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TDCソフト Research Memo(6):2021年3月期は減収も高付加価値化により営業利益率向上(2)

2021/7/1 15:26 FISCO
*15:26JST TDCソフト Research Memo(6):2021年3月期は減収も高付加価値化により営業利益率向上(2) ■TDCソフト<4687>の業績動向 4. 主要施策の状況 同社グループは「次世代型システムインテグレーター」を目指し、市場の潜在ニーズを捉え、デジタル技術の新たな潮流に対応した次世代型のシステムインテグレーション(SI)事業へと進化することをビジョンに掲げ、2019年4月から2022年3月における中期経営計画「Shift to the Smart SI」を推進している。 主要戦略は「高付加価値SIサービスの追求」と「SIモデル変革の推進」を掲げている。「高付加価値SIサービスの追求」においては、重点分野の事業の拡大、高収益化を推進するうえで、アジャイル関連事業とセキュリティ関連事業を重点戦略分野としている。また、「SIモデル変革の推進」においては前期末にM&Aを行った八木ビジネスコンサルタントによるソリューション事業の強化、米国Scaled Agile, inc.やセキュアで高速大容量通信のプライベートLTEサービスを提供するLTE-Xとのアライアンスを推進させる。そのほか、顧客のビジネスのイノベーション支援等を通じた営業活動を推進するビジネスイノベーション本部や、顧客のDX推進に向けて、先端技術を駆使しスピーディーかつ効率的な課題解決をアカウント事業部門と連携し実現するデジタルテクノロジー本部を創設。技術者の確保・育成や研究開発投資、顧客への提案活動等を強化する。 2021年3月期における次世代型システムインテグレーターに向けた取り組みとしては、次世代型SI事業は順調に拡大しており、売上高に占める構成比は12.3%と前期(6.8%)から拡大し、会社計画比112%となった。また、次世代型SI事業の拡大に伴い、連結売上総利益率は前期比0.8%増の19.8%となった。 また、重点戦略分野であるアジャイル関連事業においては本格的に収益化が進んでおり、売上高は順調に拡大している。アジャイル関連事業の売上高については、2019年3月期が330百万円、2020年3月期が812百万円であったが、2021年3月期においては期首計画(1,120百万円)に対して1,256百万円に増額した。アジャイル開発は通常のSIプロジェクトから約7%高い売上総利益率であり、同社が推進する高付加価値化をけん引してきた。また、アジャイル開発分野においては、アジャイル開発サービスの拡大に向け、デファクトスタンダードであるScrum認定技術者の拡大等に取り込んでおり、Scrum認定技術者、アジャイル開発PJ経験者、SAFe®認定コンサルタントは順調に増加。2019年3月期に50名、2020年3月期の102名から2021年3月期においては期首計画(158名)に対して194名と大幅に増員した。認定技術者の増員によって、より高度な技術が必要とされるプロジェクトを取り込むことができるとみられ、高付加価値化を一段と加速させると弊社では考えている。 もう1つの重点戦略分野であるセキュリティ関連事業においては、新サービスの追加などの高付加価値化に向けた取り組みを強化した。2020年8月には社会的なリモートワークソリューションなどWithコロナの需要を取り込む新サービスとして、「LTE over IP®」※技術を活用したセキュアアクセスを実現するサービス「Tegata」の提供を開始した。利用者は、ソフトSIMを端末にインストールして接続を行うため、紛失リスクがなく、パスワードレスでネットワークへ接続を行うことができる。また、クラウド型サービスのため、急な増減にも対応が可能となる。TegataはVPN以上のセキュリティを確保し、VPNで必要となる専用装置が不要なクラウド型アクセスサービスであり、リモートワークユーザーの増大などに柔軟に対応できる。今後もTegataの提供機能を拡充し、システムインテグレーション事業をコアに2022年度末の累計販売10万ラインセンスを見込む。 ※「LTE over IP®」とはLTE-Xが開発に成功した技術であり、プライベートLTEの構築に際し、ライセンスバンド(無線局免許を必要とする周波数帯)の取得の必要がなく、通常のインターネット(IPネットワーク)上でプライベートLTEの構築が可能な技術となる。 また、各企業のパブリッククラウドの活用が進む中で、クラウド設定のミスや理解不十分な構築によるセキュリティホールの存在など、攻撃者の恰好の的になりやすい状況において、各企業が抱えるクラウドに対するセキュリティの不安を診断により可視化することで、安心・安全な運用を支援するクラウドサービス(Amazon Web Services:AWS)のセキュリティを診断するサービスを開始した。診断基準には、世界的なベストプラクティスがまとまったCISベンチマーク※を利用し、自動的に診断を行うツールを開発、可視化、診断レポートを提供する。 ※CISベンチマークを利用し、クラウド上の各種サービス(AWS Identity and Access Management(IAM)、Amazon EC2、AWS CloudTrail…etc)の設定について、OK(成功)、WARN(警告)、FAIL(失敗)の三段階で評価。全体の評価をまとめたレポートを提供することで可視化し、日次、週次など任意の間隔で診断(定期実行)する。 そのほか、資本・業務提携を結んだLTE-Xのほか、運輸会社と連携し、ローカル5Gにつながる要素技術の獲得を目的としたPoC(Proof of Concept:本格的にプロジェクトを開始する前に検証すること)案件を実施した。ローカル5Gの本格普及に先駆けてサービス開発を継続して推進する。 また、SIモデル変革の推進においては、オープンイノベーション活動を通じたSI事業の高付加価値化や新サービスに向けた取り組みを進めている。米国Scaled Agile, inc.とのパートナーシップによるアジャイル関連事業、LTE-Xとのセキュリティ事業、八木ビジネスコンサルタントとのソリューション事業などグループシナジーの創出に向けた取り組みを推進した。 なお、同社は2021年2月に、経済産業省が認定する「DX認定制度」に情報サービス産業界で初めて認定された。DX認定制度とは、2020年5月15日に施行された「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づく認定制度である。国が策定した「情報処理システムの運用及び管理に関する指針」を踏まえ、優良な取り組みを行う事業者を申請に基づいて認定する。ビジョンの策定や戦略・体制の整備などをすでに行い、DX推進の準備が整っている事業者の「企業がデジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態(DX Readyの状態)」を経済産業省が認定する。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《YM》
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独立系システムインテグレータ。金融業界のITソリューションに強み。クラウド型システム開発ツールなど自社製品の販売も。エンタープライズ向けSaaSソリューション案件は堅調。24.3期3Q累計は増収増益。 記:2024/04/15