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日経平均は3日ぶり反発、選挙戦を前に国内政治論点にあえて一石

2021/10/14 12:10 FISCO
*12:10JST 日経平均は3日ぶり反発、選挙戦を前に国内政治論点にあえて一石  日経平均は3日ぶり反発。285.62円高の28425.90円(出来高概算6億1000万株)で前場の取引を終えている。  13日の米株式市場でNYダウは小幅ながら4日続落し、0.53ドル安となった。9月の消費者物価指数(CPI)が総合で前年同月比+5.4%、前月比+0.4%と市場予想を上回る伸びを見せ、インフレ懸念がくすぶった。決算発表のJPモルガン・チェース、新型「iPhone」の生産目標引き下げが報じられたアップルが下落したことも相場を押し下げた。ただ、CPIコア指数が市場予想並みだったことや30年物国債入札が好調だったことから長期金利が低下し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は0.7%の上昇。本日の東京市場でも値がさ株に買いが入り、日経平均は124円高からスタートすると、朝方には一時28502.74円(362.46円高)まで上昇した。一方、引き続き28500円近辺では戻り待ちの売りも出やすく、朝方の高値後は28400円前後でもみ合う展開となった。  個別では、東エレク<8035>が4%超、アドバンテス<6857>が3%超の上昇となるなど、半導体関連株の一角で上げが目立つ。任天堂<7974>やファーストリテ<9983>も堅調で、ソフトバンクG<9984>は小じっかり。サイゼリヤ<7581>や吉野家HD<9861>、コシダカHD<2157>といった外食・サービス企業は決算が好感され、東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、郵船<9101>、川崎船<9107>、商船三井<9104>といった海運株が大きく下落しており、公募増資の受渡日を迎えたヒューリック<3003>も2%超の下落。レーザーテック<6920>はさえない。また、前期業績修正のセラク<6199>、決算発表のベル24HD<6183>やトレファク<3093>、前沢工<6489>などが東証1部下落率上位に顔を出している。  セクターでは、その他製品、精密機器、化学などが上昇率上位。一方、海運業、石油・石炭製品、保険業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の40%、対して値下がり銘柄は55%となっている。  本日の日経平均は300円近い上昇で前場を折り返した。米国での長期金利低下やハイテク株高を支えに、値がさ株が健闘して日経平均を押し上げている。もっとも、売買代金上位では値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が拮抗している印象で、東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多い。個人投資家に人気の海運株やレーザーテックも軟調なのはやや気掛かりだ。前引けの日経平均は+1.01%だが、東証株価指数(TOPIX)は+0.31%にとどまる。日経平均の日足チャートを見ると、28200円台に位置する5日移動平均線が下値を支える一方、29500円台に位置する75日移動平均線が上値を抑える格好。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまりで、1日を通じてはここ2日と同様に2兆円台半ばあたりとなりそうだ。取引活発とは言いづらい。  新興市場でもマザーズ指数が+1.14%と3日ぶり反発。本日は9月上場のレナサイエンス<4889>などが賑わっているが、日替わり物色の様相で、マザーズ指数はこのところ1100pt前後でもみ合う展開が続いている。  さて、注目された米9月CPIは引き続き高い伸びを示したが、おおむね市場予想並みだったことで「過度なインフレ懸念が後退した」との見方がある。しかし、期待インフレ率の指標である10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)はむしろ2.52%(+0.03pt)に上昇しており、やはり「引き続きインフレ圧力は強い」と受け止める向きが多いのだろう。10年物国債利回りの低下(債券価格の上昇)は30年物国債入札が好調だったことなどによる売り方の買い戻しと考えられる。  9月21~22日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では「テーパリング(量的緩和の縮小)を11月半ばか12月半ばに開始する」方向であることが再確認されたものの、特段のサプライズではないと受け止められている。ただ、インフレ観測が広がるなかで米連邦準備理事会(FRB)の対応が遅いとして、「政策エラー」を懸念する声が再び聞かれ始めたのは気掛かりだ。  一方、国内では本日、衆議院が解散されて19日公示・31日投開票の日程で選挙戦に突入する。選挙期間の政策期待による株高傾向が意識されてか、自民党総裁選と前後してTOPIX先物を大きく売り越したBofA証券が、先週末あたりからは逆に一貫して買い越している。ただ、国内政治を巡る投資論点で、あえて大勢と異なる見方も示しておきたい。年末にかけての日本株の上昇余地を探るうえで重要となるだろう。  (1)岸田政権の掲げる衆院選の勝敗ライン「与党で過半数」を達成することで政権基盤の強化につながるとみられているが、はたしてそうか。前回2017年の衆院選で大勝した反動に加え、菅前政権以来の逆風下では致し方ない面もあるが、自民党の現有議席276(公明党29とあわせ与党で305、定数465)に対し、勝敗ラインはやや保守的な印象を受ける。仮に勝敗ライン上での攻防なら数十議席減という結果だ。衆院選後に当初5割前後だった政権支持率も低下するようなら、来夏の参院選に向けて再び不安がくすぶることになるかもしれず、実際にこうした懸念の声は一定数聞かれる。  (2)岸田文雄首相の再分配重視の姿勢は非自民層から一定の支持を得ており、保守層も総裁選で「サナエノミクス」を掲げていた高市早苗政調会長による政策とりまとめに期待しているようだ。ただ、従前財務相だった麻生太郎副総裁が自民党内で影響力を強めているとみられ(総裁選で一貫して岸田氏支持を表明していた甘利明幹事長が麻生派)、はたして思い切った経済対策が打てるか。矢野康治財務次官が月刊誌への寄稿で与野党の政策を「バラマキ合戦」と批判したことが話題となったが、この寄稿は事前に麻生氏の了解を得て行われたという。岸田氏や公明党が意欲を見せる現金給付についても、麻生氏は一貫して否定的だ。岸田氏の施政方針演説に「具体性を欠く」との批判が聞かれたが、今後の党内調整の難しさがにじみ出ているのかもしれない。  最後に、本日は日経平均への影響が大きいファーストリテ、海外でも台湾積体電路製造(TSMC)や米金融大手等の決算発表が控えており、後場の取引ではこれらの内容を見極めたいとのムードも出てきそうだ。(小林大純) 《AK》
