2024/6/6
RIZAP-G Research Memo(1):chocoZAP事業が黒字転換し2024年3月期下期は黒字化を達成
*14:41JST RIZAP-G Research Memo(1):chocoZAP事業が黒字転換し2024年3月期下期は黒字化を達成
■要約
RIZAPグループ<2928>は“「人は変われる。」を証明する”という唯一無二の経営理念の下、健康づくり事業を中心に、ヘルスケア・美容、ライフスタイル、インベストメントの3領域で多様な事業を展開する総合企業である。「自己投資産業でグローバルNo.1」をビジョンに掲げ、持株会社体制の下、M&Aを積極的に活用しながら飛躍的に成長を遂げ、上場子会社5社を含むグループ企業68社、連結従業員数4,606名を擁するまでに成長した。2006年に札幌証券取引所アンビシャス市場に株式を上場しており、2022年9月に中期経営計画を策定したが、これを2024年2月に改定し、営業利益40,000百万円(2027年3月期)を目指して新規事業「chocoZAP」事業の積極展開等を行っている。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上収益が166,298百万円(前期比7.6%増)、営業損失が594百万円(前年同期は4,948百万円の損失)、税引前当期損失が4,524百万円(同7,031百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失が4,300百万円(同12,673百万円の損失)となった。chocoZAP事業の黒字転換に起因して、第4四半期単独では営業利益ベースで4,175百万円の黒字を達成した。売上収益に関しては、本格展開をしているコンビニジム「chocoZAP」の拡大に注力したことで、RIZAP関連事業(chocoZAP事業含む)が大幅に増収(同20,100百万円増)となった。既存事業では、(株)アンティローザをはじめとする増収分(同4,198百万円増)があった一方で、REXT(株)等の店舗構造改革等に伴う減収(同5,998百万円減)や子会社BRUNO<3140>傘下のシカタ事業を前期末に売却した影響(同5,111百万円減)があった。営業損失に関しては、chocoZAP事業が投資回収期に移行し、2024年3月期下期に黒字化したことやREXT等の事業ポートフォリオ改革が奏功したことなどにより、グループ全体では改善した。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績見通しは、売上収益が177,700百万円(前期比6.9%増)、営業利益が6,300百万円(前期は594百万円の損失)、税引前当期利益が3,100百万円(同4,524百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益が2,000百万円(同4,300百万円の損失)と、chocoZAP事業の先行投資フェーズが終了したことにより通期での黒字転換を予想する。売上収益に関しては、引き続きchocoZAP事業における新規出店および会員基盤の拡充などにより増収を見込む。2025年3月期は“既存会員の満足度向上”に重点を移す。施策としては、新サービスの導入加速、ちょこっとサポート導入、コンシェルジュなどが中心となる。上期は品質・顧客満足度向上のための投資が集中するために、営業利益の伸びは鈍化することが予想されるが、下期から2026年3月期にかけては大きく利益を成長させる想定である。chocoZAP事業が既に月次黒字化しており、新サービスや人的サービスへの投資によりさらに事業モデルが強化され、利益計画を上回って達成してくるものと弊社では考えている。
3. 成長戦略・トピックス
同社では3つのフェーズに分けた展開構想を描き、それを実践している。フェーズ0(ジムのバリアフリー化)、フェーズ1(ユニバーサルサービス化)、フェーズ2(健康の社会インフラ化)の3フェーズである。立ち上げから2年弱が経過し、現在はフェーズ0(ジムのバリアフリー化)を完了し、フェーズ1にその目標をシフトしていく真っ只中にある。フェーズ1(ユニバーサルサービス化)では、品質の向上・普遍的なサービスのレベルアップを追求する。具体的には、ちょこっとサポートやコンシェルジュといった人的なサービスを追加し、“人× DXの最適化”に挑戦する。また、新サービスの導入を強化することで、既存店・新規店の顧客満足度を向上させる。ちょこっとサポートでは、プラン作りやアプリの使用方法、運動や食事のアドバイス、マシンメンテナンスや清掃など多様な役割を担うRIZAPトレーナーを巡回させる取り組みであり、新規会員やトレーニング初心者にとっては頼りになる存在である。2024年6月末までに、ちょこっとサポートのトレーナー500名体制を目指しており、大幅な強化が実行されている。chocoZAPのビジネスモデルは“無人”というコンセプトから始まったが、約3店舗に1人程度(1,500店舗に対して500人で試算)の専門人材を配置することで、新たなサービスモデルに進化しつつある。
