マーケット
3/28 15:15
40,168.07
-594.66
39,760.08
+477.75
暗号資産
FISCO BTC Index
3/29 5:25:20
10,697,695
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

オプティム Research Memo(5):OPTiM Cloud IoT OSを活用し建設・農業・医療等で実績(2)

2021/12/24 15:05 FISCO
*15:05JST オプティム Research Memo(5):OPTiM Cloud IoT OSを活用し建設・農業・医療等で実績(2) ■オプティム<3694>の事業概要 (5) 「〇〇×IT」(Industrial DX) プラットフォーマーのためのプラットフォームである「OPTiM Cloud IoT OS」を活用し、各産業とIT(AI・IoTなど)を組み合わせてすべての産業を第4次産業革命型産業へと再発明していく「○○×IT」と呼ぶこの取り組みは、実証実験から始まり、特定の顧客企業向けの正式な事業やサービスとして育っていく。先行する業界は、「建設×IT」「農業×IT」「医療×IT」であり、既に事業として立ち上がっているものもある。 a) 建設×IT 建設×IT分野は最もAI・IoT活用が進んだ分野の1つである。コマツが主導する建設・土木における新プラットフォーム「LANDLOG」に対して「OPTiM Cloud IoT OS」を提供し、安全で生産性の高い未来の現場の実現を目指す。建設生産プロセス全体のあらゆる「モノ」のデータを集め(ショベルカー、ダンプカー、ドローンなどの管理・解析が可能)、そのデータを適切な権限管理のもとに多くのプロバイダーがアプリを提供し、多くの建設現場ユーザーが利用できる。また、2020年には、建設DXとICT(情報通信技術)施工を推進する「(株)ランドログマーケティング」を設立し、スマートコンストラクション・レトロフィットキット※の販売や、建設向けDXソリューションのマーケティングの実施を開始した。 ※今使用している使い慣れた油圧ショベルに、最新のデジタル機器を“後付け”することで、ICTによる高機能化を実現する。 その他の取り組みとしては、九州最大のゼネコンである松尾建設(株)と共同で、LiDARセンサー付きスマホやタブレットで土構造物等の測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できるアプリケーション「OPTiM Geo Scan」を、世界に先駆けて開発し提供を開始した。これは、ドローンやレーザースキャナなどの利用が難しい小規模現場での利用が想定され、従来の光波測量と比較すると、測量時間を最大6割削減することができる。また、測量には専門知識は不要で、一人で手軽に測量を行うことが可能であるため、人手不足や技術者不足解消にも役立つとしている。 b) 農業×IT 農業×ITの分野においては、世界初のピンポイント農薬散布テクノロジーをはじめとしたAI・IoT・Roboticsの技術・プラットフォーム(農業DXサービス)を総合的に整備し、農業の省力化と高収益化を支援している。同社が開発したサービスには、ピンポイント農薬散布以外にも、ドローンを使った播種テクノジー、圃場をAI・IoTで画像・センサー解析するサービス(「Agri Field Manager」)、グライダー型ドローンを使った広域圃場管理システムなどがあり、いずれも最先端のスマート農業を支える技術となっている。また、これまで培ってきた生育予測技術や病害虫発生予察技術とドローン防除の知見を組み合わせ、最小限の農薬で最大の防除効果の実現を目指す「ピンポイントタイム散布」サービスも開始。生産者のコスト低減や消費者の安心安全な食生活に貢献すると同時に環境負荷も軽減する取り組みを積極的に進めてきている。 同社では、スマート農業を普及させ、“楽しく、かっこよく、稼げる農業”を実現するために、ビジネスモデル面でも革新的な取り組みを行ってきた。その1つが“スマートアグリフード”である。同社は生産者に対して最新のテクノロジーを無償提供し、付加価値の高い農作物を生産してもらう。それらを同社が全量買い取り、ブランドをつけて販売し、生産者とレベニューシェアをする。米の事例では、2020年にはピンポイント散布・施肥テクノロジー、2021年にはドローンを用いて種籾を直接水田に打込播種(はしゅ)することに成功し、最新技術を活用して安心(減農薬)で作り手の省力化にも配慮した米作りが6県で行われた。これらは「スマート米2022」(2021年度新米、9品種)として、自社オンラインストア「スマートアグリフード(愛称:スマ直)」や「Amazon」「楽天市場」などでインターネット販売される。 