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ジェイ・エス・ビー Research Memo(7):長期ビジョン達成を目指し、中期経営計画は順調なスタート(1)

2021/7/30 15:47 FISCO
*15:47JST ジェイ・エス・ビー Research Memo(7):長期ビジョン達成を目指し、中期経営計画は順調なスタート(1) ■中長期の成長戦略 1. 中期経営計画の概要 2021年10月期からスタートした中期経営計画「GT01」(2021年10月期~2023年10月期の3年間)は、2030年長期ビジョン「Grow Together 2030」の第1ステージという位置付けである。長期ビジョンでは、2030年の「ありたい姿」として、「アビリティ(総合的人間力)」の芽を育て社会課題の解決に貢献すること、人間性とテクノロジーの融合によるジェイ・エス・ビー<3480>だけの価値を創出すること、「UniLife」をグローバル・トップブランドにすることを掲げており、2030年に向けてさらなる事業領域の拡大を目指している。この長期ビジョン達成に向けて不動産賃貸管理事業では、新たな価値提供により学生マンション分野で唯一無二の存在を目指す。また高齢者住宅事業では、多様なQOL(Quality of Life:生活の質)を目指すスマートコミュニティを実現する。さらに新規事業では、UniLifeでしかできない学びを提供し続ける計画である。 第1ステージの中期経営計画「GT01」では、「両利きの経営」(新しい領域に挑戦する「探索」と、既存事業の成長を図る「深化」のバランスの取れた経営)と「社員全員の経営」(チームワークをより強め、一人ひとりの知識を生かし新たな知識を⽣みだす、社員全員の経営)を推進する。計数目標としては過去最高となる売上高619億円、営業利益60億円、経常利益58億円、親会社株主に帰属する当期純利益38億円の達成を目指す。これによって資本効率ではROE15%以上、ROIC(投下資本利益率)8%以上、財務安全性では自己資本比率40%以上、流動比率120%以上を確保する。それらの目標達成に向けて、入居関連指標として物件管理戸数85,000戸、契約決定件数30,000件を想定し、成長投資として自社物件200億円、システム投資6億円を計画する。2020年10月期実績比で、売上高は29%増、営業利益も40%増を目指すことで、営業利益率は9.0%から9.8%への上昇を見込む意欲的な計画である。計画初年度の2021年10月期は、各利益は当初計画を10%以上も超過する予想であり、極めて順調なスタートを切っている。後述する成長戦略の着実な推進により、最終年度の目標達成にまい進していく。 実際、同社グループの経営環境は、長期的には今後も成長機会に恵まれており、同社の成長戦略に対する少子高齢化進展の影響も限定的であると考えられる。すなわち不動産賃貸管理事業では、4年制大学、特に女子学生の増加が顕著であること、国の政策サポートにより留学生も増加を続けること、自宅外生の比率は緩やかに上昇していることなどから学生マンションの供給は不足しており、学生マンション市場は拡大傾向を続けると予想される。 また同社グループは、学生マンション業界のパイオニアとして高い知名度や信頼を築いている。加えて、超高齢社会の進行を見据えて高齢者住宅事業にも布石を打っている。今後も学生マンションや高齢者住宅の供給不足が続くと予想されることから、グループの成長余地は大きいと言えるだろう。弊社では、アフターコロナを見据えた中期経営計画の推進により同社グループのさらなる成長が可能であると考える。 2. 成長戦略 (1) 不動産賃貸管理事業 同社グループでは中期経営計画の意欲的な目標数値を達成するための成長戦略として、主力事業の不動産賃貸管理事業では、学生マンションの収益力向上を目指して以下の3点を実施する。 第1に、DX推進を目指す。実現のための施策として、1)マンション企画のDX推進による不動産オーナーサポートの充実化及び営業効率化、2)マンション賃貸のDX推進による入居者の利便性向上、非対面接客の推進、3)DX推進による入居者・不動産オーナー・巡回点検担当者サポートの充実化、管理業務効率化、コスト削減などを計画する。この計画について、2021年10月期第2四半期時点では新規物件開発が順調に推移し、物件管理戸数、利益率ともに超過達成していること、コロナ禍による留学⽣の入国制限はあったもののUniLifeブランド・コンセプトを持った食事付きや家具家電付き物件の促進や、Web広告・学校との提携における募集活動が奏功したことから、同社による5段階の進捗評価(S~D)はBで予定通りに進捗している。 学生マンション事業におけるDX推進としては、マンション企画のDX、マンション賃貸のDX、マンションメンテナンスのDXを計画している。まずマンション企画のDXでは、情報活用による営業効率化、スピーディーな事業提案やシミュレーション提示による不動産オーナーサポートの向上、物件開発の促進などを図る。また、マンション賃貸のDXでは、CRM/電子契約システムが連携して一気通貫の顧客管理を実現、基幹システムとWebページの連動、部屋紹介から申込み手続きまでオンラインで完結するツール展開など、入居者の利便性向上と非対面接客の推進を図る。さらに、マンションメンテナンスのDXでは、オーナー向けアプリ導入により不動産オーナーの満足度向上や管理業務効率化・コスト削減、巡回アプリ導入により巡回・設備点検の標準化やデータ化、入居者向けアプリの導入によって入居者の満足度向上などを実現することで、管理業務効率化やコスト削減を目指す計画だ。こうしたDX推進は、中期経営計画の目標達成のカギを握る最重要戦略と言えるだろう。 第2に、バリューチェーンの強化を目指す。実現に向けた施策として、時代のニーズに即した物件を開発する「企画・開発・提案力」、全国ネットワークと多彩なメディアを駆使した「募集力」、迅速かつきめ細かなサポートができる「管理力」など、同社グループの強みを活用した「三位一体」の「一気通貫」サポート体制の確立を計画する。コロナ禍において物件紹介からクロージングをオンラインで一気通貫して行うことで顧客ニーズに応えることに成功したとして、進捗評価はAと予定を上回る順調な進捗状況で、今回の施策のなかで最も高い評価を与えている。 具体的な成果として、「Uni E’terna 山口吉田学⽣会館」は、同社グループと山口大学、山口大学生活協同組合の連携により運営開始した学生マンションである。大学の協力により大学敷地内にマンションを開発した点がユニークであり、大学生協と共同して説明会を実施し募集を行い共同で管理を行っている。さらに「学生会館Uni E’meal新潟大学前」は、同社グループの強みを活⽤した高機能学生マンションであり、新潟大学まで徒歩1分、全室家具家電付き、朝夕の食事付きで、雑誌・コミック本、電子書籍読み放題サービスやビリヤード台、シアタースペースなども備えている。 第3に、学生の価値創造を意図したビジネス拡大を目指す。実現のための施策としては、1)マンションに成長支援設備の設置、 2)学生に知の交流・創造機会の提供、3)地域創生への貢献などを計画する。三位一体による物件企画開発や仲介責任・管理責任による24時間365日の入居者アフターサービスについてさらなる充実を⽬指すが、進捗評価はBで予定通りに進捗している。 地方中核都市や地方都市における学生・社会人マンション「UniLife」を通じた、地方創生への貢献の具体的な展開事例としては、盛岡市と協定を結ぶ東日本旅客鉄道<9020>に同社グループが協力して、2022年春入居予定のJR盛岡駅西口・食事付き単身者向け賃貸マンションでは、地元での就職支援や若い世代の移住定住を促進し、中心市街地の活性化や地方創生につなげる計画である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《EY》
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