■Key Points
・2024年3月期は、chocoZAP事業が黒字転換し、黒字化を達成。chocoZAP店舗数1,500店、会員数120万人超(2024年5月時点)
・自己資本比率が上昇に転じる。2024年1月末には純資産比率が25.4%まで回復。chocoZAP事業の黒字化に伴いさらに改善の見込み
・中期経営計画目標を追加し2027年3月期に営業利益40,000百万円を目指す。chocoZAP第2の収入源として広告プラットフォーム事業を開始
・2024年3月期まで無配予定。2025年3月期から復配方針。chocoZAP日本一達成記念特別優待を発表
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《SI》
2024/2/22
RIZAP-G Research Memo(1):chocoZAP第2の収入源として広告プラットフォーム事業を開始
*16:11JST RIZAP-G Research Memo(1):chocoZAP第2の収入源として広告プラットフォーム事業を開始
■要約
RIZAPグループ<2928>は“「人は変われる。」を証明する”という唯一無二の経営理念の下、健康づくり事業を中心に、ヘルスケア・美容、ライフスタイル、インベストメントの3領域で多様な事業を展開する総合企業である。「自己投資産業でグローバルNo.1」をビジョンに掲げ、持株会社体制の下、M&Aを積極的に活用しながら飛躍的に成長を遂げ、上場子会社5社を含むグループ企業67社を擁するまでに成長した。2006年に札幌証券取引所アンビシャス市場に株式を上場しており、2022年9月に中期経営計画を策定したが、これを2024年2月に改定し、営業利益40,000百万円(2027年3月期)を目指して新規事業「chocoZAP」事業の積極展開等を行っている。
1. 2024年3月期第3四半期の業績動向
2024年3月期第3四半期の業績は、売上収益が122,988百万円(前年同期比6.7%増)、営業損失が4,769百万円(前年同期は1,089百万円の損失)、税引前四半期損失が7,089百万円(同2,595百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失が7,691百万円(同8,619百万円の損失)となった。四半期ごとの営業利益推移では、chocoZAP事業を本格開始した2023年3月期第2四半期以来、4四半期ぶりの営業黒字を達成した。売上収益に関しては、本格展開しているコンビニジム「chocoZAP」の拡大に注力し、RIZAP関連事業(chocoZAP事業含む)は大幅な増収となった。既存事業では、アンティローザをはじめとする増収分があった一方で、REXT等の店舗構造改革等に伴う減収や子会社BRUNO<3140>傘下のシカタ事業を前期末に売却した影響があった。営業利益に関しては、2024年3月期をchocoZAP事業への戦略的投資を加速させる先行投資期間として位置付け、chocoZAP店舗の出店投資や広告・販促投資を計画的に行ったこと、また、既存事業においては原材料高・仕入価格の上昇の影響等も続き、グループ全体では営業減益となった。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績見通しは、売上収益が172,000百万円(前期比7.2%増)、営業損失が1,800百万円(前期は4,505百万円の損失)、税引前当期損失が5,000百万円(同6,641百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失が6,900百万円(同12,733百万円の損失)と、chocoZAP事業の黒字転換に伴い利益予想が上方修正された。売上収益に関しては、chocoZAP事業における店舗拡大及び会員基盤増加により、大幅な増収を見込む。下期は新規出店を抑制し、“踊り場をつくる”戦略とする。出店数は上期550店に対して、下期341店と抑制した。この戦略はマシン故障率の改善や衛生面・管理面の改善の効果が見込まれる。出店抑制により会員数の伸びはやや減速するものの、chocoZAPの事業モデルにより第3四半期に続き、第4四半期も黒字化の流れは続くと弊社は見ている。また、chocoZAP事業が2023年11月度より月次黒字化しており、修正計画をしっかり達成してくるものと弊社では考えている。
3. 成長戦略・トピックス
同社は2026年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進している。しかし、chocoZAP事業の進捗が好調に推移していることや、潜在市場が大きいことから、より大きな目標を目指すこととなった。2026年3月期のRIZAPグループ連結の営業利益目標は30,000百万円で変更はないが、事業別の内訳は変更となった。RIZAP関連事業(chocoZAP含む)は24,000百万円、その他既存事業は9,500百万円である。chocoZAP事業の営業利益の目標達成に向けた成長リアリティが増すなかで上方修正された一方で、ライフスタイルを含むその他既存事業では外部環境の不透明性が収益改善を遅らせる可能性を織り込んだ。また2027年3月期の営業利益目標40,000百万円を新たに追加し、chocoZAP事業の持続的成長を計画した。