c) 医療×IT 同社は、医療分野においてもIoT・AI技術を組み合わせ、医療が抱える様々な課題の解決に取り組んでいる。一例を挙げると、2016年に遠隔診療サービス「ポケットドクター」を発表し、経済産業省主催「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2016」でグランプリを受賞した。2020年には、オンライン診療システムを手軽かつスピーディーに開発することができる「オンライン診療プラットフォーム」のOEM提供を開始している。さらに同年には、(株)メディカロイド(川崎重工業<7012>とシスメックス<6869>の合弁会社)が開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」の運用支援、安全・効率的な手術室の活用支援及び手技の伝承・継承支援を目的としたネットワークサポートシステムのプラットフォーム「MINS(マインズ:Medicaroid Intelligent Network System)」の共同開発を行っている。「MINS」は、「hinotori」に搭載された各種センサー情報や内視鏡映像、手術室全体の映像等の情報をリアルタイムで収集・解析・提供するオープンプラットフォームであり、同社の「OPTiM Cloud IoT OS」をベースに開発されている。 同社の産業別での取り組みの成果は、AIソリューション市場シェアとして顕著に現れている。デロイト トーマツ ミック経済研究所による2020年度版の市場調査では、同社のAIソリューションは5部門(業種別売上高動向の「農林水産業」部門、「医療」部門、ユーザー従業員数300名未満の「ユーザー従業員数300名未満の売上動向」部門、測定・観察・探索市場動向の「測定・観察・探索ベンダーシェア」部門、「アプリケーション」部門)で市場シェア1位を獲得した。このうち「測定・観察・探索ベンダーシェア」にはカメラソリューションが含まれ、該当製品に「OPTiM AI Camera」がある。 3. 同社の強み 同社は、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・Big Dataのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。なお、同社の強みは1) 豊富な技術的発想力、2) 高度な技術力、3) サービス企画・開発・運用力、4) 強固なライセンス収益、5) 豊富な顧客基盤、6) 事業創造力、の6点に整理することができる。 4. 知財戦略 同社は、設立当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、知財を獲得し保有する戦略を推進してきた。一例を挙げると、2011年に日米で特許取得された通称「Tiger」は、デバイスの特定精度を飛躍的に向上させる検知技術として傑出したものである。また、2018年に特許取得した「ピンポイント農薬散布テクノロジー」は、令和元年度九州地方発明表彰において「文部科学大臣賞」を受賞した。直近では、2018年に特許取得した「契約書AI解析・管理システム」が、令和3年度九州地方発明表彰において「文部科学大臣賞」を受賞した。このほか、パテント・リザルトが発表する情報通信分野の個人特許資産規模ランキングでは、同社代表取締役の菅谷氏が1位を獲得している(1993年から2020年)。これらの知財は、新規事業分野での参入障壁を構築するだけでなく、大企業が安心して同社と提携関係を構築できるメリットもある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《YM》
関連銘柄 3件
3694 東証プライム
1,031
3/28 15:00
-15(%)
時価総額 56,850百万円
スマホやPCの設定、セキュリティ管理、資産管理等のITサービスに加え、農業、医療、建築分野等でのDX化サービスを提供。モバイルマネジメントサービス等を中心にストック売上が伸びる。24.3期3Qは収益伸長。 記:2024/02/14
6869 東証プライム
2,687.5
3/28 15:00
±0(%)
時価総額 563,485百万円
検体検査機器・試薬メーカー。血球計数検査や血液凝固検査、尿検査分野で世界首位。臨床検査機器も手掛ける。海外売上は2桁増。ヘマトロジー分野の機器、保守サービスの売上などが増加。24.3期3Q累計は増収。 記:2024/02/25
7012 東証プライム
4,955
3/28 15:00
+1(%)
時価総額 832,054百万円
総合重機大手。発電設備、二輪車、造船、鉄道車両、航空機等を展開。エネルギーソリューション&マリン事業は堅調。LPG/アンモニア運搬船の増収効果などが寄与。車両事業は売上増。24.3期2Q累計は増収。 記:2024/01/16