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オンコリス Research Memo(2):ウイルス製剤を用いた抗がん剤及びがん検査薬の事業化を目的に設立

2021/9/9 15:12 FISCO
*15:12JST オンコリス Research Memo(2):ウイルス製剤を用いた抗がん剤及びがん検査薬の事業化を目的に設立 ■会社概要 1. 会社沿革 オンコリスバイオファーマ<4588>は、2004年に設立されたバイオベンチャーで、「Virology(ヴィロロジー/ウイルス学)に立脚した創薬」を事業コンセプトとして、がんと重症感染症を対象に研究開発を進めている。 創業のきっかけは、現代表取締役社長の浦田泰生(うらたやすお)氏と現在の岡山大学消化器腫瘍外科の藤原俊義(ふじわらとしよし)教授との出会いによるものであった。藤原教授は腫瘍溶解ウイルスの一種であるアデノウイルスを用いた抗がん剤となるテロメライシンの開発、及び事業化を目的とした企業設立を検討しており、そのための経営者を探していた。当時、大手企業の医薬品事業部に在籍し、同様のアイデアを持って抗がん剤の開発を考えていた浦田氏と出会い、共同で創業することとなった。このため、創業段階ではテロメライシン及びテロメライシンにクラゲが持つ発光遺伝子(以下、GFP)を組み入れたがん検査薬であるテロメスキャンの事業化を目的として同社が設立された。 その後、パイプラインを拡充するため2006年に米Yale大学からHIV感染症治療薬候補となる「OBP-601」、2009年にはアステラス製薬<4503>から新規分子標的抗がん剤「OBP-801」のライセンス導入を行い、研究・開発に着手した。「OBP-601」に関しては、2010年に米Bristol-Myers Squibb Co.(以下、BMS)にライセンスアウトしたが、BMSの事業戦略変更に伴い2014年4月にライセンス契約が解除された。しかし、2020年6月にトランスポゾン社と神経変性疾患を対象とした治療薬に関して全世界の再許諾権付き独占的ライセンス契約を締結している。そのほか、同年6月に鹿児島大学と共同で新型コロナウイルス感染症治療薬の開発に着手することを発表している。 テロメライシンに関しては、2008年に台湾のメディジェン社と戦略的提携契約を締結したほか、2019年4月には中外製薬と日本・台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンス契約、及び日本・台湾・中国圏を除く全世界における開発・製造・販売に関する独占的オプション権を中外製薬へ付与するライセンス契約を締結ライセンス契約の総額は500億円以上するとともに、資本提携契約(同社株式を45.66万株保有(出資比率3.12%))を締結した。なお、中国圏についてはライセンス契約先であった中国の大手製薬企業であるハンルイ社との契約が2020年6月に解消しており、現在は中外製薬を含めた複数の大手企業と導出に向けた協議を行っている。 一方、がん検査薬となるテロメスキャンに関しては、2012年に国内で研究目的の受託検査サービスを開始し、海外では2015年に米ペンシルベニア大学発のバイオベンチャー、Liquid Biotech USA,Inc.(以下、リキッド社)とライセンス契約を締結して北米での事業展開に関する業務提携を発表した。 2. 事業内容 同社は、創薬事業においてがんや重症感染症などの難病を対象に、安全で有効な医薬品及び検査薬の研究・開発・製造を事業の基本的な方針としている。創薬プランを開発し、その製造、前臨床試験及び臨床試験をアウトソーシングするファブレス経営により医薬品開発を行い、その製品的価値の初期評価であるPOCを取得後に大手製薬企業・バイオ企業にライセンスアウトし、契約一時金収入、開発進捗に応じたマイルストーン収入、上市後のロイヤリティ収入を獲得する収益モデルとなっている。 また、検査薬の開発は、同社が開発した検査用遺伝子改変ウイルスを用いた検査システムを検査ユニットとして検査会社や医療機関などに提供し収入を獲得していたが、検査工程で時間を要することが普及の阻害要因となっていたことから、現在、AI技術を利用して検査工程を自動化できるプラットフォームを開発中で、同プラットフォームの完成後に検査会社や医療機関などに消耗品となる検査キットの販売や、プラットフォーム利用料で収益を獲得していくビジネスモデルで事業を拡大していく戦略となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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