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酒井重 Research Memo(2):国内シェア70%を超えるロードローラのトップメーカー

2024/12/9 11:02 FISCO
*11:02JST 酒井重 Research Memo(2):国内シェア70%を超えるロードローラのトップメーカー ■会社概要 酒井重工業<6358>は道路舗装用ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーで、国内シェア70%を超えるトップメーカーである。1970年にはインドネシアに合弁会社を設立するなど、早くから海外展開を進めており、2024年3月期末現在、国内子会社4社、海外子会社4社(米国、中国、インドネシア2社)を有している。株式については、1964年に東京証券取引所(以下、東証)第2部に上場、その後1981年に東証第1部に指定替えし、2022年4月の東証再編に伴いプライム市場へ移行した。 ■事業概要 高付加価値化と海外シェアの拡大で成長を図る 1. 事業内容 同社の主たる事業は、道路舗装などに使われるロードローラの製造・販売で、ロードローラ関連が売上高の約95%を占める。また、「道路建設機械事業を通じて世界の国土開発という社会事業に貢献する」を企業理念に掲げている。2024年3月期の地域区分別売上高は、国内14,320百万円(売上構成比43.4%)、北米9,700百万円(同29.4%)、アジア7,566百万円(同22.9%)、その他1,432百万円(同4.3%)であった。 2. 特色、強み 同社の特色や強みは以下のとおりである。 (1) 専業メーカーとしての長い歴史 同社の最大の特色(強み)は、ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーとしての長い歴史であろう。言い換えれば、選択と集中によるグローバルニッチ戦略によって専門性を高め、独自の技術を蓄積してきたことだ。 (2) 技術力 単に「道路を固める、舗装する」と言っても、それぞれの土地の土質・土壌などによって必要な圧力・回転力等(締固め技術)は異なる。そのため、工事会社はそれぞれの工事現場(地盤等)に合った異なる種類のロードローラを必要とする場合が多い。同社は、長い間道路建設機械の専業メーカーとして歩んできたことから、「締固め技術」について高い技術力を有しており、同業他社が追い付くことは容易ではない。 (3) 信用力 豊富な現場経験と実績に裏付けられた信用力も同社の強みだ。地下の締固め品質を確保する技術についてはブラックボックスであり、後発メーカーや非専業メーカーが容易に真似できるものではない。例えば、高温で運ばれてくるアスファルト合材は限られた時間のなかで施工する必要があることに加え、施工不良の場合は再施工という大きな代償を伴う。また、道路や盛土の施工品質問題の発生は遅効性があり、完工時の締固め品質はブラックボックスになる傾向にある。豊富な現場経験による長年の知見が蓄積されていることが同社の強みとなっており、多くの顧客から信頼を得ている。 3. シェア及び競合 (一社)日本建設機械工業会のデータによれば、2023年度の国内、輸出を合わせた建設機械出荷額は約3.7兆円、このうち同社の主要製品であるロードローラ等の道路機械は約2.3%である。ロードローラ市場において、同社のシェアは70%超とトップメーカーとなっている。競合先としては日立建機<6305>などがあるが、いずれも専業メーカーではない。また、海外メーカーも一部進出しているが存在感は薄い。したがって、国内においては、市場の浮沈がそのまま同社の業績につながっているとも言える。 世界市場(海外市場)では、正確な統計がないものの、同社のシェア(生産台数ベース)は5〜6%と推定される。ただし、これは全世界をベースにしたもので、同社が主戦場としている日本、ASEAN、北米の市場に限ればシェアは12%程度のようだ。なお、世界市場での主な競合はCaterpillar<CAT>、FAYAT SAS、HAMM AG、Volvo Personvagnar ABなどであるが、ロードローラの専業メーカーは見当たらない。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《HN》
関連銘柄 2件
6305 東証プライム
3,537
12/13 15:30
-20(%)
時価総額 760,862百万円
総合建設機械メーカー。ミニショベルや油圧ショベル等のほか、リジッドダンプトラックなど鉱山現場向け製品も。製品力、グローバルネットワークなどが強み。米州事業は拡大続く。海外レンタル事業の拡大等に注力。 記:2024/10/20
6358 東証プライム
2,327
12/13 15:30
+16(%)
時価総額 20,585百万円
1918年創業の道路建設機械メーカー。ロードローラで国内トップシェア。路面切削機、散水車等も手掛ける。締固め技術に強み。ユアサ商事などが主要取引先。高付加価値化等による収益構造改革、アジア市場の深耕図る。 記:2024/10/04