同社は、新規事業として広告プラットフォーム事業「chocoZAP Partners(チョコザップパートナーズ)」を、2024年2月より本格展開することを発表した。「chocoZAP Partners」は、これまで存在しなかった「体験型コミット広告」であり、会員の自己実現への寄与も狙う。chocoZAP会員100万人以上に対して、商品サンプリング、店内広告、アプリ内コンテンツ、DM配信など様々なチャネルを活用した「体験型コミット広告」を提供できる。収益モデルの観点からは、追加投資がかからないこと、収益性が高いことなどに優れており、現在の本業ではないものの大きなポテンシャルを持つ事業と言えるだろう。
■Key Points
・2024年3月期第3四半期でchocoZAP本格投資開始以来、初の四半期営業黒字化を達成。chocoZAP店舗数1,333店、会員数112万人超(2024年2月時点)
・自己資本比率が上昇に転じる。2024年1月末には純資産比率が25.4%まで回復。chocoZAP事業の黒字化に伴いさらに改善の見込み
・中期経営計画目標を追加し2027年3月期に営業利益40,000百万円を目指す。chocoZAP第2の収入源として広告プラットフォーム事業を開始
・2024年3月期まで無配予定。2025年3月期から復配方針。chocoZAP日本一達成記念特別優待を発表
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《SI》
2023/12/22
RIZAP-G Research Memo(1):2024年3月期第2四半期は増収減益。会員数100万人超を達成
*12:41JST RIZAP-G Research Memo(1):2024年3月期第2四半期は増収減益。会員数100万人超を達成
■要約
RIZAPグループ<2928>は“「人は変われる。」を証明する”という唯一無二の経営理念の下、健康づくり事業を中心に、ヘルスケア・美容、ライフスタイル、インベストメントの3領域で多様な事業を展開する総合企業である。「自己投資産業でグローバルNo.1」をビジョンに掲げ、持株会社体制の下、M&Aを積極的に活用しながら飛躍的に成長を遂げ、上場子会社5社を含むグループ企業 67社を擁するまでに成長した。同社を率いるのは、創業者で現 代表取締役社長の瀬戸健(せとたけし)氏である。株式上場の契機となった商品「豆乳クッキーダイエット」、2011年の自身のダイエット成功体験から着想したボディメイクの「RIZAP」「どろあわわ」「美顔器」などヒット商品を多数有する美容通販事業をはじめ、「RIZAP GOLF」など多くの新規事業を成功に導き、その手腕は高く評価されている。現在は、2022年9月に発表した中期経営計画に基づき、営業利益30,000百万円(2026年3月期)を目指し、新規事業「chocoZAP」事業への先行投資などを推進中である。2006年札幌証券取引所アンビシャスに株式を上場し、将来的には東京証券取引所プライム市場への上場を目指している。
1. 2024年3月期第2四半期の業績動向
2024年3月期第2四半期の売上収益は81,012百万円(前年同期比5.3%増)、営業損失5,791百万円(前年同期は230百万円の利益)、税引前四半期損失7,302百万円(同714百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失7,596百万円(同1,776百万円の損失)であり、中期経営計画どおりに積極投資を行っている。売上収益に関しては、本格展開をしているコンビニジム「chocoZAP」の拡大に注力し、RIZAP事業(chocoZAP事業含む)は大幅な増収(前年同期比8,102百万円増)となった。2024年3月期上期までにchocoZAPを550店舗出店し、2023年11月14日時点の店舗数は1,160店となった。また、広告宣伝を積極的に行ったことで認知度の向上とともに入会者もさらに増加し、2023年11月時点の会員数は100万人超に達した。既存事業では、(株)アンティローザをはじめとする増収分(前年同期比1,744百万円増)があった一方で、REXT(株)等の小売店の閉店に伴う減収やMRKホールディングス<9980>の新規顧客獲得に集中したことによる一時的な減収など、既存事業は減収分(同2,937百万円減)が上回った。また、子会社BRUNO<3140>傘下だったシカタ事業を前期末に売却した影響(同2,704百万円減)もあった。営業利益に関しては、chocoZAPへの先行投資によりRIZAP事業(chocoZAP事業含む)が減益(同3,650百万円減)となった影響が大きい。