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インテリックス Research Memo(7):「ECOCUBE」拡販で脱炭素社会の実現等に貢献し高成長を目指す(1)

2022/9/2 15:37 FISCO
*15:37JST インテリックス Research Memo(7):「ECOCUBE」拡販で脱炭素社会の実現等に貢献し高成長を目指す(1) ■今後の見通し 1. 中期経営計画 2022年7月にインテリックス<8940>は中期経営計画を発表した。ビジョンとして「すべての人にリノベーションで豊かな生活を」を掲げ、循環型リノベーションモデルを展開していくことで、サステナブルな社会づくりに貢献しながら高成長を目指していく方針を打ち出した。具体的には、省エネリノベーション「ECOCUBE」を全国に普及拡大していくことで、CO2の削減を図るとともに快適な住環境を提供し、住む人のQOLの向上に貢献していく。また、不動産取引のDX化を進めるべく、より多くの参加者が公平な取引を可能とする不動産直販プラットフォーム「FLIE」を育成していく考えだ。 業績数値目標としては、2025年5月期に売上高591億円、営業利益26億円、経常利益23億円、親会社株主に帰属する当期純利益15億円を掲げ、ROEは10%以上の水準を目標に設定した。3年間の年平均成長率は売上高で17.9%、営業利益で26.0%となる。2023年3月期は新規事業分野等への先行投資負担増により増収減益計画となるが、2024年5月期以降は利益ベースでも成長ステージへと移行する見通しだ。事業セグメント別ではリノベーション事業分野が成長をけん引し、ソリューション事業分野については安定収益基盤として着実な成長を目指していくことになる。営業利益の構成比で見ると、リノベーション事業分野が2022年5月期の約6割から2025年5月期は約7割まで上昇するイメージとなる。また、新規事業への投資やブランディング強化、人員・システム関連等の成長投資は、累計で31億円を計画している。 (1) 「ECOCUBE」について 戦略商品となる「ECOCUBE」とは省エネ型リノベーションマンションのことで、戸別に温熱計算※を実施し、最適な断熱性・気密性を維持するための断熱施工(高性能断熱材や樹脂製サッシによる内窓の設置等)を行うとともに、高効率エアコンや高機能換気システムを設置することで、快適な生活環境の提供と省エネルギー化による経済メリットを実現した商品となる。同社では2011年から省エネ型商品の開発販売に着手し、改良を重ねて2021年7月に「ECOCUBE」として再リリースした商品となる。既存住宅のリノベーションに「省エネルギー+QOLの向上」という付加価値を加えたもので、政府が目指す脱炭素社会の実現にも貢献する商品となる。 ※省エネ住宅設計支援ツールに、物件の立地や構造等の条件に合わせた同社基準を用いて、施工前とリノベーション後の住戸エネルギー消費量や冷暖房費、エアコンのシミュレーションを行い、そのうえで快適な住宅性能を備えるための施工計画を策定する。 販売価格は平均的なリノヴェックスマンションの場合、1割程度高くなるものの、冷暖房機器の消費電力が従来比で大幅に削減可能※となるほか、省エネ住宅ローン減税や自治体の補助金事業の対象になっているケースもあることから、割高感は薄まるものと考えられ、省エネリノベーション商品として今後、需要が拡大していくものと期待される。 ※1LDK(約65m2)で入居者数2名、平均外気温16℃の場合、年間の冷暖房費は従来の10.8万円から1.1万円と約89%削減できた事例がある。 フリエ住まい総研が省エネ住宅に関するアンケート調査を実施したところ、省エネ住宅の認知度は69.5%と高く、このうち住宅購入の際に省エネ住宅を選ぶかという問いに対して、76.8%が「Yes」と回答している。理由としては、光熱費が抑えられるとの回答が90%弱と多く、次いで環境への配慮や快適性などの回答が上位に並んだ。一方で、「No」と回答した人の理由として最も多かったのは、価格の割高感で64%を占め、次いで候補物件が限られるとの回答が40%を占めた。こうしたアンケート結果から見ても、「ECOCUBE」の成長余地は大きいことがうかがえる。価格面については、補助金や減税制度の活用、並びに光熱費の削減効果が認知されればある程度解消されるほか、候補物件が限られるという回答については、候補物件があれば購入に前向きとなる潜在顧客層と見ることが出来るためだ。 今回の中期経営計画では、2025年5月期におけるリノヴェックスマンションの販売目標を1,603件としており、このうち約50%となる800件を「ECOCUBE」とする計画となっている。2022年5月期の実績については非開示だが、施工件数ベースで100件を超えた水準だったと見られる。また、「ECOCUBE」に関しては高付加価値商品となるため、高価格帯の物件を積極的に仕入れて、環境・健康・省エネ志向の高い顧客にリーチしていく方針となっている。このため、リノヴェックスマンションの平均販売単価についても今後、上昇していくことが見込まれている。 ちなみに、今後3年間で累計1,950件の「ECOCUBE」を販売したとすると、CO2の削減効果は年間975トン、杉の木換算で約11.1万本分(東京ドーム換算で約24個分)に相当するとの試算※もある。政府は脱炭素社会に向けた取り組みとして、2030年までに温室効果ガスを46%削減(対2013年比)し、このうち家計部門についてはCO2排出量を66%削減することを目標に掲げている。国内のCO2排出量のうち、家計部門で15.9%を占めているためだ。目標を達成するため、新築住宅等については2025年度から省エネ基準への適合を義務付ける改正建築物省エネ法も2022年5月に成立した。ただ、現行の省エネ基準(一定基準以上の断熱性能)を満たしている住宅は、既存住宅(約5,000万戸)のうちわずか10%にとどまっており、こうした住宅に対して省エネリノベーションを促進すべく、補助金や減税などの支援策が取られ始めている状況にある。こうしたことからも、「ECOCUBE」が普及していく環境にあることは間違いなく、同社が「ECOCUBE」を戦略商品としてリノベーション事業を拡大して好機が到来していると言える。 ※延床面積65m2の集合住宅を想定。北海道大学大学院工学研究院 環境システム工学研究所室試算による。 なお、同社は「ECOCUBE」の加速度的な普及を目指すため、FC事業を展開する子会社、リコシスを設立し、2022年4月より業務を開始している。自社で一定の販売実績を積み上げてから、FC展開を始めるのが一般的であるが、同社では社会貢献につながることから、「ECOCUBE」を早期に普及させることを優先した。サービス内容としては、温熱計算や補助金申請代行のほか、設計施工や資材調達、営業等の各種サポートを行う。早期に加盟店100社体制を構築し、同社グループの安定成長を推進する事業として育成していきたい考えだ。加盟企業としては既存のリノベーション施工に関わる協力会社のほか、同業となる中古マンション買取再販業者などを想定している。 また、リノベーションマンション業界における差別化戦略として、同社はアフターサービスの充実も図っている。業界で初めてアフターサービス保証期間を20年間に延長※したほか、「1年点検サービス」も首都圏から導入を開始し、順次エリアを拡大していく予定となっている。定期点検サービスを行うことで、LTV(顧客生涯価値)を向上し、新たなサービスへの展開も図っていくことにしている。 ※2021年6月より、アフターサービス保証期間を従来の10年間から最長20年間に延長した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《SI》
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不動産リノベーション会社で中古マンション再販大手。不動産の仕入や企画、運営、販売、管理業務まで行う。ソリューション事業分野は伸長。ホテル事業の稼働率上昇などが寄与。24.5期2Q累計は経常黒字転換。 記:2024/02/03