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ニーズウェル Research Memo(3):「業務系システム開発」を主力にした独立系システムインテグレータ企業(2)

2023/5/1 14:43 FISCO
*14:43JST ニーズウェル Research Memo(3):「業務系システム開発」を主力にした独立系システムインテグレータ企業(2) ■会社概要 3. 事業内容 ニーズウェル<3992>は、独立系の情報サービス企業として技術革新の激しい情報サービス産業においてこれまで蓄積したノウハウを生かしている。エンドユーザーから直接受託したシステムの構築や、システムインテグレータ・メーカーを経由して受託した企業向けのシステムの構築などの案件に参画し開発・保守を行い、契約形態は受託開発と社員派遣の2種類がある。 同社は、「業務系システム開発」「基盤構築」「コネクテッド開発」「ソリューション」の4つのサービスラインを展開しており、2022年9月期のサービスライン別の売上高構成比は、「業務系システム開発」が74.1%、「基盤構築」が10.3%、コネクテッド開発が2.9%、ソリューションが12.7%である。 (1) 業務系システム開発 同社の業務系システム開発の業務は、システムの企画からコンサルティング、課題解決の提案、要件定義、基本設計、詳細設計、プログラミング、各種のテストという納品までの流れと、納品後の保守・運用に関する全般に及ぶ。新規導入はもちろん、導入後も顧客先に常駐して保守を行い、新商品販売等のシステム対応から各種機能の追加・拡張等に対処している。 (a) 金融系システム 2025年の崖※に対応するためには、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムをオープン化へ移行するか、汎用機システムの維持・保守をする必要がある。同社には、オープン系・汎用系両方のシステムの技術者が所属しており、一般的に技術者不足の汎用系システムへ対応できる体制を整えている。保険会社においては、本社部門における契約管理・保全、成績・収納、顧客管理、データウェアハウス・分析などのシステム、営業職員向けの顧客管理、営業支援、設計書・申込書作成などのシステムを導入する。銀行においては流動性預金、国内・外国為替などの勘定系システム、データウェアハウス、データマート、顧客管理、収益管理などの情報系システム、全銀システム・日銀ネットなどの外部系システム及びインターネットバンキングなどのチャネル系システムなどを導入している。クレジットカード会社においては、請求、与信管理、顧客管理システムなどを導入する。 ※2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート」で使用されたワードで、国内企業がDXに十分に取り組まなかった場合、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失リスクがあることを端的に示す。 (b) 物流系システム 国内の物流分野は少子高齢化による人手不足が深刻化しており、各物流会社同士の垣根を越えた共同物流やより精度の高いトレーサビリティ※の重要性が高まっている。こうした状況の下、増大・複雑化する倉庫内業務に対応するため、同社は、AGV(Automatic Guided Vehicleの略。無人搬送ロボット)等をコントロールするWMS(Warehouse Management Systemの略。倉庫管理システム)を開発している。加えて、商品の入出荷・保管・帳票類の発行や棚卸などの業務全般を一元化した、同社独自の倉庫管理システム「SmartWMS」による物流現場の省人化・効率化・ペーパーレス化を提供する。 ※商品の生産から消費までの過程を確認できる仕組みのこと。 (c) 通信系システム 同社は、通信キャリアに対し、ウェブサイト、受付窓口、代理店・量販店など消費者との距離が近いシステムからの顧客登録、顧客情報管理、課金・入金、データ収集、及びプラットフォームなどの業務のシステムなどのサービスを提供する。具体的には、モバイル端末申し込み・申し込み審査、電話・ネットワーク開通といった顧客管理系システム、進捗管理・通信費再計算、基幹システム連携などの携帯電話再販システムなどがある「業務アプリケーション開発」や顧客とのコンタクト履歴を収集・蓄積し、分析業務等に活用する「データレイク」、ISO/IEC/IEEE 29119に沿ったテストプロセス※の実行などを用いた「ソフトウェアテスト(第三者検証)」などがある。 ※ISO/IEC/IEEE 29119はソフトウェアテストの統合的な世界規格で、その中でテストプロセスを「組織のテストプロセス」「テストマネジメントプロセス」「動的テストプロセス」の3階層に分けて方針・戦略・管理・テスト等の方法を定義している。 (d) 流通・サービス・公共系システム ホテル分野では10年以上IT部門の業務代行をしており、ホテルにおける宿泊予約・フロントシステムの開発・保守・運用などを一任されている。不動産分野では、デザイン会社と連携してCMS(Contents Management System)を導入し、物件の検索や空室管理などを行う物件情報システムや既存賃貸物件の家賃審査システムの開発を行っている。その他にも電子書籍・販売システム、電力・ガス等の社会インフラシステム、建設・建機系システムなどのサービスを提供する。 (2) 基盤構築 アプリケーション開発に限らず、ハードウェアやネットワークまでを含めた総合的なIT環境に対し、ITシステムの基盤となるサーバー等のハードウェアの環境設計・構築・導入を実施し、最適な通信機器を設定する。保険業務における業務系システムを搭載する機器切り替え業務や証券会社におけるクラウドサービスに伴うネットワーク機器設定の業務を行う。 (3) コネクテッド開発 IoTや自動車自動運転のような技術革新の流れのなかで、同社は、汎用性よりも特定の用途に特化して開発する「コネクテッド開発」を行う。インターネットに接続された機器類から収集したデータを業務系システムに連動させて活用し、医療機器や車載機器に組み込むアプリケーション開発を行う。 (4) ソリューション 同社は、自社及び他社のソリューション製品を活用し、5Gとテレワークで重要となる情報セキュリティ対策をサポートする「情報セキュリティソリューション」、RPAやクラウドで働き方改革の推進と人手不足解消をサポートしテレワークを効率化する「業務効率化ソリューション」、AI技術でDXを支援する「AIソリューション」など、顧客のビジネスの目的に合わせたソリューションサービスを提供する。 同社は、出張・経費管理・請求書管理クラウドシステムの世界的シェアを持つ「SAP Concur」の認定パートナーであり、「Concur Japan Partner Award」を2019年、2021年、2022年、2023年と4度受賞している。「SAP Concur」は出張・経費管理プロセス全体を一元化し、様々なサービス事業者と連携することで、出張・経費管理を自動化することができるため、同社はこのシステムを利用して顧客のDXを推進する。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞) 《YI》
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業務系システム開発が主力の独立系システムインテグレーター。金融系システム開発力などが強み。情報セキュリティソリューションの導入支援等も。生保、公共、通信向け案件等は順調。25.9期売上高130億円目標。 記:2024/06/24