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ブイキューブ Research Memo(1):好調事業の成長に加え、M&A効果により成長ポテンシャルがさらに高まる

2021/10/6 15:21 FISCO
*15:21JST ブイキューブ Research Memo(1):好調事業の成長に加え、M&A効果により成長ポテンシャルがさらに高まる ■要約 ブイキューブ<3681>は、オンラインイベント「V-CUBEセミナー、EventIn」やWeb会議「V-CUBEミーティング、Zoom」、スマートワークブース「テレキューブ」などオンラインによる映像コミュニケーションサービスを展開する国内最大手。SaaS(Software as a Service)の提供と合わせて各種オンラインイベントが円滑に進むよう、プロフェショナルサービスを組み合わせて提供する「SaaS+Service」モデルで競合との差別化を図っている。また、2017年より販売を開始した個室型スマートワークブース「テレキューブ」も、企業向けだけでなく駅構内や複合施設など公共空間向けへの導入も進み、急成長している。 1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要 2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比84.5%増の6,026百万円、営業利益で同294.2%増の1,021百万円と大幅増収増益に加え、2021年4月に発表した上方修正値(売上高5,700百万円、営業利益1,000百万円)に対しても上回って着地した。すべての事業セグメントで増収増益となったが、なかでもイベントDX事業及びサードプレイスDX事業は売上高で3倍強、セグメント利益で4倍強と急成長し、業績のけん引役となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)が続くなか、セミナーや説明会、株主総会など各種イベントのオンライン開催が浸透したことに加えて、「テレキューブ」の需要も企業向けに大きく伸長したことによる。なお、2021年12月期第2四半期累計期間の「テレキューブ」設置台数は、前年同期の471台から2,152台に急拡大した。期初計画では通期で2,500台の販売を計画していたことから、計画を大幅に上回る進捗となっている。 2. 2021年12月期業績の見通し 2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比57.0%増の13,000百万円、営業利益で同129.4%増の2,400百万円の見通し。2021年4月に発表した上方修正値(売上高12,200百万円、営業利益2,400百万円)に対して、売上高を再度上方修正した。これは主にサードプレイスDX事業の増額と、2021年6月に子会社化した米国のXyvid Inc.(ザイビッド)の上乗せ効果(約4億円)による。一方、売上高が伸長することで利益が上振れる可能性もあるが、上振れた部分に関しては2022年12月期以降の成長加速に向けた新規顧客獲得のための投資に振り向ける方針を示している。 Xyvidは、米国でセミナーや講演会などのイベント向けに「SaaS+Service」モデルでイベントDX事業を展開している。顧客企業はグローバル企業が多く、今後のシナジーが見込めることから子会社化した。2025年12月期に45.2百万米ドルの目標を掲げていることから、同社の連結業績に今後大きく貢献する可能性がある。なお、今回の子会社化に際して、アーンアウト条項を定めており、2021年12月期及び2022年12月期の業績達成度合いに応じて、15.5~39百万米ドルを旧株主に対して追加で支払う契約となっている。同社では、これらの資金については長期借入金で賄う予定にしており、今後のXyvidが獲得するフリーキャッシュ・フローによって返済していくことにしている。 3. 中期経営計画 同社は2020年11月に3ヶ年中期経営計画(2020-2022)を発表している。「Beyondテレワーク」をテーマに掲げ、Webによる映像コミュニケーションサービスは、コロナ禍収束後のニューノーマルな時代においても、利便性や費用対効果の高さなどから様々な領域で利活用が進むと見ており、こうした需要を取り込んでいくことで高成長を目指す方針だ。特に、「SaaS+Service」の差別化が生かせるイベントDX事業やサードプレイスDX事業については、2022年12月期以降も成長ドライバーとして期待される。業績目標としては、2022年12月期に売上高で153億円、営業利益で35億円を掲げているが、サードプレイスDX事業の売上高については1年前倒しで達成できる見込みであることに加え、イベントDX事業についてもXyvidの子会社化やオンライン株主総会の本格化、並びに高付加価値サービスとなるバーチャル空間型イベントプラットフォーム「Touchcast(タッチキャスト)」の寄与により、さらなる上積みが期待される。なお、株主還元方針としては、NOPLAT(みなし税引き後利益)ベースの配当性向で、2022年12月期には20%をベースに30%(2020年12月期は15%)を目指す方針を示しており、今後は収益拡大に伴って配当成長も期待できることになる。 ■Key Points ・Web映像コミュニケーションツールの提供だけにとどまらず、ソリューションサービスも合わせて提供する「SaaS+Service」モデルで差別化を図る ・2021年12月期第2四半期累計業績は大幅増収増益、イベントDX事業及びサードプレイスDX事業がけん引 ・2021年12月期は大幅増収増益の見込み、業績上振れ分は2022年12月期以降の成長加速に向けた投資に振り向ける方針 ・国内売上高の成長ポテンシャルはイベントDX事業で約353億円、サードプレイスDX事業で約175億円と試算 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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汎用Web会議システムの販売等を行うエンタープライズDX事業、セミナー配信プロダクトの提供等を行うイベントDX事業が柱。防音個室ブース「テレキューブ」等も。イベントDX事業は生成AI活用等で製品力を強化。 記:2024/10/05