD設計者など、専門家と科学者のチームが乗り合わせているとした。GPS、エコーサウンダー、地下深度計、地震反射システム、ソナーなど、船内には海底と地質を地図化する各種機器を備えているとアピールしている。 米上院議員、政府の華為・ZTE通信機器使用を禁じる法案提出 www.epochtimes.jp/2018/02/31151.html  アップルやIBMら米大手所属の業界団体、中国技術盗用を危惧=米公聴会 www.epochtimes.jp/2017/10/29190.html  いっぽう、南極に近いチリ南部の中国資本インフラ計画は、欧米の安全保障上の懸念があると指摘されている。南部都市プンタ・アレナス(PuntaArenas)は、南極地域の海運ハブ港があり、また米国と英国の科学研究と軍事施設が置かれている地区だ。 ファーウェイの現地法人がこのアレナスで、土地利用契約を行っていると、ラテンアメリカの政経情勢を調べるシンクタンク・安全自由社会センタ—(CenterforaSecureFreeSociety)が2月に発表した調査報告で指摘した。 米下院外交事務委員会アジア太平洋担当代表テッド・ヨーホー(TedYoho)氏は2月27日、ラテンアメリカにおける中国の影響力を議論する会議のなかで「米国のパートナーとの利益関係に影響をもたらしたとの例は数えきれない」と述べた。 *紅いカネで左傾化するラテンアメリカ「アフリカの二の舞に」 2月27日、ラテンアメリカにおける中国の影響力に関する討論会で、安全自由社会センタ—上級アナリスト、ボブ・メナンデス氏(向かって右)中国問題専門家ゴードン・チャン氏(左)(VOA) 専門家たちは、ラテンアメリカは中国資本の浸透が著しいアフリカの「二の舞になる」との懸念を相次ぎ示した。中国政府の「寄贈」として建設されたエチオピア首都アジスアベバに立つアフリカ連合(AU)本部の建物内にあるコンピューターには、中国政府へ情報を横流しするシステムが備わっていると、仏紙ルモンドが報じた。中国政府は報道内容を否定している。 中国問題専門家ゴードン・チャン(GordonChang・章家敦)氏は討論会で、「アフリカは第二の中国であると揶揄されている。しかし、今、ラテンアメリカが第三の中国となるような手法がとられている」「ラテンアメリカがどのように変わっていくか、アフリカを見ればわかる」と危惧を示した。 合わせて読みたい:中国版・紅白歌合戦、検索ブロックされたキーワード「口パク」「滑稽」 www.epochtimes.jp/2018/02/31335.html  長年、ラテンアメリカにおける中国の投資動向を調べる安全自由社会センタ—上級アナリスト、フェルナンド・メナンデス(FernandoMenendez)氏は、「中国のラテンアメリカへの大規模投資に関する情報はよく見るが、その狙いはあまり報じられていない」とし、中南米における中国の存在を、単に経済的な影響力とみなすことは大きな間違いであると述べた。 同氏によると、ラテンアメリカと友好的な繋がりを強化させるため、中国共産党は現地社会を左翼と反米に傾かせているという。「ラテンアメリカで、もしピンク・タイド(赤化、共産主義化)が起こらなければ、中国は真に興味を抱かないだろう」 メナンデス氏によると、例えばベネズエラのウゴ・チャベス氏、ニコラス・マドゥロ氏、ブラジルのルイス・ルラ氏、ジルマ・ルセフ氏、アルゼンチンのネストル・キルチネル氏の各政権は共通して反米だった。その戦略目標は、キューバのように、南米と北米の対立を深めることだったという。 「これら中南米諸国を利用して、中国は、アメリカ大陸ひいてはグローバルバランスから、米国の力を抑え込もうとしている」と指摘した。 (翻訳編集・佐渡道世) 【ニュース提供・大紀元】 《HT》