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ウェーブロックHD Research Memo(8):3年間で収益力強化と新規事業育成も含めた成長投資に約70億円投下

2021/7/26 15:08 FISCO
*15:08JST ウェーブロックHD Research Memo(8):3年間で収益力強化と新規事業育成も含めた成長投資に約70億円投下 ■今後の見通し 1. 中期経営計画の概要 ウェーブロックホールディングス<7940>は2021年6月に3ヵ年の中期経営計画を発表した。ビジョン、ミッション、バリューズを再定義し、新生ウェーブロックホールディングスとして、再成長に向けたスタートを切るべく、グループ企業戦略と各事業の中長期成長戦略を策定した。 グループ企業戦略としては、安定的成長を前提とした長期利益の獲得を企図し、営業利益率だけでなくROA、ROE、ROICの収益性、効率性を重視した経営を推進していく。財務戦略としては、WIT株式の譲渡等により、有利子負債を大幅に返済したが、手元キャッシュの活用と必要に応じての金融機関からの借入その他手段により、成長投資のために必要な資金を確保していくことにしている。 また、経営戦略としては、マテリアルソリューション事業、アドバンストテクノロジー事業それぞれの事業領域において、既存領域分野の深化と新規領域分野の探索を通じて多角化を実現していくこと、また、2事業以外の新規事業の探索についても「樹脂の加工」分野に必ずしもこだわらず、環境問題解決など同社がミッションとして掲げている社会課題を解決するソリューションビジネスであれば、柔軟な外部提携やM&Aなども活用して事業を育成していく方針で、早期に営業利益を2021年3月期の水準に回帰させることを目指している。 中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の業績目標は、売上高で24,500百万円、営業利益で1,260百万円を掲げた。インテリア事業を除いた2021年3月期の業績からインテリア事業を除いた数値(売上高20,173百万円、営業利益709百万円)を起点とすると、3年間の年平均成長率は売上高で6.7%、営業利益で21.1%となる。売上高、営業利益ともにインテリア事業を含めた業績水準までには届かないものの、営業利益率に関しては同水準となる5.1%まで回復する見通しだ。また、ROICで4.1%、ROAで4.1%、ROEで7.4%とそれぞれ着実に引き上げていく計画となっている。 業績目標を達成するため、同社は3年間で約70億円の投資を計画している。内訳としては、新規事業投資に30~35億円前後、既存事業における収益力強化のための投資として10億円前後(製造ラインの保守改修、品質向上に対する投資)、成長基盤を構築するための投資として25億円前後(地中熱関連投資、金属調加飾フィルムの新規製造ライン投資等)となる。3年間の営業活動によるキャッシュ・フローが概算で45~50億円(税金等調整前当期純利益+減価償却費)と想定されるため、20~25億円のキャッシュアウトとなるが、借入金で賄う格好となりそうだ。なお、WIT株式について同社がプットオプション、またはサンゲツがコールオプションを行使し、残りの保有株式を譲渡することになれば、株式譲渡資金で賄うことが可能と見られる。これら注力事業が順調に育てば、2025年3月期以降の収益成長期待もさらに高まるものと予想されるだけに、今後の動向が注目される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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建設資材や農業資材等の製造・販売を行うイノベックス、金属調加飾フィルム等を手掛けるウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーを傘下に収める持株会社。パッケージングソリューション分野は生産体制を強化。 記:2024/08/10