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大幸薬品 Research Memo(2):感染症流行発生による需要増で足元の生産はフル稼働

2020/3/18 12:06 FISCO
*12:06JST 大幸薬品 Research Memo(2):感染症流行発生による需要増で足元の生産はフル稼働 ■今後の見通し 大幸薬品<4574>の2020年3月期通期の業績予想は、売上高で前期比30.5%増の13,600百万円、営業利益で同47.8%増の3,000百万円、経常利益で同45.9%増の2,750百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同30.7%増の1,850百万円と大幅な増収増益に上方修正された。 医薬品事業の修正された通期売上高予想は5,640百万円となり、期初から微減となった。第3四半期を終わった段階の通期売上高予想に対する進捗率は71.1%(前年同期は71.6%)であり、前期並みである。国内医薬品事業では、マーケティング施策を強化し、正露丸商品群全体としての新しいメッセージ「全下痢対応」の更なる浸透を図るため、積極的な広告宣伝を行う。「全下痢対応」の意味としては、「ウイルス・菌」による下痢のときは「正常な腸の動きを止める」下痢止めは飲んではならないとされるが、同社の正露丸は一般的な下痢止めと異なり、「正常な腸の動きを止めない」ため、「ウイルス・菌」による下痢でも飲むことができる、というもの。海外医薬品事業は、2020年3月期も中国・台湾を中心に成長を予想。第4四半期には中国向けの出荷が予定されている。 感染管理事業の修正された通期売上高予想は7,949百万円となり、期初の5,560百万円から大幅増となった。第3四半期を終わった段階の通期売上高予想に対する進捗率は76.4%(前年同期は66.0%)であり、前期を上回って順調に推移する。例年、クレベリンの売上高を左右するのが、インフルエンザの流行の度合いやその報道の多寡であったが、進行期は新型コロナウィルスの発生が第4四半期以降大きな影響を及ぼしている。感染症予防意識が高まった結果、クレベリン製品の需要が増加し、主力の京都工場はフル稼働に近い状態が続く。さらに、2020年3月期は「クレベ&アンド」のブランドでの日常除菌製品分野の新商品3アイテムが発売され、出荷がスタートした2019年9月以降好調に推移している。海外に関しても、台湾市場を中心に伸びが期待できる。 2020年3月期の利益は、マーケティング施策等のために販管費が増えるが、増収効果及び返品の減少による売上総利益率向上で吸収し、大幅増益となる予想だ。 弊社としては、通期業績の更なる上方修正の余地に関しては、修正計画を若干上回ることはあっても、あまり大きなギャップはないと考えている。感染管理製品の生産ラインはフル稼働に近い状態が続いており、出荷量には限界があり、既に修正計画に織り込んでいるためである。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《SF》
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正露丸、セイロガン糖衣Aなど一般用医薬品の製造・販売を行う医薬品事業が主力。「クレベリン」シリーズ等の感染管理事業も展開。1946年設立。医薬品事業は京都工場の医薬品ライン立ち上げなど増産施策に取り組む。 記:2024/09/01