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テクマト Research Memo(3):情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業を展開(2)

2022/12/29 16:33 FISCO
*16:33JST テクマト Research Memo(3):情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業を展開(2) ■会社概要 3. 事業内容 テクマトリックス<3762>の事業は、情報基盤事業と、CRM分野、ソフトウェア品質保証分野、ビジネスソリューション分野、教育分野等の業界及び業務特化型ソリューションサービスを展開するアプリケーション・サービス事業、2023年3月期よりアプリケーション・サービス事業から独立して開示することになった医療システム事業の3つの事業セグメントで構成されている。直近3年間の事業セグメント別構成比では、情報基盤事業が売上収益、営業利益で60%以上を占める主力事業となっている。また、旧PSPを子会社化したことに伴い、医療システム事業の構成比が2023年3月期第2四半期累計では売上収益で19.3%(前年同期は9.4%)、営業利益で39.0%(同15.8%)とそれぞれ大きく上昇している。営業利益率についても医療システム事業は18.6%と3事業のなかで最も高い(情報基盤事業9.5%、アプリケーション・サービス事業-2.9%)。 (1) 情報基盤事業 情報基盤事業では、ネットワーク及びセキュリティ分野において独自の目利き力を生かし、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つ製品を見極め、単なる製品販売にとどまらずシステム構築から保守・サポート、運用・監視サービスに至るまでワンストップ・ソリューションでサービスを提供している。 主に、仮想化ソリューション※1、次世代ネットワーク、セキュリティ、ストレージ等の分野を対象としているが、ここ最近は企業の情報システムに対するサイバー攻撃の増大を背景に、クラウド型セキュリティ対策関連の需要が大きく伸長している。主要取扱製品・サービスとしては、Palo Alto Networks<PANW>の次世代ファイアウォール※2及びSASE(Secure Access Service Edge)、F5<FFIV>の負荷分散装置※3、Trellixの不正侵入防御システム、Dell Technologiesのクラスターストレージなど世界でも高いシェアを有する製品が多く、それぞれ販売一次代理店となっている。単体売上収益に占める製品売上構成比ではPalo Alto Networks社製品が3~4割程度と最も大きい。 ※1 コンピュータシステムを構成する資源(サーバ、ストレージ、ソフトウェア等)に関する技術。複数から構成されるものを論理的に1つのもののように見せかけて利用できるほか、逆に1つのものを論理的に複数に見せかけて利用できる技術。 ※2 使用されるポート番号やプロトコルなどに関係なく通過するアプリケーションを識別し、それを使うユーザの特定及び制御を行い、さらに幅広い脅威に対するスキャニングを実施することでITネットワーク環境において必要とされる可視化と制御を行うセキュリティシステム。 ※3 Webサイトへのアクセス集中による反応の低下やシステムダウンを防止するため、多数のアクセス(負荷)が集中した場合に適切に複数のサーバに振り分ける(分散する)装置。 情報セキュリティ関連市場の拡大が続くなかで受注競争も激しくなっているが、同社は多様なニーズに応えることができる高い技術力やノウハウを持っていることに加えて、24時間365日の保守サポート体制、有人による運用・監視サービスなど、ワンストップで高品質なサービスを提供できる総合力が強みとなっており、大手企業や官公庁向けを中心に販売実績を拡大している。各ベンダーからもその取り組みが評価され数多くの賞を受賞している。具体的には、Palo Alto Networksが開催したイベント「Japan Partner Day 2022 Virtual」において、4年連続で「JAPAN Distribution Partner of the Year」※を受賞したほか、エンドポイントセキュリティ製品を提供するTanium(合)や次世代メールセキュリティ製品を提供する日本プルーフポイント(株)、ストレージ製品を提供するDell Technologiesなどから同様の賞を受賞した。 ※「JAPAN Distribution Partner of the Year」は、販売実績や前年度からの成長、販売後のサポートサービスの提供において大きな成果を達成した日本のディストリビュータを表彰するもので、同社は2018年から4年連続の受賞となった。 連結子会社のクロス・ヘッドは、ネットワークシステムの運用・監視、セキュリティ製品・ストレージ製品の販売、クラウドサービスの導入支援等を行っている。AWS(Amazon Web Services)の認定資格取得者数は約120人で、2019年5月にはAWSからAPN(AWS Partner Network)アドバンストコンサルティングパートナー※1の認定を取得し、現在は2025年3月のMSP認定資格※2取得に向けた取り組みを行っている。クロス・ヘッドの子会社となるOCHは、中小企業向けにデータバックアップや情報セキュリティ対策関連の自社開発プロダクト、リモートワーク環境構築のための製品をサポートサービスとともに販売・提供している。 ※1 APNアドバンストコンサルティングパートナーは、AWSに関する営業・技術体制があり、AWSでのシステムインテグレーションやアプリケーション開発等の実績が非常に豊富なパートナーが認定を受けられる。 ※2 MSP認定資格とは、AWSへの高度な移行スキルを持ち、設計能力・自動化運用管理・セキュリティ等最高レベルで顧客企業に価値提供できることを認定するプログラム。 (2) アプリケーション・サービス事業 アプリケーション・サービス事業では、特定市場や特定業界向けにシステム開発、アプリケーション・パッケージ、テスト・ソリューション、クラウドサービス等の事業を展開している。対象分野としてはCRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューション、教育と4つの分野で展開している。2023年3月期第2四半期累計(連結)における売上構成比では、ビジネスソリューション分野が4割弱、CRM分野、ソフトウェア品質保証分野が各3割程度で、残りが教育分野である。 a) CRM分野 CRM分野では、企業の顧客サービス向上を支援するコンタクトセンターCRMシステムをオンプレミス型及びクラウド型サービスで提供している。電話、メール、SNS等による「顧客との接触履歴」と「顧客の声」を一元管理し、コンタクトセンター運営を効率化するCRMシステム「FastHelp」のほか、FAQナレッジシステム「FastAnswer」を提供している。CRMシステム市場では、パッケージ製品で国内トップシェアとなっており、SaaS型ではセールスフォース・ドットコムが主な競合先となる。クラウド型サービスの提供に加え、オンプレミスのライセンスについてもサブスクリプション型課金モデルへの移行を進めており、ストック型ビジネスの拡大を目指している。 主要パートナーは、(株)ベルシステム24(ベルシステム24ホールディングス<6183>子会社)のほか、NEC<6701>や伊藤忠テクノソリューションズ<4739>など大手SIerがあり、各企業のコンタクト(テレマーケティング)センターや顧客サポートセンターに導入されている。また、医薬品業界で「FastHelp Pe」の導入実績が高いことも特長となっている。製薬企業では、日本製薬工業協会(製薬協)において提唱されている「くすり相談窓口」を設置しており、多くの製薬企業に同社のCRMシステムが導入されている。 b) ソフトウェア品質保証分野 ソフトウェア品質保証分野では、ソフトウェアの品質向上や開発工程の生産性向上を目標に、開発過程での全ライフサイクルを支援するベスト・オブ・ブリード※の開発支援ツール(テストツールなど)及びコンサルティングサービスを提供している。取扱製品のなかでは、Parasoftのソフトウェアテストツールが組み込み系ソフトウェアの開発分野で高い市場シェアを持っている。近年では、開発支援ツールをクラウド基盤に載せ、SaaSとして提供することに力を入れている。 ※同一メーカーのシリーズ製品を使うのではなく、メーカーが異なっても最良と思われる製品を選択し、その組み合わせで利用すること。 対象となるのは、デジタル家電や情報通信機器、自動車、医療機器、ロボットなどソフトウェアが組み込まれる機器のほか、金融システムのようなミッションクリティカルなソフトウェア等も含まれる。市場別売上収益では、自動運転技術やEV(電気自動車)関連技術の開発需要が旺盛な自動車業界向けが最も大きい。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NS》
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