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アンジェス Research Memo(1):新型コロナウイルス感染症ワクチンは実用化に向け開発を継続していく方針

2021/12/6 15:01 FISCO
*15:01JST アンジェス Research Memo(1):新型コロナウイルス感染症ワクチンは実用化に向け開発を継続していく方針 ■要約 アンジェス<4563>は、1999年に設立された大阪大学発の創薬ベンチャー。遺伝子医薬に特化した開発を進めており、将来的に「遺伝子医薬のグローバルリーダー」になることを目標にしている。新薬候補品を開発し、販売パートナーとの販売権許諾契約によって得られる契約一時金や、開発の進捗状況などによって得られるマイルストーン収益、上市後の製品売上高にかかるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルとなる。2020年12月に米国で先進ゲノム編集技術の開発を行うEmendBio Inc.(以下、Emendo)を子会社化している。 1. 新型コロナウイルス感染症ワクチン及び治療薬の開発状況について 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するDNAワクチンの開発について、同社は2020年より実施してきた第1/2相臨床試験及び第2/3相臨床試験の結果について2021年11月5日付で発表した。各臨床試験で安全性を確認できたものの、有効性については期待する効果が得られなかったとしている。同社は有効性を高めるための取り組みとして、同年8月より高用量製剤での第1/2相臨床試験を実施している。同試験結果で先行品と同程度の有効性が確認できれば、第3相臨床試験に進みたい考えだ。ただ、同試験は多額の費用が掛かるため、国の補助金または製薬企業とのアライアンスによる資金面でのサポートが必要となってくる。高用量製剤を用いた臨床試験は予定症例数のワクチン接種が完了しており、今後海外の専門機関で測定・評価する予定となっている。一方、カナダのVasomune Therapeutics(以下、Vasomune)と共同開発中の治療薬「AV-001」(重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者を対象)は、前期第2相臨床試験の開始に向けた準備を進めている段階にある。「AV-001」の開発にあたっては米国やカナダの政府機関から総額で10億円を上回る助成金を獲得したことをVasomuneが発表しており、今後の開発費用等に充当していくことにしている。 2. その他開発パイプラインの動向 慢性動脈閉塞症を対象としたHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の国内における市販後調査※並びに適応拡大のための第3相臨床試験、米国での後期第2相臨床試験については、順調に被験者登録が進んでいる。また、米国で実施している椎間板性腰痛症を適応症としたNF-κBデコイオリゴDNAの開発については、大手製薬企業とのライセンス契約も視野に入れながら第2相臨床試験の開発計画を策定している段階にある。オーストラリアで実施している高血圧DNAワクチンの開発については、第1相/前期第2相臨床試験結果を2021年2月に発表した。安全性に問題がないことや同ワクチン接種者から抗アンジオテンシンII抗体が得られたことが確認されている。今後は投与量を増やして安全性及び有効性を確認する臨床試験を継続していく予定にしている。また、米子会社のEmendoについては、先進ゲノム編集技術を用いて複数の開発を進めており、2021年内に複数回にわたり学会で開発の成果を発表している。同技術は業界のなかでも注目されており、ライセンス供与に向けて、複数のバイオベンチャーや製薬企業と交渉を進めている状況にあり、2022年には今後の開発プロジェクトの選定も含めて具体的な動きが出てくるものと期待される。 ※「標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」を効能として、厚生労働省から条件及び期限付製造販売承認を2019年3月に取得し、同年9月より提携先である田辺三菱製薬(株)を通じて販売を開始すると同時に、市販後調査(予定症例数120例中、2021年6月時点で約100例)を実施している。同調査の結果を持って本承認の申請を行うことになる。 3. 業績動向 2021年12月期第3四半期累計(2021年1月−9月)の売上高は前年同期比56.9%増の44百万円、営業損失は12,163百万円(前年同期は2,857百万円の損失)となった。売上高はコラテジェン®の販売増に加えて手数料収入の計上が増加要因となった。一方、営業損失が拡大しているのは、新型コロナウイルス感染症ワクチンの研究開発費用増加に加えて、新たに子会社化したEmendoの事業費用やのれん償却費(1,783百万円)を計上したことが主因となっている。新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発費用については国の補助金等で賄われており、国の認定が下り次第、営業外に補助金収入として計上される見込みだ。2021年12月期の業績見通しについては補助金収入の計上時期が流動的なこともあり未定としている。なお、2021年9月末の現金及び預金は約211億円となっており、当面の事業活動を進めていくうえでの資金は確保している。 ■Key Points ・新型コロナウイルス感染症ワクチンは高用量製剤による追加試験の投与が完了 ・椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴDNAは、第2相臨床試験に先立ってライセンス契約を締結する可能性も ・高血圧DNAワクチンは、第1相/前期第2相臨床試験で安全性と抗体産生を確認、今後も投与量を増やして開発を継続していく方針 ・Emendoは2021年内に先進的なゲノム編集技術の開発成果を複数回にわたり学会で発表 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《SI》
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大阪大医学部発のバイオベンチャー。遺伝子医薬やDNAワクチンのバイオ医薬品を開発。受託数の順調増で手数料収入は伸長。研究開発費は減少。23.12期通期は損益改善。24.12期は大幅増収、損益改善計画。 記:2024/03/05