さらに既存事業では、新規顧客獲得への先行投資、在庫処理・退店費用の前倒計上、原材料高・仕入価格の上昇の影響等も全社の減益に影響した。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の売上収益は172,000百万円(前期比7.1%増)、営業損失4,500百万円(前期は4,505百万円の損失)、税引前当期損失6,200百万円(同6,641百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失9,000百万円(同12,733百万円の損失)と、増収とともに収益の改善を予想する。期中にchocoZAP事業への投資資金の確保等を目的に子会社創建ホームズ(株)を売却した影響で、売上高が下方修正されたが、各利益はchocoZAP事業等が順調に推移していることから予想を据え置いた。売上収益に関しては、chocoZAP事業における新規出店及び会員基盤増加により、大幅な増収を見込む。中期経営計画では、2024年3月期のRIZAP関連事業(ボディメイク、chocoZAP、RIZAP GOLF等)の売上収益は前期比で倍増の38,000百万円、営業損失で2,200百万円(前期は3,600百万円の損失)と損益の改善を見込んでいる。同社では、2024年3月期も引き続き既存事業の収益成長による持続的成長に向けた経営基盤の構築を目指す。具体的には、グループ横断的なコスト最適化や業務合理化による固定費の削減、不採算店舗の高収益業態への転換や統廃合などを進める。さらに、資産流動化施策の推進、周辺事業の売却、及びグループ全体の財務管理体制の強化等により、事業活動に必要な資金を確保するための施策を講じる計画である。chocoZAP事業の展開が計画を前倒しで推移しており、売上収益予想を上回る可能性もあると弊社では考えている。利益面では営業損失を見込むものの、期末に向けて黒字化する店舗の割合が増えるため、収益は改善に向かうと想定している。
3. 成長戦略・トピック
chocoZAP事業は、“トレーニングジム”や“ダイエット支援サービス”を行う“店舗事業”と捉えられがちだが、初期の構想から“ヘルステックを活用した健康プラットフォーム”として事業計画が立案されており、“ヘルステック企業”への戦略転換の意味合いが大きい。本格展開から1年3ヶ月という短い期間ではあるが、ヘルステック企業として頭角を現したことが様々な観点から確認できる。一例を挙げると、chocoZAP会員にはスターターキットとしてスマートウォッチとヘルスメーターが無料配布され、chocoZAP専用アプリと連携した様々なヘルスデータを自分で管理することができる。これまでの配布数(2023年9月時点で83万台)をそれぞれの業界トップ企業と比較すると、スマートウォッチではAppleに次いで業界2位、ヘルスメーターでは、(株)タニタ、オムロンヘルスケア(株)に次いで業界3位に位置付けられる。これらの端末からの入力情報は専用アプリを経由してライフログデータとして蓄積され、それを一元管理・活用できる点も潜在的な強みと言える。chocoZAP専用アプリの進化も見逃せない。店舗の入会、入退店、混雑確認、運動メニューのインストラクション、予約管理など会員との接点として重要な役割を果たすアプリケーションだが、来店時以外の健康支援メニューが順次追加されており、その進化は注目に値する。2023年9月に本格リリースされた食事管理機能では、食事の写真1枚を撮影し、ワンタッチで簡単に食事記録を残すことができ、さらにAIが自動でカロリーや栄養素を計算し、食事や運動に関するフィードバックを受けることができる。今後リリース予定の睡眠記録機能は、計測データと科学的統計による寄り添い型「快眠サポート」を提供する。毎日の睡眠時間、総合スコア、睡眠リズムなどが自動で評価され、おすすめの活動時間や食事や運動などのフィードバックが受けられる。いずれも、日常生活に密着したサービスであり、健康的な生活の質をデータとして定量化し、科学的に解決していくアプローチである。
■Key Points
・トレーニングジムをDXした世界発のコンビニジム「chocoZAP」が快進撃。2024年3月期末には黒字店比率が8割に達する予想
・2024年3月期第2四半期は、chocoZAP事業への戦略投資を計画どおり実施し増収減益。chocoZAP店舗数1,100店超、会員数100万人超を達成(2023年11月時点)
・自己資本比率は21.7%と、積極投資を行うなかで一定水準を維持。2024年3月期以降はchocoZAP事業の黒字化に伴い改善の見込み
・chocoZAP事業はヘルステックのプラットフォームとしての潜在価値とその進化に注目。進行中の中期経営計画で2026年3月期の営業利益30,000百万円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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