関連銘柄 18件
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時価総額 93,328百万円
カラオケチェーン「カラオケまねきねこ」を国内外で展開。ひとりカラオケ専門店「ワンカラ」、アクエル前橋等の不動産管理事業等も手掛ける。カラオケ店舗数は国内外で680店超。カラオケは海外の積極展開を継続。 記:2024/10/22
3003 東証プライム
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時価総額 1,035,908百万円
不動産賃貸事業を中核とする不動産会社。東京23区中心に200件超の賃貸物件を保有。多数保有する好立地物件が強み。開発・建替事業、ホテル・旅館事業等も。物件の入れ替え、優良アセットの積み上げ等に取り組む。 記:2024/08/09
1,296
11/29 15:30
+27(%)
時価総額 31,555百万円
総合リユース業態「トレジャーファクトリー」を全国展開。ブランド専門リユース業態、スポーツ・アウウトドア専門リユース業態等も。グループ店舗数は270店超。中期経営計画では27.2期売上高503億円目標。 記:2024/06/03
4889 東証グロース
299
11/29 15:30
+4(%)
時価総額 3,801百万円
東北大学発の創薬ベンチャー。がん、糖尿病、呼吸器疾患、循環器疾患を対象に医薬品の研究開発を行う。AI活用のプログラム医療機器の開発等も。大学、公的研究機関等とのネットワーク拡大による研究推進などに注力。 記:2024/08/06
1,250
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-8(%)
時価総額 92,191百万円
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6199 東証スタンダード
1,342
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+10(%)
時価総額 18,564百万円
ITシステムの構築・運用・保守、IoTクラウドサポートセンター等のデジタルインテグレーション事業が主力。農業・畜産・水産のDX化支援等も。DX領域の拡大などに注力。27.8期営業利益40億円目標。 記:2024/10/29
6489 東証スタンダード
1,194
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+26(%)
時価総額 25,122百万円
上下水道用機器・水処理装置メーカー。1937年創業。上下水道用バルブ・ゲート、浄水場や下水処理場等の設備・システム等を手掛ける。27年5月期に売上高403億円、営業益53億円目指す。配当性向30%目安。 記:2024/10/15
6857 東証プライム
8,240
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+30(%)
時価総額 6,313,002百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
16,440
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時価総額 1,550,062百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7581 東証プライム
5,270
11/29 15:30
+60(%)
時価総額 275,473百万円
イタリアンカジュアルレストラン「サイゼリヤ」をチェーン展開。中国中心に海外でも事業展開。価格競争力などが強み。店舗数は1500店舗超。メニュー再構築や主力商品の改善、食材の供給体制再構築などに取り組む。 記:2024/08/06
7974 東証プライム
8,810
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時価総額 11,441,459百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
23,310
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時価総額 10,993,765百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,796
11/29 15:30
-28(%)
時価総額 2,210,956百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,129
11/29 15:30
-52(%)
時価総額 1,859,539百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9107 東証プライム
1,992.5
11/29 15:30
-10.5(%)
時価総額 1,345,280百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9861 東証プライム
3,251
11/29 15:30
+37(%)
時価総額 211,738百万円
外食大手。牛丼チェーン「吉野家」が中核の持株会社。はなまるうどんの「はなまる」等も傘下に持つ。アジア、アメリカでも事業展開。24年8月末のグループ店舗数は2786店舗。外販事業は量販店向け拡販を強化。 記:2024/10/29
9983 東証プライム
51,110
11/29 15:30
+10(%)
時価総額 16,264,275百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,936
11/29 15:30
-112(%)
時価総額 13,135,875百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17