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日経平均は4日続落、米10年実質金利の高値更新で警戒感

2023/7/7 12:15 FISCO
*12:15JST 日経平均は4日続落、米10年実質金利の高値更新で警戒感  日経平均は4日続落。154.14円安の32618.88円(出来高概算7億5782万株)で前場の取引を終えている。  6日の米株式市場でダウ平均は366.38ドル安(-1.06%)と続落、ナスダック総合指数も-0.81%と続落。ADP雇用統計が1年超ぶりの大幅な伸びとなり、利上げ再開を警戒した売りが先行。ISMサービス業景況指数も予想を上回る強い結果で、10年債利回りが4%を超えるなか、株価指数は終日軟調に推移した。米株安や為替の円高を嫌気し、日経平均は322.38円安からスタート。週明けにかけて予想される上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う換金売りも警戒されるなか、売りが先行し一時32327.90円(445.12円安)まで下げ幅を広げた。一方、6月27日安値目前までの下げからは買い戻しが入り、一時61.15円安まで下げ幅を縮めた。ただ戻り一服となり、前引けにかけてはもみ合いとなった。  個別では、認知症新薬が米国で正式承認されたことで出尽くし感が先行したエーザイ<4523>や、増益・増配見通しも市場予想をやや下振れことで売りが強まったウェザーニューズ<4825>、上半期業績が計画を下振れたOSG<6136>などが大きく下落。ほか、ダイキン<6367>、ディスコ<6146>、信越化<4063>の値がさ株の一角や、丸紅<8002>、伊藤忠<8001>の商社、INPEX<1605>、コマツ<6301>、住友鉱<5713>の資源関連、日立<6501>、パナHD<6752>、ニデック<6594>、村田製<6981>のハイテクが下落。一方、株式売出の発表で前日ストップ安となったソシオネクスト<6526>が反発、韓国サムスン電子の決算でメモリーの在庫調整の進展が好感された東エレク<8035>も堅調。郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運も揃って上昇した。  セクターで鉱業、機械、電気・ガスが下落率上位に並んだ一方、海運、空運、陸運が上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の57%、対して値上がり銘柄は38%となっている。  本日の日経平均は朝方に一時445円下落した後は即座に下げ渋り、底堅さを見せている。一方、前日の米株式市場では主要株価3指数が揃って続落、一時はナスダック指数も1%を大きく超える下落率で推移する場面があった。  要因は強すぎる米労働市場だ。前日は経済指標が多く発表された。驚きをもって捉えられたのが米6月ADP雇用リポートだ。6月の民間雇用者数は49万7000人の増加と、市場予想を2倍も上回る大幅な上振れとなった。また、米新規失業保険申請件数が前週比1万2000件増加の24万8000件となった一方、失業保険の継続受給者数は1万3000人減少の172万人となり、総じて労働市場の堅調ぶりが目立つ結果となった。さらに、再就職を斡旋する会社のチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、6月に発表された人員削減数は5月からほぼ半減、8カ月ぶりの低水準になったという。  ほか、米供給管理協会(ISM)の6月非製造業(サービス業)景況指数は53.9と5月(50.3)から大幅に上昇し、市場予想(51.2)も大きく上振れた。項目別でみると、価格が54.1と5月(56.2)から低下したものの、依然として拡大・縮小の分岐点である50を上回った状態が続いた。一方、景況感は59.2と5月(51.5)から急拡大し、新規受注も55.5と5月(52.9)から拡大。そして、5月は49.2と50割れとなっていた雇用が53.1と再び50を大幅に超えてきた。総じてサービス業の景況感が想定以上に強いことが確認され、上述の雇用指標と相まって一気に米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が高まった。  これらの結果を受けて、6日、米2年債利回りは5%を超えて2007年以来の高水準を記録したほか、米10年債利回りは遂に4%を超え、年初来の水準にまで上昇した。今回の経済指標の結果は製造業を除けば総じて米国経済が堅調であることを示唆しており、額面通りに解釈すればソフトランディング(軟着陸)への期待が高まるものであった。  しかし、結果は堅調を通り越して強すぎる内容といえ、FRBの追加利上げが1回ではとどまらない可能性が意識されはじめた。既に5%を超えている政策金利が今後さらに大きく引き上げられるとなると、再び累積した利上げ効果が時間差を伴って実体経済へ悪影響を及ぼすリスクが想起される。利上げが過剰になればソフトランディングで済むはずのものがハードランディング(金利や為替、株価などの激変を伴った経済の悪化)に陥る可能性もあり、市場はこうしたリスクも意識しはじめている可能性がある。前日の米株式市場でテクノロジーやソフトウェアのセクターが上昇した一方、エネルギーや耐久消費財、小売り、銀行など景気敏感系のセクターが大きく下落した物色動向からも、そうした投資家心理が窺える。  また、米長期金利の急伸はやはり気がかりだ。米10年債利回りが4%を超えた一方、期待インフレ率を低位にとどまっている。このため、米10年債利回りから期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)を差し引いた米10年実質金利は6日、1.77%まで上昇し、昨年10月中旬に付けた高値を更新、過去10年における最高水準にまで上昇した。これはすでに割高感のある米国株式を中心に株式市場にはネガティブであるはずだ。今のところ、株式市場は過度な反応は見せていないが、少なくとも債券市場は異変を察知しているようで、今後の株式市場の動きにも注意が必要だろう。  日本株については、米国で強い経済指標が相次いで発表された一方、為替が前日からむしろ円高気味に動いていることもマイナス要因だ。米債利回りが幅広い年限で急伸しているにもかかわらずだ。背景として国内要因が挙げられる。  朝方、厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査によると、名目賃金から物価変動の影響を除いた5月の実質賃金は前年同月比1.2%減少、14カ月連続でのマイナスとなった。ただ、マイナス幅は4月の同3.2%減から縮小し、市場予想(同2.7%減)よりも小幅にとどまった。また、昨日に発表された2023年春闘の最終集計分では平均賃上げ率が3.58%と1993年以来の高い伸びとなっていた。  加えて、日本銀行の内田副総裁が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正について「バランスをとって判断していきたい」と言及したことが伝わった。内田副総裁は「企業の賃金・価格設定行動に変化の兆しが出てきている」とも発言しており、今月27-28日に開催される日銀金融政策決定会合での政策修正が意識されていることが、為替の円高につながっているようだ。  今月の米中の金融政策決定会合を通過するまでは景気・為替の先行きを巡る市場関係者の見方も定まらないことが想定される。その先に控える主要企業の4-6月期決算も踏まえると、ハイテクや景気敏感といった東証プライム主力株への投資はいったん控えた方がよさそうだ。その間はディフェンシブセクターや出遅れ感が残る中小型株などへの投資が一考に値しよう。(仲村幸浩) 《AK》
