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スカラ Research Memo(1):官民共創及びヘルスケア領域を注力分野と位置付け、積極投資により成長加速を目指す

2022/3/29 15:01 FISCO
*15:01JST スカラ Research Memo(1):官民共創及びヘルスケア領域を注力分野と位置付け、積極投資により成長加速を目指す ■要約 スカラ<4845>は、IT/AI/IoT/DX事業を中心とするポートフォリオを通じて、価値創造と社会問題解決の実現を目指す持株会社である。2021年6月期より事業セグメントをIT/AI/IoT/DX事業、カスタマーサポート事業、人材・教育事業、EC事業、投資・インキュベーション事業の5つに再編成し、中期経営計画「COMMIT5000」で掲げた業績目標(2030年6月期に売上収益5,000億円)の達成に向けた取り組みを推進している。2022年4月の東京証券取引所市場区分見直しではプライム市場に移行する予定だ。 1. 2022年6月期第2四半期累計業績の概要 2022年6月期第2四半期累計における継続事業※の売上収益は前年同期比0.4%減の4,268百万円、営業損失は79百万円(前年同期は25百万円の利益)となった。売上収益については、IT/AI/IoT/DX事業、人材・教育事業、EC事業及び投資・インキュベーション事業で増収となったものの、カスタマーサポート事業の落ち込みが響いて全体では微減収となった。利益面では、人材・教育事業の黒字化やEC事業での大幅な増益があったものの、企業価値創造支援から大規模DX案件につなげるために営業活動に注力したほか、新規事業等に積極的な投資を継続したことによりIT/AI/IoT/DX事業が減益となったことに加え、投資・インキュベーション事業での先行投資等により損失を計上した。 ※2020年11月に連結子会社だったソフトブレーン(株)の株式を売却したことに伴い、ソフトブレーンとその子会社を非継続事業に分類しており、売上収益及び営業利益の前年同期比は非継続事業を除いた継続事業ベースで表示している。 2. 2022年6月期業績の見通し 2022年6月期の業績見通しについては未定としている。期初予想をレンジ形式で公表していたものの、2022年2月にM&Aした日本ペット少額短期保険(株)について、関係当局の承認後に子会社となること及び国際会計基準への組み替え作業に相応の時間を要すると見込まれていることから、未定へと変更した。なお、既存事業については、カスタマーサポート事業を除くすべての事業でおおむね順調に推移する見通しとなっている。 同社は2022年に入って、ふるさと納税制度の自治体向けシステムシェアトップの(株)エッグ、及びペット保険を提供する日本ペット少額短期保険の全株式を取得し子会社化することを発表した。エッグは、ふるさと納税制度の開始とともに自治体側の基幹システムを全国で初めて開発したパイオニアで、トップシェアを誇っている。エッグの強固なネットワークを活用して、DX支援ソリューションや官民共創プロジェクトなどの提案を行い、IT/AI/IoT/DX事業の成長につなげていく考えだ。また、エッグの子会社である(株)コロンブスは、高齢者のフレイル※を早期発見するシステムを開発し、「健康寿命の延伸」と自治体の「社会保障費の削減」の実現を支えている。複数の自治体で実証実験を進めており、今後ヘルスケア領域での事業展開が期待される。一方、日本ペット少額短期保険はペットの少額短期保険「いぬとねこの保険」を提供している。子会社化により、ペット保険から多様な保険領域への展開を予定しているほか、AIを用いたデータ解析・リスク分析により、最適なリスク移転テクノロジーとして応用し、企業や自治体等が抱えるリスクの移転支援を事業として展開することを検討している。なお、両社の直近期の業績を合わせると、売上高で約35億円、営業利益で約2億円となる。 ※人間の健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のこと。 3. 中期経営計画と成長戦略 中期経営計画「COMMIT5000」では、価値創造経営支援事業、IT/AI/IoT関連事業、社会問題解決型事業の3事業を推進し、2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円(2025年6月期に売上収益1,000億円、営業利益100億円)を目標に掲げている。特に、官民共創及びヘルスケア領域を注力分野と位置付け、成長加速を目指していく方針だ。官民共創分野では、2020年にリリースした官民共創マッチングプラットフォーム「逆プロポ(逆公募プロポーザル)」※の引き合いや導入実績が増加しているほか、資本提携先であるxID(株)や子会社化したエッグとの連携等により事業拡大を目指していく。ヘルスケア領域については、ヘルスケアDXプラットフォーム構想による新サービスの提供も視野に入れており、今後の成長が期待される。 ※「逆プロポ」とは、企業が「関心のある社会課題」を提示し、自治体が課題解決のための企画やアイデアを提案する共創サービスのことで、従来の公募プロポーザルや入札のベクトルを逆転させた仕組みとなる。 ■Key Points ・2022年6月期第2四半期累計業績は前年同期並みの売上収益、新規事業等への積極的な投資を継続 ・2023年6月期以降の成長加速に向けて2件のM&Aを実施 ・中期経営目標として2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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