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オンコリス Research Memo(5):テロメライシンは2023年に国内臨床試験結果を発表予定(3)
2023/3/27 16:55
FISCO
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*16:55JST オンコリス Research Memo(5):テロメライシンは2023年に国内臨床試験結果を発表予定(3) ■オンコリスバイオファーマ<
4588
>の開発パイプラインの動向 (5) 成長戦略と潜在市場規模 テロメライシンの今後の成長戦略については、食道がんを適応症とする放射線併用療法での販売からスタートし、その後適応拡大と海外市場の開拓を進めていくことで収益最大化を図る戦略である。 まずは、国内における第2相臨床試験を予定通り完了し、2024年に販売承認申請を行うことを最優先課題に取り組んでいく。販売承認された場合は、「手術不適応な局所進行性食道がん」が対象となり、「放射線療法の併用」が適用条件になると考えられる。その後はCRT療法や免疫チェックポイント阻害剤との併用療法に適応拡大を進めながら市場を開拓していくことになるが、開発リスク(開発費用)も考慮に入れてリターンが最大化するような戦略をパートナー企業と協議しながら進める方針である。 国内における潜在市場規模については最大で250億円規模になると同社では推計している。国内の食道がん患者数は年間で約2.5万人となり、このうち「手術不適応な局所進行性食道がん」の患者数の比率は約10%と見られている。テロメライシンの対象は約2,500人となり、これに想定薬価と導入率を掛け合わせたものが市場規模となる。薬価についてはウイルス製剤として日本国内で初めて販売承認された第一三共<
4568
>の「デリタクト」(悪性神経膠腫治療薬)の薬価143万円を前提とする。テロメライシンは少なくとも1クール3回投与するため、429万円(143万円×3回)となるが、4回目を投与する患者もいることから1症例当たり500万円とし、これに導入率80 %(2,000人)を掛けると100億円がピーク売上となる計算だ。ただ、「デリタクト」の薬価は原価計算方式※で算出されており、テロメライシンも原価計算方式で算出されることになれば薬価はもう少し高い水準で決まる可能性がある。その場合にはピーク時売上も100億円を超えてくるものと予想される。また、CRT療法との併用療法に適応拡大が進めば対象患者数がさらに広がることになり、CRT併用療法による導入率40%を前提に年間250億円程度の売上が期待できることになる。 ※薬価の算出方式は、類似薬効比較方式と原価計算方式の2通りがあり、類似薬のない新薬については原価計算方式が用いられる。算出方式は、製造原価や販管費、流通経費を積み上げ、そこに製薬企業の利益を乗せた額を薬価とする。また、新規性のある薬や先駆け審査指定品目については補正加算が上乗せされることになる。販管費、流通経費、営業利益については、直近3年間の業界平均値の係数が原則として用いられる。 また、海外市場においては米国で免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の開発に成功すれば、数百億円規模の需要が見込まれるが上市は最速で2030年以降となる。ただ、国内での上市に成功すれば最大マーケットである中国市場での展開が進み、将来的に国内外合わせて1,000億円を超える市場規模に育つ可能性が出てくる。このため、2023年後半に発表を予定している国内臨床試験のトップラインデータの内容が最大の焦点となりそうだ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NS》
関連銘柄 2件
4568 東証プライム
第一三共
4,435
11/22 15:30
-48(%)
時価総額 8,635,096百万円
大手製薬会社。抗悪性腫瘍剤「エンハーツ」、抗凝固剤「リクシアナ」などが主力品。かぜ薬「ルル」、解熱鎮痛薬「ロキソニンS」などで知名度高い。米メルクと戦略的提携。がん事業への集中的な資源投入を図る。 記:2024/08/26
4588 東証グロース
オンコリスバイオファーマ
703
11/22 15:30
+67(%)
時価総額 16,044百万円
新規抗がん剤「テロメライシン」の開発を行う創薬バイオ企業。HIV治療薬やウイルス感染症治療薬、神経難病治療薬の開発等も。富士フイルム富山化学と販売提携契約締結。テロメライシンに経営リソースを集中。 記:2024/07/08
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