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4825 東証プライム
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6136 東証プライム
1,753
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時価総額 173,868百万円
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6146 東証プライム
40,600
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-1,170(%)
時価総額 4,397,670百万円
半導体の精密加工装置、精密加工ツールの製造・販売を行う。1937年に広島県呉市で創業。ダイシングソーなどで世界トップシェア。パワー半導体向け中心に精密加工装置は出荷順調。生産能力の強化、効率化推進。 記:2024/06/28
6301 東証プライム
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時価総額 3,920,563百万円
世界2位の総合建設機械メーカー。1921年設立。自動車産業向け大型プレスなど産業機械も。エンジンなどは国内で自社開発。海外売上比率は8割超。配当性向40%以上目安。坑内掘りハードロック事業の拡大図る。 記:2024/10/07
6367 東証プライム
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時価総額 5,303,898百万円
空調・冷凍機事業が主力。エアコン世界首位。フッ素化学製品等の化学事業、酸素濃縮装置の製造・販売等も。海外売上比率が高い。差別化新商品の投入、増産投資等に取り組む。26.3期営業利益5000億円目標。 記:2024/06/07
6501 東証プライム
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総合電機大手。金融ソリューションや社会インフラITシステム、原子力関連ビジネス、鉄道システム、ビルシステム等を手掛ける。日立エナジーは受注残が増加。デジタルシステム&サービスはLumada事業が拡大。 記:2024/06/15
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6594 東証プライム
2,755
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時価総額 3,285,528百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
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時価総額 3,596,991百万円
電機大手のパナソニックを中核とする持株会社。1918年創業。家電や住宅設備、AV機器、デジカメ、電子部品、産業電池・車載用電池等を手掛ける。配当性向30%目安。車載電池、空質空調等を投資領域に位置付け。 記:2024/09/02
6981 東証プライム
2,510
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8001 東証プライム
7,384
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時価総額 11,702,828百万円
1858年創業の大手総合商社。繊維、金属、食料、機械、エネルギー・化学品、住生活分野などで事業展開。伊藤忠エネクス、伊藤忠食品などを傘下に持つ。総還元性向50%目途。川下ビジネスの開拓・進化等に取り組む。 記:2024/08/30
8002 東証プライム
2,254
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-22(%)
時価総額 3,778,558百万円
大手総合商社。芙蓉グループ。生活産業、食料・アグリ、素材産業、エナジー・インフラソリューション、社会産業・金融分野などで事業展開。みずほリースと資本業務提携。総還元性向は30%~35%程度が目安。 記:2024/08/30
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23,310
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時価総額 10,993,765百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,796
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時価総額 2,210,956百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
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5,129
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時価総額 1,859,539百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9107 東証プライム
1,992.5
11/29 15:30
-10.5(%)
時価総額 1,345,280百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17